欠品とは?起こる理由と対処法、欠品防止の対策を解説
注文に対して在庫が足りなくなる状態を「欠品」といいます。欠品が起きると、販売機会を逃してしまうだけでなく顧客からの信頼を損ない、今度の販売展開にも影響しかねません。欠品が起きたときには適切に対処するだけでなく、そもそも欠品を起こさない対策も重要です。 そこで、ここでは、欠品が起きる理由や対処法・対策について詳しく解説します。
欠品とは
欠品とは、顧客からの注文に対して在庫数が足りない状態のことを指します。つまり、顧客の要求に応えられず、商品を提供できない状態です。
英語では「out of stock」や「stockout」と表現されます。
実店舗で商品がない場合、「欠品」や「品切れ」「在庫切れ」など表示を目にする機会もあるでしょう。
ECサイト上でも、商品が足りずに顧客の注文に対応できない状態を欠品と呼びます。
ただし、欠品は一時的な在庫不足状態を指す言葉でもあります。
店舗や倉庫などには在庫がなくても、他の店舗や倉庫から在庫を補充して解消できる場合もあります。
欠品と品切れ・在庫切れの違い
商品が不足している状態を指す言葉には「品切れ」や「在庫切れ」もあります。
それぞれの意味の違いは次の通りです。
- 欠品:顧客の注文に対し、商品が在庫不足で提供できない状態
- 品切れ:他の店舗を含めて商品の在庫が全くなく、注文できない状態
- 在庫切れ:商品の在庫が切れているが、再入荷される予定がある状態
欠品や在庫切れが他の店舗には在庫がある可能性があるのに対し、品切れは他の店舗を含めて在庫がない状態です。
品切れを解消するには、メーカーの追加生産や再販売を待たなければなりません。
一方、在庫切れは在庫がない状態で、欠品と同じような意味になります。
どの言葉も現在在庫がなくて注文に対応できない状態のことを表しており、同じ意味合いで使われることも多いでしょう。
欠品により起こりうるリスクやデメリット
欠品を起こすことで、さまざまなデメリットが生じます。
ここでは、どのようなリスクやデメリットがあるかをみていきましょう。
販売機会を失ってしまう
商品があれば販売できるはずのものを、欠品していることで販売機会を逃すことになります。販売機会の損失は、売上・利益の減少につながります。
さらに、一度欠品を起こすことで「在庫がない店」というイメージを顧客に持たれてしまいます。
そうなると、その顧客は他の商品を購入する場合であっても、そのお店を利用しない可能性も高くなるでしょう。とくに、人気の商品や取扱ライバルの多い商品は、一度欠品を起こすと他の店に顧客が流れやすくなります。
このように、欠品は一時的な販売機会を失うだけでなく、長期的な販売機会を失う恐れがあるのです。
顧客満足度の低下につながる
欠品で希望する商品を購入できなければ、当然顧客満足度が向上することはありません。
むしろ、欲しいときに購入できないことや他のお店を探す手間が生じることから、満足度の低下につながってしまいます。
ECサイトに進出する企業は増えており、顧客は広い選択肢から店を選ぶことが可能です。
よりよいサービスを提供する店ほど選ばれやすくなり、反対に信頼や満足度の低い店は選ばれにくくなるでしょう。
顧客対応コストが増加してしまう
欠品を起こすと、顧客へのお詫びや入荷案内などが必要となり、通常よりも作業時間が取られます。顧客対応だけでなく、正確な在庫の把握や発注手配・欠品理由の究明などの作業も増えてしまいます。
また、顧客へのお詫び対応などはスタッフの精神的なストレスにもなりやすいものです。
このように、欠品を起こすことで通常より作業が増えてしまい、作業効率の低下や人件費などのコスト増加につながってしまうのです。
過剰在庫につながる可能性がある
一度、欠品を起こしてしまうと、次は欠品しないようにと多めに発注しすぎるケースもあります。
在庫数が増えれば、在庫場所の確保や管理の手間など余計なコストがかかるものです。
需要を見極めていれば問題ありませんが、過剰在庫になってしまうとさらなるキャッシュフローの悪化にもつながります。
欠品が発生する3つの理由
欠品が発生してしまう理由として、次の3つが挙げられます。
- 正確な需要予測ができていない
- 適切な在庫管理ができていない
- 倉庫が整理整頓されていない
正確な需要予測ができていない
需要の見込みを誤ったことで、予測より多くの注文が入り欠品になるケースは少なくありません。
また、途中の需要チェックを怠ったために欠品になるケースもあるでしょう。
需要は常に一定ではなく、季節や社会情勢などのさまざまな要因で常に変化していくものです。
当初は予測が適切でも、こまめなチェックを怠ったことで需要の変化に対応できずに欠品が起きる可能性もあります。
適切な在庫管理ができていない
仕入数や出荷数・実在庫を正しく把握していないことで、発注タイミングを誤ってしまうことも欠品の理由の一つです。
在庫管理できていない理由としては、以下のようなパターンがあります。
- 在庫管理のマニュアルがない
- 在庫管理システムがない
- 在庫管理システムはあるが適切に機能していない
在庫管理のルールが明確でないと正確な在庫管理はできません。
現場のスタッフの経験に頼っているといった場合、他のスタッフで在庫管理がチェックできずに気づいたら在庫数があっていないというケースもあるでしょう。
システムを導入せずに人力で在庫管理している場合も、人的エラーやリアルタイムで在庫が反映できないなどで欠品につながる可能性が高くなります。仮に、マニュアルを整えシステムを導入している場合でも、スタッフが使いこなせない・自社に合っていないなど適切に機能できていなければ意味がありません。
