ECサイトの構築方法を比較解説!費用・手順・選び方のポイント
自社でオリジナルのECサイトを構築する場合は、サイトで扱う商材やサービスの内容、売上の規模などに適した構築方法を選ぶことが大切です。
このコラムでは、構築前に確認・準備すべき内容や、主な構築方法を、実際の費用感やメリット・デメリット、どんなサイトに向いているのかなど比較しながら解説していきます。
ECサイト構築―はじめにすべきこと
ECサイトを新しく構築する際は、急いで構築方法を選ぶ前に、社内でサイトに関するさまざまなことを検討し、必要な情報を集め、準備しておくことが重要です。具体的にどのように準備を進めるべきか、構築までの流れを説明します。
1. サイトのコンセプトや目的・目標を明確に定める
まずは、次のようなことを決めましょう。
- サイトの目的
- コンセプト
- 具体的な売上目標
- ターゲット(顧客層)
どのようなサイトを構築するか、作りたいサイトのビジョンを固めれば、おのずと必要なものが見えてきます。反対に、漠然としたイメージのまま始めてしまうと、手間や時間が無駄にかかるだけでなく、コンセプトやターゲットが曖昧な誰からも関心を引きにくいサイトが出来上がる可能性もあります。
そのサイトを作る理由や目的、具体的な売上目標や想定顧客層などを定め、構築に関わる担当者でサイトのイメージを共有しましょう。
2. サイトやシステムの要件定義をおこなう
構築するサイトのイメージが固まり、その内容で着手することが決まったら、設定した情報を元に必要な要件定義をおこないます。
目標やターゲット、何に予算と時間をかけるかの優先順位や、システムの選定基準、予算やスケジュール、コンテンツに応じたページの想定ボリュームなどを、具体的に文書化します。
3. 要件定義を元に構築方法を選ぶ
要件定義で構築するサイトの内容がより明確になったら、売上規模や予算、制作条件に合わせて、構築方法を選定します。
構築方法は大きく4種あり、それぞれの特徴を強みにした制作会社のサービスも多数提供されています。4つの構築方法については後ほど詳しく解説しますので、どの方法が自社に適しているのか、メリットデメリットを理解した上で判断しましょう。
4. 制作会社に依頼、もしくは社内で構築
選定した構築方法にて制作会社へ依頼、もしくは自社での構築を開始します。
ECサイトの構築方法の種類とその特徴
ECサイトの構築方法は、主に4つの手法に分けられます。ここではその手法、 「ASP」・「オープンソース」・「パッケージ」・「フルスクラッチ」について詳しく解説していきます。
費用を抑えたい場合におすすめの構築方法は、ASPとオープンソースです。ただ、ASPとオープンソースは費用を抑えてECサイトを構築することができる反面、自由自在にカスタマイズすることができません。カスタマイズすることを前提とする場合には、パッケージやフルスクラッチで構築します。
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構築手法別の費用について、更に詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
ECサイト構築費用の相場とは?カート別、料金別に徹底比較
上の図で費用感による棲み分けが明らかなように、何を重視するかによって、選ぶ構築方法は変わってきます。ここからはそれぞれの構築方法の特徴を解説していきます。
「ASP」は最も手軽に始められる
サービス例:Shopify、BASE、STORES など
ASPとはApplication Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の略で、業務用アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客に提供する事業者やサービスを指します。財務や会計、営業やマーケティングのツールとしてさまざまなASPがありますが、ECサイトにおいてもASPが存在します。
ASPを導入するとシステムの管理を委託できるので、ネットショップ側はあらかじめ構築されたECサイトを月額でレンタルするだけで済みます。ASPは機能に制限はあるものの、業務の負担を減らすことができ、初めてECサイトを構築する企業や、社内フローの変更が容易でASPを取り入れやすい中小企業などには最適です。
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ASPカートでのEC構築について、関連記事はこちら。
ASPカートとは?低コストで手軽なECサイトの構築方法を詳しく解説
