Shopify Plusとは?通常プランとの違いや検討ポイントを紹介
世界的な人気を誇るECプラットフォームの「Shopify(ショッピファイ)」。日本でも利用する企業が増えていますが、現在の最上位プランである「Shopify Plus」については、まだ知らない方も多いようです。そこでこの記事では、Shopifyの通常プランとShopify Plusとの違いや、Shopify Plusができること、導入を検討する際のポイントなどをお伝えします。
Shopify Plusとは
Shopify Plusは、サブスクリプション型のECサービス「Shopify」の最上位プランで、大企業や取引量の多い事業者向けのサービスです。
月額使用料は通常プランよりも高い設定になっていますが、その分機能性が高く、カスタマイズしやすいといったメリットがあります。
そもそもShopifyとは?
まずは、Shopifyについて簡単におさらいしておきましょう。
Shopifyは、カナダ発のEC事業者向けプラットフォーム。世界170カ国以上で展開し、数百万ものビジネスで使われており、流通総額は4440億ドルを超えています(※)。
その人気の秘密は、初期費用なし、手軽な利用料金で、簡単に質の高いECサイトを開設できることにあります。実店舗や、FacebookやInstagramのショッピング機能との連携など、複数のチャネル展開が簡単に行える点も特徴のひとつです。
※出典:Eコマースビジネスを立ち上げて拡大 - 3日間の無料体験 - Shopify 日本
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Shopifyについての詳しい解説は下記のコラムをご覧ください
Shopify(ショッピファイ)がECサイト構築に選ばれる理由とは?特長や事例を紹介
Shopifyの通常プランとShopify Plusの違い
Shopifyには、「ベーシック」「スタンダート」「プレミアム」の3つの通常プランがありますが、これらとShopify Plusはどう違うのでしょうか?
機能
Shopify Plusには、Shopifyの通常プランの機能に加えて、EC事業の大きな成長を支えたり、業務効率を向上させたりする多彩な機能が付いています。
また、専任のスタッフによる技術面や運営面のサポートも用意されています。
下表にプランごとの機能をまとめました。主な機能は次章で紹介します。 ※Shopify Plus「Shopify PlusとShopifyの比較:Shopify Plusにアップグレードするには」の表をもとに作成
料金
次にプランごとの料金を比較します。
Shopify Plusの利用料金は月額2,300ドルと通常プランに比べてかなり高額です。一方で、クレジットカード手数料の料率は通常プランより低いため、取引額が増えればメリットが大きくなります。
また、Shopifyには独自の決済処理サービス「Shopifyペイメント」があり、これを利用するとすべてのプランで取引手数料がかかりません。利用しない場合、通常プランでは0.60%~2.00%の取引手数料がかかりますが、Shopify Plusの料率は0.2%とかなり抑えられています。
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Shopifyペイメントについての詳しい解説は下記をご覧ください
Shopifyペイメントとは?特徴とメリット、そのほかの決済サービスも紹介
サーバーの処理能力
取引量の多いECサイトに対応するように作られたShopify Plusでは、1分間に1万回以上の決済処理が可能といわれる高性能のサーバーを利用します。そのため、人気商品にアクセスが集中してもサーバーダウンを起こすリスクは非常に低くなります。
Shopify Plus ができること
それでは、Shopify Plusを利用するとどのようなことが可能になるのでしょうか?