このような在庫管理の仕組みがうまく機能しないことは、欠品につながる大きな要因です。
倉庫が整理整頓されていない
倉庫が雑然として在庫が分かりにくい状態では、正確な在庫数を把握できません。
倉庫内で置場が決まっておらずいろんな場所に商品が置かれている、表示が適切でないなどは在庫数を間違えやすくなります。
そもそもの在庫数が異なっていれば、欠品につながりやすくなるでしょう。
また、倉庫が整理整頓されていないと入荷や出荷作業にも営業が出るため、作業効率に悪影響が出る恐れもあります。
欠品をなくすための3つの対策
欠品が発生する理由をふまえ、欠品をなくすための対策3つを解説します。
- 倉庫を整理整頓する
- 需給予測を正確に行う
- 在庫管理システムを導入する
倉庫を整理整頓する
倉庫が整理整頓され、どこに何があるのか一目で分かるようになれば正確な在庫を把握しやすくなります。
整理整頓する際には、一部のスタッフだけ分かるのではなく誰でも分かる状態であることが大切です。
保管場所や保管ルールなどを明確にして、誰でも同じレベルで保管・管理ができるようにしましょう。
需給予測をより正確に行う
正確に需要を把握できれば、適切な在庫数を確保でき欠品や過剰在庫を防ぎやすくなります。
需要の予測は、過去の販売実績や取引先の傾向・社会情勢などのデータをもとに把握していくとよいでしょう。
近年は、需要を予測するシステムも提供されているので活用するのもおすすめです。
在庫管理のシステムを導入する
人の手で在庫管理していると、入力ミスや在庫の数え間違いなどの人的エラーはどうしても出てきます。さらに、入力に時間がかかればリアルタイムで在庫を把握できずに欠品につながりやすくなるでしょう。とくに、販売チャンネルや倉庫数が多い場合などは、在庫管理も煩雑になり欠品リスクも高まります。
リアルタイムで正確な在庫管理を行うには、在庫管理システムを導入することをおすすめします。
在庫管理システムであれば、入荷や受注の情報がリアルタイムで反映でき、即時に今の在庫を把握できます。
複数倉庫がある場合でも、どこに何があるかを正確に把握できるので欠品を防ぎやすくなるでしょう。在庫管理の手間も削減でき、作業効率アップも期待できます。
在庫管理システムを導入する場合は、自社に必要な機能は何か・既存のシステムと連携できるかなどをチェックして、自社に合ったシステムを導入することが大切です。
TOPPANクロレのサービス「ロジクス」なら、在庫の一元管理だけでなく受注管理・発送作業・カスタマーサポートまで一貫した支援が可能です。
OMS、WMSが未導入であれば導入支援もできます。在庫管理システムの導入をお考えの場合はぜひ検討してみてください。
欠品が発生したときの対処法
万が一、欠品が発生してしまった場合は、顧客へのフォローを素早く行うことが重要です。
誠意をもって適切にフォローすることで、欠品後の顧客が離れることを防ぎやすくなります。
欠品が生じた時の対処法は、以下の通りです。
- まずはお詫びする
- 今後の対応を伝える
- 発注や取り寄せが可能であれば実施する
- 発注や取り寄せが不可能であれば返金する
まずはお詫びする
欠品が起きた場合、迅速にお詫びすることが大切です。
欠品の事実だけなく理由なども含めて、丁寧にお詫びしましょう。
お詫び方法は、メールや電話・FAX・直接訪問など状況に応じて使い分けることが大切です。
ECサイトの場合は、一般的にメールでのお詫びが多いですが、緊急度が高い・定期的に購入してくださる顧客などは電話で対応する方法も検討するとよいでしょう。
どの方法で連絡するにせよ、少しでも早く連絡することが大切です。
今後の対応を伝える
欠品に対してどのような状況でどのような対応をとるのかを具体的に伝えます。
主な対応としては、下記の通りです。
- 次回入荷日がある場合は出荷保留と入荷日の案内
- 代替品の提案
- 入荷の目処が立たない場合はキャンセル
入荷日が分かっているなら具体的な日付の案内、入荷予定がないなら代替品やキャンセルの案内をします。
発注や取り寄せが可能であれば実施する
他の店舗や倉庫に在庫がある・メーカーに発注すれば入荷する状態であれば、商品を手配して対応します。
ただし、取り寄せに時間がかかる場合は、一度返金対応を行う方がいいケースもあります。
発注・取り寄せの時期を案内して対応の希望を確認するとよいでしょう。
発注や取り寄せが不可能であれば返金する
発注や取り寄せができない場合や顧客がキャンセル希望の場合は、キャンセルと返金の処理を行います。返金を案内する際には、顧客には金銭的な損失はない旨もしっかり伝えましょう。
在庫を適切に把握して欠品が起こらないようにしよう
欠品が起こってしまうと、販売機会を損失するだけでなく顧客の信頼も低下し将来の販売機会を逃す恐れがあります。
万が一、欠品を起こしてしまった場合、迅速かつ丁寧に顧客をフォローして信頼回復に努めましょう。そもそも欠品を起こさないことが重要です。
欠品を起こさないためには適切な在庫管理や倉庫の整理整頓が必要ですが、人の手による管理は人的エラーも起きる可能性があるものです。
自社に合った在庫管理システムを導入することで、リアルタイムで正確な在庫を把握でき欠品を防ぐことにもつながるでしょう。
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