EC業界のキーパーソン・徳満泰彰さんの軌跡と「KOMOJU」の挑戦

グローバル市場への挑戦が加速する今、日本発のマルチチャネル決済プラットフォーム「KOMOJU(コモジュ)」の存在価値がこれまで以上に高まっています。
「決済・テクノロジー・現地情報の三位一体で、日本の企業が世界へ羽ばたく環境を実現させたい」とKOMOJUを運営している、株式会社DEGICAでVice President of Sales and Account Managementを務める徳満さんは言います。
今回は、TOPPANクロレのECチームメンバーが、徳満さんにお話しをうかがいながら、今後のEC市場、決済動向、両者の協業の可能性についてトークした内容をコラム記事にしました。
キャリアの転機を重ねて――徳満さんの歩み
EC業界で異彩を放つ存在――それが、現在KOMOJUを運営する株式会社DEGICAで営業責任者を務める徳満泰彰さんです。彼のキャリアは、一般的な「決済サービスのプロ」という枠を大きく超えています。
徳満さんはもともと、セキュリティ会社で金融機関向けの営業を担当。安定した大手向けビジネスを手がけていましたが、ビジネススクールでの学びや環境の変化を通じて、「日本の中小企業やスタートアップを支援したい」、「もっとチャレンジングな現場に身を置きたい」という想いが芽生えます。
2012年、PayPal日本法人の立ち上げ期に参画。世界的な決済プラットフォームの日本進出を最前線で支え、日々多様なECプラットフォームとの連携を担ってきました。
その中で、当時まだ日本進出前だったShopifyの存在にいち早く注目します。「これが日本に本格参入したら、間違いなくゲームチェンジャーになる」と確信したと、当時を振り返ります。
2018年には、そのShopify日本法人に転職。パートナーエコシステムの立ち上げ責任者として、制作会社やフリーランスのコミュニティを巻き込みながらShopifyの普及に尽力します。フリーランス向けのブートキャンプや育成スクールの仕組みづくり、メディア露出の戦略など、現在のShopify日本市場の発展を下支えする数多くの仕掛けを主導しました。
やがて、Shopifyが日本で一定の成長を遂げたこと、また自身の健康面での転機も重なり、さらなる「越境ECの可能性」と「決済の力で日本の中小事業者を支援したい」という想いからDEGICAへジョイン。そして現在、KOMOJUの営業責任者として新たなチャレンジを続けています。
ゲーム業界から越境ECへ―KOMOJU誕生と技術的な強み
KOMOJUは、DEGICAが展開する決済プラットフォームですが、その誕生にはユニークなストーリーがあります。
DEGICA自体、もともとはゲームプラットフォームであるSteam向けにゲームを販売するパブリッシャーでした。2015年、Steamが日本市場へ本格進出する際、「日本円決済やコンビニ決済がなければユーザーが広がらない」と提案します。そして、Steam向けに独自の決済インフラを構築したことが、KOMOJUの原点となりました。
この「Steamのための決済」が、やがて広く開放され、KOMOJUとしてサービスを開始します。以降、Shopifyの日本上陸やゲームプラットフォームXsollaなどとの連携を通じて、グローバルEC事業者からも高い評価を得ることとなります。
では、KOMOJUの技術的特徴を見てみましょう。
①多様な決済方法の取り扱い
日本国内で主流のPayPay、楽天ペイ、コンビニ決済から、東南アジア・中国・韓国・ヨーロッパ・ブラジルなど、海外現地の多様な決済手段まで幅広く対応。例えば中国のAliPayやWeChatPay、韓国のKakaoPayやNaverPay、ブラジルのPIX、欧州各国の主要決済など、進出先ニーズに応じて順次拡張しています。
KOMOJUが提供する多様な決済方法の一覧
※左が国内の決済方法、右が海外の決済方法(2025年7月時点)
②ショッピングカート連携の柔軟性
API公開によるShopify、Wix、WooCommerce(Wordpress)、SHOPLINE、Magento、Salesforce Commerce Cloud等、世界中の主要カートと連携。特にグローバルサービスとの親和性が高く、国内外のEC事業者双方に利便性を提供しています。
③最新のUI/UXと管理画面
多くの決済代行会社の管理画面は「業務用PCのようなUI/UXだから使い辛い」と言われる中、KOMOJUの管理画面は視認性が高い設計です。 トランザクションデータの一覧や返金処理の管理も容易です。
KOMOJUの管理画面(イメージ)
④高いセキュリティと不正対策
Steamをはじめとしたデジタルコンテンツ決済のノウハウを活かし、不正検知を標準搭載。チャージバック発生率は0.01%と業界屈指の低さを誇ります。追加費用なしで高度な不正対策が利用可能です。
⑤新展開!オフライン端末・KOMOJUターミナル
