失敗しないアンケートの作り方~作成手順5ステップと設問設計のコツ
目次
アンケート作成の基本手順5ステップ
アンケート作成は、いきなり質問を考え始めるのではなく、順を追って準備を進めることが成功の鍵です。
- STEP 1 調査の「目的・ゴール」を明確にする
- STEP 2 ターゲット(回答対象者)を決める
- STEP 2 設問・選択肢を設計する
- STEP 2 実施方法を選ぶ
- STEP 3 アンケートの集計・分析を行う
ステップ1:調査の「目的・ゴール」を明確にする
まずは「なぜアンケートを行うのか」「得られたデータで何を解決・判断したいのか」を明確にします。
目的があいまいなままアンケートを作成すると、不要な設問が増えて回答者の負担になったり、本当に欲しいデータが得られなかったりします。
目的の例:「既存商品の不満点を特定し、次回リニューアルの参考にする」
ゴール(活用法):「満足度が低い項目のワースト3を抽出し、優先的な改善施策を立案する」
ステップ2:ターゲット(回答対象者)を決める
目的に応じて「誰に聞くべきか」を決定します。
顧客全体に向けた調査:認知度や全体的な満足度を把握したい場合
特定の属性に絞った調査:購入回数、年代、解約者など、特定の行動をとったユーザーに絞る場合
あわせて、「目標回収数(サンプル数)」も設定しておきましょう。
ステップ3:設問・選択肢を設計する
ターゲットに合わせた「設問」と「選択肢」を作成します。 回答者が途中で離脱しないよう、回答時間は「3分〜5分程度(10〜15問程度)」を目安に絞り込むのが理想的です。設問設計の具体的なコツや注意点は後述します。
ステップ4:実施方法を選ぶ
アンケートの方法には、WebフォームやLINE、郵送、電話、対面調査など、さまざまな種類があります。自社のサービス形態やターゲットの属性に合わせて、最適な実施方法を選びましょう。
Webフォーム(Googleフォーム、専用ツールなど):手軽でコストが低く、集計が自動化できる
紙(郵送・手渡し):シニア層やイベント会場での回収に向いている
対面・電話:深い意見を聞き出しやすいが、コストと工数がかかる
ステップ5:アンケートの集計・分析を行う
回収したデータを集計し、グラフや表にまとめて傾向を分析します。集計した結果をもとに、ステップ1で設定した「目的」に対する改善策やアクションプランへと繋げましょう。
回答率&精度を高める、設問設計5つのポイント
顧客への調査では、商品やサービスへの正直な感想を引き出す必要があります。アンケートに答えてもらっても、本音とは異なる適当な回答しか得られないのであれば、調査は失敗です。
回答者が適当に答えてしまう原因の多くは、煩わしさや面倒さを感じさせる設問・構成にあります。アンケートの回答率を高め、本音を引き出すための5つのポイントを解説します。
ポイント1:1つの質問で聞くことは1つにする
ひと目で質問の主旨が理解できない設問や、いくつものことを聞く複雑な設問の場合、回答者は深く考えることが面倒になるため、適当に答えるリスクが高まります。できるだけシンプルに、要素ごとに設問を分けるようにしましょう。
×:当社商品の「デザイン」と「価格」に満足していますか?
〇:「デザイン」に満足していますか?/「価格」に満足していますか?
ポイント2:誰でも直感的に理解できる言葉を使う
社内用語、業界用語、難しい専門用語は使わず、誰でもパッと見て理解できる言葉を選びましょう。
×:当社のCX向上施策についてどう思いますか?
〇:当社の問い合わせ対応やサポートについてどう感じましたか?
ポイント3:質問の順番は「答えやすいもの」から配置する
アンケートの冒頭には、頭を使わずに直感で応えられる質問を配置します。
1.基本属性(性別、年代など)や利用頻度などの「事実を問う質問」
2.満足度や印象などの「意識・評価を問う質問」
3.具体的な理由や意見を聞く「自由記述の質問」
この順番(簡単なものから重いものへ)で並べることで、途中の離脱を防ぎやすくなります。
ポイント4:設問数・選択肢は極力絞り込む
「せっかくだからこれも聞きたい」と設問を増やしすぎると、回答率が大幅に低下します。選択肢も多すぎると選ぶのが苦痛になるため、最低でも7~10個程度に収めましょう。
ポイント5:聞きたい内容に合わせた「回答形式」を選ぶ
アンケートの回答形式にはいくつか種類があります。分析のしやすさや回答者の負担を考慮して使い分けましょう。
選択肢に優先順位をつける
【設問作成の注意点】やってはいけないNG例とOK例
不適切な設問を作成すると、データに偏りが出たり、回答者が正しく答えられなくなったりします。
代表的なNGパターンを押さえておきましょう。
多くのお客様に好評のサービスAですが、あなたも満足していますか?