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TOPPANクロレではASPのEC構築にShopifyをおススメしています。詳しくはこちら。
Shopify(ショッピファイ)がECサイト構築に選ばれる理由とは?特長や事例を紹介
「オープンソース」はライセンス費用ゼロ
サービス例:EC-CUBE、Magento、WordPress など
オープンソースとは、インターネット上に無償公開されているソースコードをインストールすることでサイト構築する方法です。バグが出た場合は自社で対処しなければならないという欠点がある一方で、ライセンス費用なしでECサイトを構築できます。オープンソースを導入する場合、技術力さえあればある程度のカスタマイズを行うことができます。自社に開発部門があり、技術力に自信がある企業のECサイトに適しています。
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オープンソースでのEC構築について、関連記事はこちら。
オープンソースとは?安価で自由度の高いECサイト構築方法を解説
「パッケージ」は柔軟なカスタマイズが可能
サービス例:ecbeing、コマース21、Orange EC など
パッケージとは、企業が販売しているECサイト構築用のパッケージソフトを基にECサイトを構築する方法です。パッケージを販売する企業が運営管理からメンテナンスまで行うため、技術力がなくてもECサイトを自社向けにカスタマイズすることができます。手厚いサポートを受けられる一方で費用がかかるため、年商1億円以上の中・大規模の企業に向いています。
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パッケージによるEC構築については、こちらにも詳しいコラムがあります。
ECパッケージとは?最適なパッケージの選び方とおすすめ3選比較
「フルスクラッチ」は自由自在に設計できる
フルスクラッチとは、既存のシステムやソフトウェアをまったく使用せず、ゼロからECサイトを立ち上げる方法です。デザインから設計まで一切の制限がなく、自社に合わせたECサイトを構築することができます。高額な初期費用が必要になるものの、資金力や技術力があり、自分たちですべてを把握して柔軟に運用していきたい企業に適しています。
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フルスクラッチによるEC構築については、こちらにも詳しいコラムがあります。
フルスクラッチとは?ECサイトを一から作るメリット、デメリット
ECサイト構築方法を選ぶ3つのポイント
ECサイト構築方法について大きく4つの方法を見てきました。では、自社にとって、どの方法が適しているのか? 選び方のポイントを紹介します。
ポイント1:カスタマイズが必要かどうか
デザインや決済システム、その他さまざまな部分を、自社の事業内容に合わせて自由自在にカスタマイズする必要があるかどうか。自社ECサイトのカスタマイズの必要性について、事前に検討しておくことが重要です。ASPやオープンソースでは、テンプレートやいくつかの仕様から選択することで、スピーディーで費用を抑えた構築ができる一方で、カスタマイズはしにくいといった特徴があるからです。
ポイント2:費用はどのくらいかかるのか
ECサイトを構築する上での重要なポイントの1つが費用です。通常、ECサイトを構築するためには初期費用とランニングコスト(月額費用や機能アップデート)が発生します。一般的な相場については冒頭の表をご参照ください。実際にECサイトを構築する際の目安としていただけます。
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構築手法別の費用について、下記のコラムで詳しく解説しています。
ECサイト構築費用の相場とは?カート別、料金別に徹底比較
ポイント3:耐用年数はどのくらいか
ECサイトは、立ち上げたら完成というわけではなく、システムが古くなれば更新しなければなりません。次の開発のための費用や時間、技術力を確保できるかどうかも、ECサイトの構築方法を選ぶ際には欠かせないポイントです。
ECサイト公開までの主な手順(構築方法別)
構築方法が決まった後は、それぞれどんな手順で公開まで進めることになるのか、費用面で導入のハードルが低いASPとオープンソースをメインに、主な流れと注意点を確認します。
ASPの構築手順と注意点
① ASPの選定
