Shopify EC強化を彩る
EC
インタビュー
「楽天ポイントオンライン」カスタムアプリ導入秘話
全国のショッピングモール等に実店舗数約180店舗、ECは8店舗を運営する、時計専門店のザ・クロックハウス(以下TCH)様。TOPPANクロレにご相談頂いた課題は、「自社ECの顧客体験価値向上と販促施策の強化」でした。具体的には、メーカーやブランドのブランディングの一環として、自社EC(Shopify)でのみ取り扱い可能な商品についても、 ECモール並みにお買い求め頂きやすくすることで、販売拡大を実現させることがご相談内容でした。
TOPPANクロレはShopifyと楽天ポイント間のID連携という難易度の高い壁を、専門チームの技術力によるご支援を通して、TCH様との柔軟な連携体制で乗り越えました。その結果、EC売上は安定的に二桁成長を遂げております。
企業情報 |
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会社名 株式会社ザ・クロックハウス
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事業内容 時計専門店チェーン
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設立 2018年8月1日
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代表者 代表取締役社長 川瀬 秀二
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インタビュー |
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株式会社ザ・クロックハウス
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Eコマース部 部長 平田美紀様 |
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Eコマース部 ECマーケティング課 課長 岩井太志様 |
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TOPPANクロレ株式会社
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マーケティングセンター セールスサポート部 鈴木暁雄 |
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マーケティングセンター セールスサポート部 太田倫子 |
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マーケティングセンター セールスサポート部 南雲正和 |
TOPPANクロレのサポート概要
高度な技術的連携 (Shopify-楽天ポイント間のID連携)
複数ベンダーを跨ぐコミュニケーションのズレ
自社EC強化 (特定高級商品の販路確保)
技術的難所をクリアする専門チーム体制
ディレクターによる情報整理と技術的な通訳・仲介
お客様に喜んで買って頂くことを基本に据えた柔軟な仕様調整
楽天ポイント付与を可能とするカスタムアプリを構築
開発を円滑に進め、TCH様の負担を軽減
集客力向上と戦略に沿った特定高級商品販売を両立
解決策
TOPPANクロレのサポート詳細
1. 高難度な技術課題への対応とコミュニケーションの最適化
TCH平田様:楽天ポイントオンラインのカスタムアプリ導入検討のきっかけは、モールECと同等の購入メリットをお客様へご提供することで、自社ECの顧客体験価値を高められないかと考え始めたことです。
また、ブランドの世界観を保つために自社ECでのみ販売可能な商品の取り扱いを行うことも、カスタムアプリ導入に向けて具体的に動き出す大きな契機となりました。
顧客体験としてどのような価値を提供すべきか検討を重ねた結果、これまで当社の楽天市場ショップをご利用いただいていたお客様にも、自社ECで気軽にお買い物を楽しんでいただきたいと考えるようになり、ポイント付与導入の決定に至りました。自社ECのインセンティブとしては、自社オリジナルのポイント付与でも良いのですが、時計は買い替えのサイクルが他の商品より、かなり長くなります。楽天ポイントであれば、お客様にとっても使いやすく、販売促進に繋げることができるため、楽天ポイントにこだわりました。
TP鈴木:私たちも実装するのは初めてでしたが、過去に楽天ポイントオンラインのAPI仕様の技術調査を行っていた経験がありますので、チャレンジさせていただきました。
ベンダー間を跨るプロジェクトでしたので、南雲たちの専門チームが技術的なところを担当し、各社間で起こり得る認識の相違が起きないようにしっかりとケアしながら、ご希望されている仕様を開発に落とし込むために、仕様を理解できる形に分解し、システムと運用スキームを慎重に構築いたしました。