オンラインのみならず、ポップアップ店舗等で利用できるAndroidベースの独自決済端末を展開しています。オンライン・オフラインのデータを一元管理できるため、OMO(Online Merges with Offline)戦略にも対応しています。
決済端末のKOMOJUターミナルと法人プリペイドカードのKOMOJUカード
⑥ECサイト用の決済以外での多様な決済ユースケース
修理代金回収などの請求書やライブコマース向けのSNSからの販売など、ECサイト外でもかんたんかつセキュアに販売を可能にする「リンク型決済」の提供もスタート。
また、Platform Model APIの提供によって、プラットフォームやマーケットプレイスで多様な決済方法を提供し、プラットフォームからサブマーチャントへの売上の支払いにも対応するなど、Tech Drivenな進化を続けています。
さらなる越境・中小企業支援に挑むKOMOJUの未来
KOMOJUが目指すのは、「ビジネスでの国境を無くし、世界市場で売上を伸ばせる環境」を作ることです。
今後も新しい海外決済方法の対応を加速し、例えば東南アジアや中華圏、韓国など「日本発ブランドが人気の新興国」への進出を強力に後押しします。実際、徳満さん自身もShopifyストアを運営し、ラーメンをアメリカ向けに販売した経験があるなど、「現場での越境EC支援」には並々ならぬ熱意を持っています。
また、Shopifyなどグローバル系カートを使わない国内事業者や、日本独自カートを利用する事業者にも「海外決済をシームレスに導入できる」ことを強みに、今後はより多くの日本国内プラットフォームとも連携を広げていく方針です。
さらに、KOMOJUのAPIやリンク型決済等の新機能を拡充し、ライブコマースやサブスクリプション、フリーランスの請求業務など、従来の「ECサイト」にとどまらない多様な決済ニーズにも応えていきたいと意欲的です。
パートナー企業や制作会社とのネットワークも活用し、単なる決済サービスにとどまらない「日本から世界へのビジネス成長エコシステム」を構築。そのための技術投資・人材育成・情報発信も惜しみません。
TOPPANクロレとの協業が切り拓く越境ECの新時代
TOPPANクロレに限らず、国内の制作会社がクライアントの越境ECの構築やマーケティング支援において最初の壁となるのは、「現地決済方法の調査~導入」、「現地ユーザーの消費傾向把握」の情報収集や実務面への展開方法の検討です。
KOMOJUはその豊富な決済ラインナップと、API連携によるカスタマイズ支援など、きめ細かいサポートはもとより、韓国・欧州・メキシコなど、多国籍スタッフが在席していることから、現地ユーザーの決済習慣の状況をローカル視点から提供できる点は、パートナーとしてとても頼もしい存在です。
また、TOPPANクロレはクライアントに対して、「KOMOJUの高い承認率・低いチャージバック率」といった、決済品質を根拠とした提案が可能となり、価格競争に陥ることなく、顧客企業の売上最大化に寄与できます。
今後は、さらに両社の技術・ネットワーク・現場ノウハウを掛け合わせ、ライブコマースや新興国マーケットへの進出、API連携による業務効率化、新しい販売体験の創出など、日本発のEC事業者が「世界で勝てる」ための実践的なソリューションをともに追求していきたいと考えています。
今後も「KOMOJU×TOPPANクロレ」の動向に、ぜひご注目ください。
左から外谷洋二郎(UNIWORX)、小川結衣(TOPPANクロレ)、徳満泰彰さん、玉野陽香さん、ウィルソン 由香利さん(株式会社DEGICA)*UNIWORXはTOPPANクロレのグループ会社です。
取材を終えて
徳満さんのキャリアは「決済業界人」にとどまりません。日本の中小企業やフリーランス、クリエイターから大手企業が世界に羽ばたくための「実践的な挑戦者」であり、KOMOJUはその想いを支えるためのテクノロジーとネットワークを持つ「日本発・グローバル決済プラットフォーム」です。
KOMOJU×TOPPANクロレとの協業を通じて、日本のEC事業者が「決済」という壁を越え、世界市場でより大きな成果をあげられる時代が、いよいよ現実になろうとしていることを感じる取材でした。
◎見据えている世界観がとても素敵!
徳満さんがPayPal時代からのお付き合いです。今回、改めてお話を聞くことができて、やはり見据えている世界観がとても素敵な人物だと思いました。
徳満さんがDEGICAにジョインされたことにより、今後さらにEC業界を一緒に成長させることができると確信しました。(Uniworx / 外谷洋二郎)
◎とても使いやすいサービス!
実務面で見ても、KOMOJUはカートとの連携が容易であったり、直感的に操作できる管理画面で扱いやすかったりと、大変利用しやすいサービスだと感じています。
今回お話を伺って、更なる発展が楽しみに思いましたので、今後も一緒にお客様の成長をサポートしていけたら嬉しいです。(TOPPANクロレ/ 小川結衣)
KOMOJUの導入、越境ECをご検討中の方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。