記念誌制作の流れやポイント、参考事例を解説!心に残る記念誌を作ろう
目次
記念誌とは?「社史」「年史」との違い
記念誌とは、一言でいえば「特定の出来事や節目を祝い、それを記録として形に残すための冊子」です。
創立周年、プロジェクトの完遂、あるいは表彰といった、その瞬間の価値を共有し、関わった人々への感謝を伝えながら、未来へ語り継ぐことを目的としています。
歴史を淡々と記すことよりも、その時の熱量や想いを伝える「記念碑」としての役割が強く、内容やデザインの自由度が高いことが大きな特徴です。
こうした性質を持つ記念誌ですが、よく混合される言葉に「社史」や「年史」があります。それぞれの違いを整理しておきましょう。
社史との違い
「社史」は、企業の創業から現在に至るまでの歩みを、客観的かつ体系的に記録したものです。
事実関係の正確さが何より求められ、企業の歴史を後世に残す「資料」としての価値が重視されます。
一方の「記念誌」は、必ずしも全史を網羅する必要はありません。特定のイベントや近年のトピックスに焦点を当てるなど、より読者の感情に訴えかけるような自由な編集が可能です。
年史との違い
「年史(10年史、50市年史など)」は、時間の経過に主眼を置き、一定期間の出来事を時系列でまとめた記録を指します。
記念誌が「お祝い」を強調するのに対し、年史は「これまでの歩み」を重視するニュアンスが強くなります。ただし、実際には周年行事に合わせて「〇〇周年記念誌」のなかに「直近10年の歩み」として、年史の要素を組み込むケースも多く、両者は補完し合う関係にあります。
記念誌を制作する目的
記念誌の制作にはかなりの労力を必要としますが、それに見合うだけの大きなメリットがあります。主な目的を3つ紹介します。
「感謝」と「祝う気持ち」を形にする
最大の目的は、節目を祝う喜びを分かち合うことです。従業員だけでなく、取引先や顧客へ配布することで、これまでの支援に対する感謝の意をダイレクトに伝えることができます。
社会におけるイメージアップ(企業のブランド価値向上)
これまでの功績や社会貢献の軌跡をまとめることで、信頼できる企業であることを対外的にアピールできます。また、将来のビジョンを明文化することで、ステークホルダーに対して「これから進むべき方向」を強く印象づけられます。
「組織の結束力」を高める
過去の苦労や成功体験を共有することは、社員が自社の価値を再認識する絶好の機会となります。
帰属意識を高め、次の10年、20年先へ向けたモチベーション向上へとつなげます。
記念誌制作の流れ
記念誌制作には、一般的に1年~3年の期間が必要です。
スムーズに進行させるための主要なステップを解説します。

-
編集委員会の立ち上げ
記念誌制作の準備としてまず行うのは、制作の実行役となる編集委員会の立ち上げです。
編集作業の得意な社員を選定したり、記念する出来事に詳しい人物への参加を呼びかけたりして、適任者を集めます。
-
目的・読み手の対象の把握
記念誌制作の目的、対象とする読者層を設定し、制作の趣旨を明確にします。
-
体裁・構成の原案作成
全体のイメージ、内容についての大枠を作成します。
-
企画書の作成
原案に沿って企画書を作成し、具体的なコンテンツを決めていきます。
-
資料収集
企画書でまとめたコンテンツを構成する情報や写真の収集を開始します。
必要に応じて取材や撮影を行い、イメージイラストや図表といった素材を作成します。
-
執筆
実際の原稿を執筆する作業に入ります。
自分たちで原稿を書くほか、社内や関係各所に原稿を依頼する、プロのライターに依頼するというように、記念誌の内容に合わせて作業を進めます。
-
デザインワーク
装丁、表紙デザイン、フォント指定、字詰め・行数、写真・イラストの配置など、デザイン全般について担当者がデザイナーと打ち合わせします。
-
入校・組版・サンプル
原稿が仕上がったら、印刷所へ入稿します。印刷所では入稿原稿をもとに組版を行い、サンプルを作成します。
-
校正
サンプルを見て、事実の誤りや誤字脱字、図版の挿入位置の誤り、デザイン的な不備がないかなどをチェックします。
-
再校・最終確認
