ECマーケティングとマーケティングの違いは?ポイントと施策を解説!
近年、EC市場は右肩上がりの成長を続けてきました。EC(オンラインショップ)で販売を行うメリットは大きいですが、売上を出すにはマーケティングが不可欠です。この記事では、ECマーケティングの特徴や売上アップのためのポイントと施策を紹介いたします。
ECマーケティングとは?
ECマーケティングとは、ECにおいて集客から購買、再訪に至るまで、ユーザーに商品を購入してもらうための取り組みを指します。デバイスの普及やコロナ禍の外出自粛による通販需要の高まりもあり、ECならではのマーケティングが注目されています。実店舗の取引や訪問販売を含んだマーケティングと比べて、ECでのマーケティングには下記の特徴が挙げられます。
ECマーケティングとマーケティングの違い
一般的なマーケティングと比べて、ECマーケティングには以下のような違いがあります。
- オンラインを主軸とした戦略:全世界に発信できる一方で、的確なターゲット設定が必要
- データに即した戦略が主軸:スピード、タイミングなどを図れる一方、戦略立案にはアクセス解析がポイント
- 非対面でのコミュニケーション:相手の情報はWeb上のデータのみ。また、きっかけを作るため、テキストの文面や内容が重要
以上が主な違いですが、企業によっては、ポップアップストアや実店舗を運営するケースもあります。
ECマーケティングの3つのポイント
ECでの売上アップに必要なのは、実店舗と同様に「新規顧客を獲得し、リピーターを増やすマーケティング」です。ですが、オンライン上の店舗であるために、実店舗のマーケティングとは必要な施策が異なります。ここではECマーケティングのポイントを3つに分け、施策とともに紹介いたします。
ポイント1:「集客」サイトへの訪問者を増やす
商品の購入者を増やすためには、まずは集客が必須です。ECは場所にしばられないため、上手に情報を拡散させれば、遠くにいる顧客を引き寄せることができます。インターネットの様々な広告を利用して集客を行いましょう。
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リスティング広告
初めてのECサイト広告としておすすめなのがリスティング広告です。関心の高いユーザーに広告を表示するので、効果が出やすいといわれています。特定のキーワードに対して、検索結果ページの上部に広告を表示させます。かけた費用によるアクセス数が計算しやすいことも初心者におすすめな理由のひとつです。
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ディスプレイ広告
Yahoo!やブログ記事など、さまざまなWEBサイト上で表示されるバナータイプの広告をディスプレイ広告といいます。画像広告のため、商品イメージやブランドイメージをユーザーに分かりやすく伝えることができます。ブランドや商品の認知度を上げるためには効果的な広告です。
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SEO対策
SEO(検索エンジン最適化)対策を行い、検索結果ページの上位に表示されれば、訪問者の増加につながります。検索されやすいキーワードやユーザーに有益な情報をECサイトに載せることで、商品ページやECサイトが検索にかかりやすくなるよう工夫することが必要です。
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SNS広告
Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSを利用した広告です。SNSを利用するユーザーは性別や年齢などのプロフィールを設定しています。そのため広告ターゲットを細かく絞り込むことができ、商品やブランドに興味を抱いてくれそうな人に向けて、効果的に広告を表示させることができます。
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ポイント2:「転換率改善」購入しやすいサイトを作る
広告によってECサイト訪問者を増やすだけでなく、実際に商品を購入してもらうことで初めて売り上げにつながります。ここでは購入率アップの施策を紹介します。
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レコメンド機能
ある商品を閲覧するユーザーに対し、「こちらもおすすめです」と別の商品をおすすめする機能です。レコメンド機能には以下の種類があります。
ルールベース | 「Aを購入した人に、Bを勧める」というルールをあらかじめ設定する |
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コンテンツベース | 商品同士の類似性を分析し関連商品を勧める |
協調フィルタリング | 顧客の購買履歴からデータを分析しターゲット顧客と類似した顧客が購入した商品を勧める |
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購入者のレビューを利用
「インターネットユーザーの8割弱が商品・サービス購入前に、購入者のレビューを見ている」という調査結果(※)もあるように、レビューは現代の購買行動には欠かせない情報源となっています。その内容は顧客の購買意欲に大きな影響を与えるため、よくチェックをして、丁寧に対応することが必要です。
※オンライン上の口コミ利用に関する実態調査|Cross Marketing
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入力フォームの改善(EFO)
ECにとって顧客の生の声を聞く機会は貴重です。問い合わせや意見を受け付けるフォームは、入力が簡単でエラーが出にくいものを準備することが大切です。
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チャットボット
