越境・ソーシャルコマース対応にSHOPLINEという選択

ECサイト構築・運用の現場で今、注目を集めるSHOPLINE。本コラムでは、過日SHOPLINE Japan株式会社で開催されたウェビナーの内容を元に、ECカート選定の最新事情やSHOPLINEの特長、今後の市場トレンドをまとめました。
SHOPLINEとは?―アジアで急成長するECカート
SHOPLINEは、オンラインストア構築、ブランド専用アプリ、POSレジの3本柱を軸に、特にアジア圏(台湾・香港・シンガポール)ではNo.1シェアを誇るECカートです。日本支社は2023年10月に設立されました。
最大の特徴は、多くの拡張アプリが自社開発で、ほとんどが無料で利用できること。基本料金は月額約4000円台からとコスパも良好で、規模や成長段階に応じた料金プランが用意されています。日本企業の越境ECやアジア圏からのインバウンド需要にも強く、国内外で導入が拡大中です。
ECカート選定、今なぜSaaSが主流に?
近年のECカート市場は、従来の「フルカスタマイズ型」から、手軽で、かつセキュアな「SaaS型」へとシフトしています。その背景にはセキュリティ対策の高度化や、短期間でのサイト立ち上げニーズの高まりがあります。
SHOPLINEの「現場目線」メリット
1. ノーコードで高速立ち上げ
TOPPANクロレのように、お客様のEC構築・運用を支援する制作会社の視点でも、SHOPLINEの「ノーコード設計」は大きな魅力です。エンジニアを介さず、ディレクターやカスタマーサポート担当が設定を進められるため、初期構築が1か月以内で完了するケースも珍しくありません。導入コストや納期を大きく短縮でき、PDCAサイクルも回しやすいのが特長です。
2. 無料アプリで必要機能が網羅
よく比較されるShopifyは、拡張アプリが非常に多く、選定や追加コストが課題となるケースがあります。一方、SHOPLINEは、よく使われる機能が自社開発アプリで網羅されており、ほぼ無料という安心感があります。機能の追加開発の相談もできるので、カスタマイズ性とコストのバランスも一つのメリットとしてあげられます。
3. 海外展開・越境ECに強い
多言語化や現地決済、物流連携など、アジア越境ECに特化した仕組みを持つのも大きな優位点です。越境のための設定自体も直感的でわかりやすく、中国本土からVPN不要でアクセスできるなど、他のカートでは難しい仕様が標準搭載されています。(*)台湾・香港・シンガポール拠点から現地サポートも受けられるため、アジア進出を志向する企業にとっては有力な選択肢です。
(*)機能として提供されていますが、中国政府の都合によるグレートファイアウォールの仕様の変更や有事の際には、機能の安定的な提供ができないため、100%保証ではありません。
ソーシャルコマース&ライブコマースで差別化
SHOPLINEが特に強みとするのが「ライブコマース」や「ソーシャルコマース」の領域です。ライブ配信中にコメント欄へキーワードを入力すると、自動でDMが届き、スムーズな購入導線が用意される等、アジア圏の最新トレンドを取り込んだ独自機能を実装しています。 また、アフィリエイトやインフルエンサーマーケティングを効率化する無料機能も特徴です。インフルエンサーごとの売上管理や独自マイページの作成、SNS連携での拡散施策など、日本のEC事業者が「これから使いたい」と考える機能を標準搭載しています。 支払い方法も今後拡充予定で、現場からのフィードバックを迅速にプロダクト開発へ反映している点も高評価と言えるでしょう。
SHOPLINEのインフルエンサーマーケティングサービス利用例
越境EC・アジア進出を支えるサポート体制
「アジア進出には現地パートナーとの連携、KOL(キーオピニオンリーダー)の紹介(*)、現地広告運用などが不可欠」とSHOPLINE日本支社代表の大山氏は言います。SHOPLINEは台湾・香港・シンガポールに広告・オフラインサポートチームを持ち、現地のリアルイベントやプロモーションも一気通貫で支援します。
また、東南アジアでのモール連携(例:Shopee等)や、国内外チャネルの同時運用もサポート。日本企業の「海外への一歩」を手厚く後押しする体制が整っています。
(*)KOLが行う業務としては以下のようなものがあります。
- SNS投稿による商品紹介(Instagram、YouTube等)
- ライブコマース出演・配信内での商品紹介
- 実際の使用体験を踏まえたレビュー記事や動画の作成
- キャンペーン告知、限定クーポンの配布
- ブランドアンバサダーやイメージキャラクターとしての出演等
SHOPLINE Japanでは、現状、サービスとしてリリースしていないため、ブランド自身または代理店を通じてKOLにご依頼いただく形となります。
今後の展望―日本EC市場の新たな選択肢へ
今後はTikTok Shopとの連携や、さらなる決済手段の拡充など「日本市場にフィットした進化」が進む見込みです。日本のEC市場において、越境・ソーシャルコマース対応、コストパフォーマンス、現場での運用のしやすさを重視するなら、SHOPLINEは「今、選ぶ価値のある」ECカートの一つと言えるでしょう。これからのECサイト構築・運用に、ぜひ選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
◎SHOPLINEの可能性について
インバンド需要が急速に拡大している今、帰国後にも越境ECでリピート購入できる状態が簡単に構築できるのはとても魅力的です。弊社にもそのような相談が増えてきました。セカンド販売チャネルとして、低コストで始められることも大変魅力的です。今後さらにSHOPLINEの需要は高まるのではないでしょうか。(Uniworx / 外谷洋二郎)
◎本コラムはSHOPLINEで開催されたウェビナーの内容を元に編集しています。
【SHOPLINEウェビナーの概要】
・日時:2025年6月17日 13:00~14:00
・タイトル:EC構築・運用のプロ2人が語る、ECカートの新たな選択肢とは ~なぜ今SHOPLINEが注目されるのか?~
・特別スピーカー:大塚和男(合同会社Refine International CEO)、外谷洋二郎(株式会社UNIWORX)
・モデレーター:大山廣貴(SHOPLINE Japan株式会社 代表取締役社長)
左から外谷洋二郎、大山廣貴氏、大塚和男氏
*UNIWORXはTOPPANクロレのグループ会社です。
SHOPLINEの導入・リプレイスをご検討中の方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。