校正の指示に従って印刷所で修正が行われます。再校の回数は印刷会社との契約によって異なります。
-
印刷・製本・納品
校正終了後、印刷が開始されます。印刷が完了したものは製本所に回され、記念誌となって納品されます。
記念誌制作のポイント
思いどおりの記念誌をスムーズに制作するためには、いくつか気を付けたいポイントがあります。その主なものを解説します。
目的に沿った構成にする
情報過多になりがちな記念誌ですが、最初に決めたコンセプト(軸)に沿って情報を取捨選択することが、読みやすい冊子にするコツです。
関係者のインタビューや座談会、記念誌制作に至る背景、関連する項目の範囲など、どんなコンテンツが必要かを精査し、バランスの取れた構成を目指します。
余裕を持ったスケジュールを立てる
行事や配布のタイミングからさかのぼって、全体を通して無理のないスケジュールを組む必要があります。
プロセスごとに締め切りを設定するとともに、最終的なリミットはいつまでか、印刷や製本期間を頭に入れながら進行を管理します。
原稿執筆・資料収集は遅れる場合もあります。遅延を想定したうえで、余裕を持って時間を配分していきましょう。
予算管理
予算は、企画全体、紙質、ページ数、掲載内容に大きく影響します。
編集費用・外注費用・印刷費用に関して概算見積もりを取り、予算の範囲内で最適な選択をします。
役割分担
編纂担当者の選定と既存業務との調整は、記念誌制作を実施するうえで大きな課題になります。
編纂担当者として必要とされる適性・責任感・リーダーシップを見極め、慎重に選定を行います。
役割分担を決める際には、担当者だけに負担がかからないように、フォロー体制も整備しましょう。
スペースの確保
忘れてしまいがちですが、編集作業を行う場所の確保も大切です。
相当な量が予測される資料の一時的な保管場所、作業スペース、打ち合わせスペースなど、十分な場所を提供して編集作業が円滑に行えるようにしましょう。
記念誌の制作事例
最後にTOPPANクロレが制作した記念誌の事例を紹介します。
図書印刷100周年記念誌
TOPPANクロレでは、自社のPOD(プリントオンデマンド)の技術を駆使して、前身である旧・図書印刷の100周年記念誌「HERO&HEROINE」を制作しました。従業員一人ひとりの入社式の写真や勤務記録、生まれた年の新聞記事などを掲載し、世界に一冊だけの記念誌として配付しています。
創業時最初に手掛けた印刷が「荷札」であったことにちなみ、荷札をつけた当時の小包をイメージした装丁で、創業の原点を象徴的に表現している点も大きな特徴です。
また、100周年を振り返る動画コンテンツを収録したDVDも同梱し、冊子と映像の両面から節目の歴史を体感できる構成としました。
公益社団法人日本理学療法士協会様『日本理学療法士協会六十年史』

創立60周年の節目に発行された記念誌の制作・製造を担当しました。
制作で特に重視したのは、お客様からの「若い世代の会員様が親しみを持って読める年史にしたい」というご要望です。従来の年史の枠にとらわれない、堅苦しさや古さを感じさせないデザインを目指しました。
詳しくはこちらをご覧ください。
過去・現在・未来をつなぐ記念誌を残そう
記念誌は企業や団体の記念となる出来事にフォーカスするものですが、そこにとどまるものではありません。記念となる出来事までの道のりから今後の発展までを感じさせる、未来に向けたメッセージでもあります。記念誌の制作には多くの時間と労力が求められますが、手順を踏みながら一つひとつ作業を進めれば、素晴らしい成果を生むことができます。企業や団体のブランドに寄与する記念誌を目指し、じっくり制作していきましょう。
記念誌の制作を検討している方へ。TOPPANクロレは、記念誌の制作を含め周年事業全般についての疑問や悩みにお答えして、お客様をサポートします。どんなことでもまずはご相談ください。
周年事業をどう進めればよいのか、マンガでわかりやすく学べるコラムです。TOPPANクロレの周年プランナー「クロレさん」が、
周年事業を成功させる4つのポイントを詳しく解説した無料のeBookです。
まずはお気軽にお問い合わせください。御社の課題解決のサポートをいたします。