ASPはサーバやカート・決済システムといった、ECサイトに必要なシステムが事前に揃えられているため、それらを手配する労力は省けますが、その分出来ることも限られてきます。構築後に独自の改修が出来ないことを後悔しないためにも、用意されているテンプレートやシステムをそのまま納得して使用できると思えるサービスを慎重に選定しましょう。
② 利用手続き
構築に利用するサービスが決まったら、申し込みをして利用契約を結びます。
③ 基本情報登録・システム設定
自社のアカウントが出来たら、サイト名や会社情報、URLなどショップの基本情報をまず最初に登録し、決済方法や手数料・配送料などの注文関連の設定を行います。冒頭でのEC構築手順で解説したサイトの要件定義といった事前準備がしっかりしていれば、主な設定についてはスムーズに進むはずです。
④ デザインテンプレートの設定
用意されているテンプレートからサイトに合ったものを選び設定します。
⑤ 表示項目仕様の確認
テンプレートを反映し、商品ページに表示する項目が確定したら、プレビュー画面でサンプルデータでの表示を確認してみましょう。デザインによっては表示項目の文字数に制約を設けておかないと見栄えが悪くなるケースもあるため、理想的な表示パターンにおける文字数をこのタイミングでチェックして仕様に反映しておくと、後に実際のデータがテンプレートにそぐわず表示が崩れるといった問題を回避できます。
⑥ 商品データ準備・登録作業
それらを念頭におきながら、ASPの仕様に沿って必要な商品データを準備します。商品登録作業は1点ずつ手作業ですることも可能ですが、点数が多い場合は負担が大きく入力ミスの心配もあります。仕様に合わせたCSVなどのデータをアップロードすることで、商品情報を一括登録できる機能も多くのサービスには備わっていますので、上手く活用しましょう。
また、商品名・金額といった、テキスト形式の情報だけでなく、ユーザの目を引くために重要な商品画像の準備も必要になります。登録可能なサイズなどに制限があることが殆どですので、サービスの規定をよく確認した上で登録画像の作成を進めます。1つの商品に対し複数の画像を登録できる場合は、どういう商品かわかりやすいメインとなる基本画像の他に、角度を変えたものや特徴を拡大表示した写真など、購入を検討するユーザにより多くの情報を届けられるよう、積極的に数を増やすのがおすすめです。
⑦ 注文テスト
商品登録後は、購入システムが正常に稼働するか、テスト注文を必ず行います。カートシステムの動作確認だけでなく、購入フローにわかりにくさや問題がないかを実際にユーザ視点でチェックすることもできます。
⑧ 関連ページの作成
最後に、商品ページだけでなく、お知らせやプライバシーポリシーといった、ショッピングシステムとは別に必要となる関連ページを、要件定義をベースに適宜作成します。ASPの場合は最低限必要となるページがテンプレートとして用意されているので、多くは必要事項の簡単な入力で済ませられます。
⑨ 全ページの確認
要件定義通りに自社サイトに必要となるページを一通り完成させたら、公開前にASPのプレビュー機能にて全ページの表示確認を行いましょう。システム的な面はASP利用の場合安心感がありますが、表示文言に些細な入力ミスなどがあると、サイトのクオリティや信用度が一気に下がってしまいます。担当者任せにせず、なるべく多くの関係者を動員し、デバイスや回線等、異なる環境での表示をチェックすることが大事です。
⑩ 公開
入念なチェックを終えたら、「公開」ボタンを押して公開します。
オープンソースの構築手順と注意点
ASPの構築手順や注意点を細かく追ってみましたが、オープンソースの場合はどのような違いが出てくるのか見ていきましょう。
① オープンソース(使用プラグイン)の選定
オープンソースは、ASPに比べカスタマイズの自由度はありますが高い技術が必要になります。日本国内で構築する場合は、「EC-CUBE」「Magento」「WordPress」の中から選ぶのがおすすめです。利用者の多いものほど開発コミュニティなどの規模が大きく活発なので、必要となる情報を手に入れやすくなるためです。どんなプラグイン(機能拡張ソフト)があるのか、サイトに実装したい機能についても考慮に入れておきましょう。
② サーバ・ドメインの手配
オープンソースの場合ASPと違い、サイトを構築するサーバやドメインは自分で選定・契約する必要があります。オープンソース自体は無料で利用できますが、サーバやドメインはそれぞれ利用料がかかります。特にサーバは商品点数などを考慮したサイト規模や予算に合ったものを慎重に選びましょう。
③ インストール、システム・プラグイン設定
構築に使用するサーバを手配できたら、オープンソースをインストールして設定を行います。