EC事業の大きな成長を支える
追加料金なしで10サイトまで構築、運営ができる
Shopify Plusでは、最大10サイトまでの構築や運営が追加料金なしで行えます。複数のECサイトのアクセス分析や顧客管理も一括して効率的に行うことができます。
BtoCのECサイトとBtoBの卸売りサイトを並行して運営したい、海外の複数の国でECサイトを立ち上げたいといった構想を持つ企業にもぴったりです。
BtoBの卸売りサイトを構築、運営できる
Shopify Plusは、法人向けのECサイト開設にも適しています。パスワードを通知したユーザーだけがアクセスできるようにする、顧客に合わせて異なる価格を表示する、数量に応じて価格を変えるなど、卸売りに適した設定が可能です。卸売りと一般顧客向けストアの両方を、ひとつの管理画面で管理できる点もメリットです。
スタッフのアカウント数は無制限
Shopify Plusでは、スタッフのアカウント数に制限がありません。EC事業が拡大しても、安心してスタッフを増員できます。
在庫ロケーションは200カ所まで
商品を保管する倉庫、物流センターなどの在庫ロケーションの登録は200カ所まで可能です。
カスタマイズの幅が広がる
ヘッドレスコマース
ヘッドレスコマースとは、ECサイトの顧客の目に触れる部分である「フロントエンド」と、決済やデータの処理、在庫管理などを行う「バックエンド」とを切り離すシステム構造です。ヘッドレスコマースでECサイトを構築すると、新しい販売チャネルや販売形態に柔軟に対応することが容易になります。
Shopify Plusでは、HydrogenとOxygenという開発ツールを使って、自由にカスタマイズしたフロントエンドを構築することができます。立ち上げや最適化のための技術サポートも受けられます。
チェックアウトの編集
通常プランでは、チェックアウト(カートから注文完了までの決済ページ)のソースコードをいじることはできませんが、Shopify Plusでは編集が可能です。例えば、カートページに任意のコメント欄を追加するといった変更ができます。
運営を効率化する
予約設定
Shopify Plusでは、アプリの「Launchpad」を使って、キャンペーンの開始や新商品の発売、季節行事などのスケジュールに合わせて、商品内容や価格、デザインテーマなどの変更を予約できます。設定したタイミングで自動更新されるため、スタッフがその場にいる必要がありません。
Avalara税務サービス
世界各地の税金の計算や記入処理を自動で行うことができるソフトウェア「Avalara AvaTax」を利用できます(有料)。Avalaraが管轄する1万2,000以上の地域(※)の最新の情報をもとに、正確な税率がリアルタイムで提供されます。商品によって税率が異なるといった複雑なケースにも対応できます。
※出典:Avalara AvaTaxによる税務サービス|Shopify ヘルプセンター
Shopify POS Proが無料
「Shopify POS」は、ECサイトと実店舗の在庫の同期ができ、複数のショップの管理を一元的に行える店舗販売管理用アプリです。「Shopify POS Lite」と「Shopify POS Pro」があり、どちらもShopifyのすべてのプランで使えます。「Shopify POS Pro」を通常プランで利用するには月額89ドルがかかりますが、Shopify Plusではこれが無料になります。
Shopify Plusを検討する際のポイント
さまざまな機能を持つShopify Plus。しかし、月額2,300ドルの価値が本当にあるのか?と迷う人もいるでしょう。
迷ったときに確認したいのは、自社のECサイトに「Shopify Plus独自の機能やアプリが必要かどうか」です。そのうえで次の項目に該当する場合は、Shopify Plusに向いていると考えられます。まずは、導入の検討を始めてはいかがでしょうか?
- 取引量が多い大規模ECサイトの構築やリプレイスを行いたい
- 複数のECサイトを構築したい
- BtoCサイトと並行してBtoBサイトを展開したい
- ヘッドレスコマースでECサイトを構築したい
- ECサイトに関わるスタッフが15人以上いる
- 10以上の在庫ロケーションがある
Shopify PlusにはECサイトの成長を支える機能が満載
Shopify Plusは現在、Shopifyの最上位プランで、取引量の多いECサイトや大規模ECサイトに適したサービスです。料金は通常プランよりも高額ですが、カスタマイズの幅が広く、ECサイトの成長をしっかり支えるサービスが満載です。ただし、充実の機能も使いこなせなくては意味がありません。導入を検討する際は、自社のECサイトにどんな機能が必要か、十分に検討することが大切です。
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