チャットボットとは、対話式のコンピュータープログラムのことです。チャットボットを問い合わせに導入すると、よくある質問には即座にチャットボットが対応するため、カスタマーサービスの担当者は個別対応が必要なサポートに集中できるようになります。
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ポイント3:「LTV最大化」リピート購入を増やす
サイトを定期的に訪れ、商品を購入してくれるユーザーを増やすことはサイトの長期的な売上確保のために必要となります。
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メールマーケティング
メールやメールマガジンは、顧客に直接メッセージを届けることで、サイトへの再訪、リピート購入を促す、固定客づくりに有効なツールです。しかし、顧客がこの情報は自分に合っている、自分にとって役立つ情報が載っていると感じなければ開封してもらえません。そこで顧客の属性やニーズに沿って内容を出し分けていくメールマーケティングが重要です。例えば、顧客のアクセスや購入履歴をもとに内容を切り替えて配信したり、会員限定のメール、購入後の時間経過に合わせて顧客の行動をフォローするステップメールなどが挙げられます。
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顧客データをCRMに活用
顧客データをもとに顧客との関係を深めるマーケティング手法はCRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)と呼ばれます。ECの運営にCRMを取り入れると、商品やサービスを利用する顧客のニーズやインサイトを把握した細やかな対応が可能になります。また、新製品を重点顧客だけに先取りで紹介したり、リピーター向けにメールで特別の案内を出したりといった対象を絞った販促活動は、コアなファンの育成にもつながります。
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ECマーケティングを行う2つのメリット
ここからは、ECマーケティングがもたらす、2つのメリットを解説します。EC運営を進めるうえでの施策を社外に提案したり、社内稟議を得たりする際にお役立てください。
データの取得や運用がしやすい
ECマーケティングのメリットとして、データを収集・分析しやすい点が挙げられます。ECサイトでは、購入時に顧客が入力した情報や、サイト上での離脱率・購買率などの情報を取得できます。また、収集した情報は、以下のように活用できます。
- 顧客の基本情報→ターゲットを詳細に分析でき、広告の最適化ができる
- 訪問者数と購買者数から割り出した購買率(転換率)→ 売上改善案を考える素材になる
その他ECマーケティングでは、口コミやレコメンドなど、ユーザーからダイレクトに提供される情報(ゼロパーティデータ)を得ることができます。それらを分析したり、対応したりして有効活用することで、ECサイトの信頼性を高められます。
商圏をワールドワイドに広げられる
商圏を全世界に広げられることも、ECマーケティングのメリットです。ECマーケティングでは、オンライン上で商品・サービスを展開するため、地理的な制限がありません。そのため、実店舗ではできない国内の遠方や、インバウンド需要で海外に販売もできます。特に、インバウンド需要においては、日本国内の製品が非常に注目されています。もちろん、海外向けに販売する際は、商習慣の違いや輸送費用、法的な手続きなど専門知識が必要です。海外SEOや多言語対応のサイト制作、海外現地でのECモールへの出店方法など、ターゲットの地域に応じたECマーケティングも必要になってきます。
ECマーケティング2つの課題
ECマーケティングには課題もあります。あらかじめ知っておいて、自社の施策にお役立てください。
効果が出るまでに時間がかかる
ECマーケティングは効果が出るまでに時間がかかります。たとえば、サイトの設計だけでなく、特有のツールや運営手法など、専門的なスキルが必要なので、担当者を設定したり、システム導入したりといった準備が必要です。また、施策を講じてもすぐに結果が出ないので、集客に至るまで、ある程度の時間と費用もかかります。
戦略の設定が重要
前述の通り、ECマーケティングには戦略が不可欠です。以下で、ECマーケティングに関する戦略を顧客の種類ごとにまとめました。
- 潜在顧客向け:自社を知らない顧客。認知の向上。Web広告やSNSの運用など。
- 見込み顧客向け:自社を知っている顧客。CVRの向上。キャンペーンやサイトUIの設計など。
- リピーター向け:自社で一度購入している顧客。リピート率(LTV・購買頻度など)の向上。会員向けメルマガやDMなど。
新規顧客の集客だけではなく、リピーターを増やしたり、リピーターが何度も購入してくれるような戦略までを考慮しておきましょう。
ECの特徴を活かしたマーケティング施策を行い、売上をアップしましょう
時間や場所の制約を受けないECでは、日本全国や海外まで販売エリアを広げることができます。この利点を生かして効果的な集客をすることがECマーケティングの第一歩です。
一方で、ECでは顧客に直接商品をアピールしたり、要望を聞いたりといった、対面販売では当たり前のコミュニケーションができません。このようなECの弱点を穴埋めして、顧客を離さないようにするのもECマーケティングの役割のひとつです。
テクノロジーを駆使した機能やECだから収集できるデータをうまく使うことで、実店舗を超えるきめ細かいカスタマーサービスが実現できれば、固定客(リピーター)を増やすことができます。ECマーケティングに力を注いで、売上アップを実現しましょう。
TOPPANクロレでは、ECサイトの構築~運営の包括的な支援を行っております。ECマーケティングをどう進めるか検討している方はお気軽にご相談ください。