ECサイトで必要になる基本的なシステムについてはプラグインを活用できます。プラグインは無償のものから有償のものまで多数公開されていますので、レビューなどを参考に導入を検討しましょう。コードのインストールやプラグインの導入には独自の知識が必要になりますが、何かに躓いた際はコミュニティなどで公開されている情報を上手く利用するとよいでしょう。
④ デザインテンプレート選定・設定・加工
デザインにはフリーのテンプレートが利用可能で、利用者の多いオープンソースほどクオリティの高い多様なデザインが提供されています。ただ、不特定多数に無償提供されているテンプレートをそのまま商用利用するケースは少なく、カスタマイズするためにはHTMLやCSSといったコーディングの技術が必要になります。
⑤ 表示項目仕様の確認 ~ ⑩ 公開
ショッピングに利用するプラグインの設定・デザインテンプレートの適用が終わったら、後はASPと同様の流れとなり、システムの仕様に沿った商品データを準備し、登録作業を進めます。その後実際にテスト注文を行い、動作や表示に問題がないかを確認をします。
オープンソースではASPのようにサービスに特化した専用のシステムが用意されているわけではないため、決済関係はより入念にチェックを重ねることが重要になります。フリーのコードを利用しているだけに、オープンソースはセキュリティ面の脆弱性が指摘されがちです。ECサイトでは個人情報を取り扱うことになるので、特にセキュリティ強化は慎重に行う必要があります。セキュリティ対策用のプラグインや外部サービスを活用するのもよいでしょう。セキュリティ面が問題になることが多いだけに利用者の関心も高いので、サイト公開後も対象コードのセキュリティ情報には常にアンテナを張っておくことが大切です。こういった保守管理的な負荷も、ASPとの違いと言えます。
パッケージ・フルスクラッチの構築手順と注意点
ASP・オープンソースと比べると、パッケージ・フルスクラッチの場合はサイトの規模や費用感が大きく異なってきます。その分カスタマイズ性も高く、やりたいことも細かく理想通りに実現できるでしょう。ただ、このレベルになると自社での構築は難しく、専門の制作会社へ発注することになります。制限がないだけに、希望を盛り込めば盛り込むほど制作費も膨れ上がりがちです。
この2つの手法を選択する場合は、まず制作会社に正しく要望を伝え、どういった作業にどれだけの費用がかかるのか把握するためにも、担当者間で納得のいく要件定義を作り上げましょう。それを元に、制作会社はシステム設計書を作成し、設計に問題がなければ実際の開発に入ります。
制作会社の力を借りる場合は、経験値の高い対応力や専門的な知識と技術を得られますが、実際の制作状況を把握しにくくなる恐れもあります。それぞれの作業にどれだけの日数がかかるのかを事前に確認し、公開目標に無理のないスケジュールを立てて、制作工程を管理できるようにしましょう。高額な制作費を支払っているからと制作会社に丸投げをしていては、何か問題が起きた際原因がどこにあるのか判断することが難しくなります。
自社ECサイトを構築するメリット|実店舗・ECモールとの比較
ECモールとは楽天やAmazonのような、巨大なショッピングモール型のECサイトを指す言葉です。
ここでは実店舗やECモールへの出店に比べて、自社でのECサイト構築にどのようなメリットがあるのかを解説します。
実店舗と比べて自社製品の売上を最大化できる
実店舗へは、顧客は直接訪れなければならないため、限られたエリア以外から得られる売上はあまり大きくありません。しかしECサイトは全国どこからでも、あるいは海外からでも閲覧し、購入ができます。販売に関する物理的な制約は少なく、外国語に対応したECサイトを構築すれば海外からの注文にも期待できるため、販売シェアを拡大できる可能性があります。
これらのことから、自社の売上の最大化を狙うことが可能といえるでしょう。
実店舗と比べて費用を抑えられる
どちらも初期費用やランニングコストはかかりますが、ECサイトの運営で必要のない、実店舗の経営に必要な人件費や家賃などは、ECサイトの運営では必要がないため費用を大きく抑えられます。
実店舗の物件購入や賃貸の費用などと、ECシステムの開発や利用に関わる費用を比べて、後者の方がコストメリットがあると判断できることが重要です。
一般的にECサイトの構築は、実店舗に比べて費用面でのメリットが大きいと考えられています。
実店舗・ECモールと比べて顧客データの収集・管理ができる
データ収集や管理が容易であることは、ECサイトの大きなメリットといえるでしょう。
来訪者がどのようにサイトを利用しているか、どのような商品を見ているかは、利用しているシステムにデータ収集・管理機能が備わっていれば自動的に管理され分析できます。