年齢:10代/20代~30代/30代~40代
【前提の強制】
商品Aをどこで知りましたか?
(SNS/Web広告/知人の紹介)
(大変満足~大変不満の5段階で選択)
そのまま使える!アンケートの設問例・テンプレート
代表的なアンケートの設問構成例です。作成時の参考にしてください。
【例1】顧客満足度調査(CS調査)の基本設問
ご利用頻度を教えてください(単一選択)
全体的な満足度を教えてください(単一選択)
上記評価の理由を教えてください(自由記述)
各項目に対する評価(価格/品質/接客など)(単一選択:マトリクス形式)
今後も継続して利用したいですか?(単一選択)
友人や知人に勧めたいと思いますか?(単一選択:10段階評価=NPS)
【例2】イベント・セミナー参加者向けアンケート
本日のセミナーの満足度を教えてください(単一選択:5段階評価)
特に印象に残った・役に立ったテーマは何ですか?(複数選択)
講義の進行スピードはどうでしたか?(単一選択)
今後聞いてみたいテーマや改善点があればご記入ください(自由記述)
💡顧客満足度調査とは?
顧客が商品やサービスにどの程度満足したかを測る調査です。商品の品質や事前の期待感、使用後の満足感など、さまざまな角度から調査することで、満足の度合いを客観的に数値化します。
詳しく知りたい方は下記のコラムをご覧ください。
アンケート回収後の「集計・分析」の手順と注意点
データが集まったら、正しく集計して分析へと進めます。
単純集計とクロス集計の使い分け
集計手法は、主に以下の2つを組み合わせて使います。
データの読み間違いを防ぐポイント
サンプル数(回答数)を確認する
クロス集計などで回答数が極端に少ない区分(例:10名未満など)ができると、数人の意見で全体のパーセンテージが大きく変動するため、信頼性に注意が必要です。
属性の偏りを考慮する
実際の顧客層と、アンケート回答者の属性バランス(年代・性別など)が大きく離れていないか確認しましょう。
顧客満足度調査の設計と活用例~美容業A社の場合
美容室を複数店舗で展開するA社は、売上向上を目的に、電話による顧客満足度調査を行うことにしました。近隣の競合店や低価格理髪店に負けないよう、独自サービスの考案を含めて解決の道筋を探ることが調査のテーマです。
アンケート前の仮説では、売上を向上させるには「施術以外のサービスが重要ではないか」と考え、具体的な新規サービスとして「無料Wi-Fiの設置」や「ドリンクサーバーの設置」が挙がりました。これらの仮説を踏まえて、以下のことを聞く設問を作成し、調査を行いました。
〈設問〉
- 店舗への来店頻度
- 店舗への評価
- 近隣のほかの店舗に対する印象
- リピートにつながる要素(単一回答)
- リピートをしなくなる場合の最大要因(単一回答)
- 求めているサービス
- カウンセリングや施術時の満足度
〈調査結果〉
調査の結果、中高年の顧客からの満足度は高い一方、若年層の評価は分かれており、安さや目新しさを求めて競合店へ流れてしまう可能性もあると考えられました。新規サービスについての評価では、無料Wi-Fiの要望は強いものの、ほかのサービスに関しては「どちらでもいい」という回答が目立ちました。
リピートをする要因では「施術の仕上がりが望み通りになっていること」「仕上がりの丁寧さ」が指摘されました。リピートをしない要因には「施術やカウンセリングで顧客の要望を丁寧にくみ取れていないこと」が挙がり、また若年層からは「他店舗の方が安価」という声が多くありました。
この結果を受けて、A社ではカウンセリングの質を向上させるために、ネット予約のフォームに仕上がりへの要望を記入できるようにしたほか、退店時に次回の来店を促すクーポンを配布し、前回の仕上がりの満足度を5段階で記入してもらうようにしました。これらの施策の結果、数ヶ月で既存顧客の来店頻度が高まり、仕上がりの満足度の数値も向上したそうです。
質の高いアンケートで、課題の発見や品質向上に役立てよう
質の高いアンケートを作成するためには、「目的を明確にすること」と「回答者がストレスなく答えられる工夫(設問数・選択肢の整理)」が欠かせません。
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ステップに沿って「目的」から順番に固める
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ダブルバレル(※)や誘導尋問などのNG表現を避ける
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回答形式や集計方法をあらかじめ想定して設問を設計する
これらを意識するだけで、回答率・データ精度ともに大幅に向上します。ぜひ記事で紹介したコツやテンプレートを参考に、成果につながるアンケートを作成してみてください。
※……1つの質問文で複数の異なる内容を同時に尋ねる二重質問のこと)
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