商品を購入する際に会員登録を求め、ポイント付与などの特典を用意すれば、必要な顧客データをシステムに取り込むことが可能です。
購入履歴やレビューから優良顧客を把握することも容易で、マーケティング上のメリットが大きいといえます。
ECモールと比べてサイトの仕様は自由自在
ECモールではどのショップも同じシステムを利用して販売を行うため、ユーザーの体験を差別化することが難しいといえます。あくまで商品の魅力だけで競い合うイメージです。
その点、ECサイトはユーザー体験を自由自在に設計できるため、自社が考える機能を実現可能です。ターゲットとする顧客層にどのような購入体験をしてもらいたいかを考え、形にできる点は、自社ECサイトの大きなメリットといえます。
ECサイトを構築する際に気をつけたいポイント
ECサイトを構築する際には、注意の必要なポイントもあります。
この章ではシステムや運用、マーケティングなど、それぞれの観点から気をつけたいポイントについて解説します。
構築だけではなく必要に応じた機能の拡張が必要
ECサイトの構築・制作にはそれなりの手間を要しますが、サイトができあがってからも手を抜かないことが重要です。
ASPを利用したECサイトではシステムのアップデート等を自社で行う必要はありません。しかし、その他の自社サーバー上に構築するサイトでは、定期的なアップデートやメンテナンスが必須です。運営中に新たな機能を追加する必要性が生じた場合、ASPやオープンソースにおいても、オプションやプラグインを追加してシステムを拡張する必要があります。
競合サイトが無数に存在する
ECサイトは実店舗より手軽に構築できたり、ECモールより運営上の制約が少なかったりすることから、非常に多くの企業・ショップが立ち上げて競合する状況に置かれています。
また市場が全国であったり世界であったりするため、競争・競合する相手が無数にあることが特徴です。
ECサイトを研究し、商品・サービス・ビジュアルデザイン・購入体験について、競合他社よりも顧客に強くアピールできるような差別化を図りましょう。
システムの機能や使い勝手は、購入体験やマーケティングに影響するため十分に検討することが重要です。
外注せずに自社で構築すると時間がかかる
ECサイトを構築する方法次第ではありますが、自社で構築する場合は、構築に関するノウハウを持っている必要があります。専門知識を持った社員を継続的に確保できたとしても、ECサイト構築や更新の、時間や人件費が必要で、場合によっては教育する必要性も生じます。
目的はあくまで販売して収益を上げることのため、基本的にはシステム構築は外注することが懸命です。ただし、自社のイメージを実現させるためには、コンテンツやデザインの制作は自社で行うほうがよい場合もあります。
ECシステムを乗り換えたい場合(リプレイス)
ここまで新しくECサイトを構築する想定にて手順を見てきましたが、既に運用しているECサイトに何らかの課題を抱えており、別のシステムで再構築したいというケースもあるでしょう。
その場合も基本的には新規構築と同様の流れで対応していくことになりますが、仕様に沿って商品情報を新しく作り上げるのとは異なり、既に出来上がっている商品データベースを異なる仕様のシステムへ移行するというハードルが待ち構えています。当然新しいシステムに合わせたデータ加工作業が発生しますので、商品点数によってはその負荷について十分理解した上で検討しましょう。利用するデータは揃っていると言ってもそのまま使えるわけではありません。
どういった問題をどのように解決するための移設なのか、リプレイス構築の場合も再度要件定義やシステムの選定をしっかりと行うことが重要です。将来的な展開を見据えた長期的ビジョンに基づいたサイトを構築すれば、幾度もリプレイスする負荷を避けることにもつながります。
また、リプレイスにより基幹システムが変更になった場合、構築・管理側の問題だけではなく、ユーザ側でもそれまでのIDが使えなくなるなどの影響が出てしまう場合があることも留意しておきましょう。
構築したいECサイトに適した手法を選ぼう
ECサイトを構築するには、それぞれの方式の違いを理解した上で目指すサイトを実現させるための優先事項を決め、どれが適しているか選択する必要があります。費用を抑えて短期間で構築したいのか、カスタマイズの柔軟性を重視して自社の業務内容に合わせたいのか…自社の課題や目的を明確にして、最適な方法でECサイトを構築しましょう。
TOPPANクロレでは、ECサイトのプランニングから構築、開発、運用まで、様々なデジタルマーケティング施策をお手伝いします。自社に合ったサイト構築方法の分析など、どのようなお悩みでもまずは相談ください。