TP南雲:APIの解析は、最初の提案時にかなり厚めに実施していたので、システム的に実現できそうだという感触はその時点で掴めていました。API提供元の楽天ペイメント社の技術担当者は、システムの話も通じる方だったので、細かい仕様の詰めなどは、TOPPANクロレサイドで少し巻き取らせていただくイメージで進めました。
TP太田:しかしながら、各社のやり取りがうまく噛み合わない時期もありました。鈴木のコメントにもありましたが、認識の相違を埋めるために、複数回の臨時会議も開かせて頂きまして、システムの構築面ももちろんですが、運用が開始された際の稼働イメージをしっかりと共有させて頂き、TCH様に可能な限りご満足頂けるように、進めさせて頂きました。
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株式会社ザ・クロックハウス 平田美紀様 -
株式会社ザ・クロックハウス 岩井太志様
2. TCH様の技術力を活かした開発と検証
TCH平田様:現在、岩井と二人でEC各店舗を運営していますが、私はもともとTCHのリアルの直営店店長でした。ECに関しては素人の状態から始めて、現在、ECの売上は全体の20%超になりました。
TCH岩井様:私はIT関連やWeb系の様々な仕事に携わってきました。そのため、EC機能まわりや商品ページの作成などをメインで行っており、平田は集客・販促施策を立てています。平田が店舗で鍛えた仕入れ・数付けのノウハウがECでの売上にも繋がっていると感じます。
TP南雲:平田さんは、WebやECのシステム含めた仕組みに関してすごくお詳しくて、いつも驚かされていました。たとえば「メタフィールド」というShopifyの専門用語がやり取りの中で出てきたり。納品する際も、在庫管理システムなどをお渡ししたのですが、お二人が難なく使いこなしてくださって、逆にバグを見つけていただいたぐらいです。
TP鈴木:他のクライアント様だと「検証のやり方がわからない」と言われることも多いのですが、お二人の場合は、お渡ししたら「大丈夫です」みたいな感じで、サッとやっていただき、私も驚きました。
TCH平田様:実はEC業務を外注したのはこれが初めてなんです。ずっと岩井と二人で何もかもやるというスタンスでやってきたので、他社がどんな感じで運用されているのかが分からないんですよね(笑)。特に私はマネジメントサイドですが、トラブルがあった時に、何とかしてきたことで色々と詳しくなったのかなと思います。
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TOPPANクロレ 太田倫子(左)、南雲正和(中央)、鈴木暁雄(右)
3. 「お客様に喜んでご購入頂く」という方針への共感と迅速な対応
TCH岩井様:自社ECは、楽天ポイントオンラインの導入で、売上も安定的に伸びています。単純比較はできませんが、感覚的には10%以上です。お客様のレビューでも反応が良い印象です。
TP鈴木:私たちは平田さんとお話していると、ECで商品を買っていただくために、まずは「お客様に喜んでいただきたい」という意思とそのための施策を最優先していると感じます。実店舗とECがあると、どうしても既存のスキームやルールに乗せて、安定を優先することを考えてしまいますが、本当にお客様のことを最優先に考えて、すべての施策を実行されていると感じています。
TP太田:お二人の、売るための工夫ー例えばセット販売や予約販売といった施策は、私たちもとても勉強になります。
TCH平田様:どうしたら、今のやりたいことが実現できるか、効率よくできるか、お客様に喜んで頂けるか。それを一番優先しています。だからツールにもこだわりはありません。
TCH岩井様:ずっと思い描いているのは、オムニチャネルの具現化です。ECと実店舗がどういう形で機能し、お客様に一番いい形で提供できるのか。時計専門店として日本一の店舗数である当社だからこそ、それを先陣切って提供できればと思っています。
TP鈴木:オムニチャネル連携は、弊社で温めているプランもありますので、近々ご提案させて頂けると有難いと考えています。楽天ポイントも現状の「付与」から、「ポイント利用」に進めたり、Shopify Flowを活かしたCRM施策の強化などもご提案させて頂き、ご一緒に様々な事に挑戦させて頂きたいと思っております。
TP南雲:お二人は技術力も高く、様々なことができてしまうので、私たちも技術を研鑽して、今後もEC事業を成長させていくパートナーとしてお付き合いさせていただきたいです。
TOPPANクロレを選んでいただいた理由
Shopifyと楽天ポイントのID連携を考えている中で、ビジネスマッチングサイトで、募集をかけたところ3社が手を挙げました。TOPPANクロレさん以外にも何社か面談しましたが、Shopifyの知識に不安があったり、実際に仕様理解が追いつかなかったのか、詳細なお見積もりが出てこない事もございました。TOPPANクロレさんと話して、Shopifyの知識やAPI連携についても詳しくて、安心できると感じ、お願いしました。(平田様談)
TOPPANクロレ担当者から見たお客様
楽天ポイントオンラインをShopify ECで実構築するのは、私たちも初めてでした。API連携を調べていたこともありますが、楽天側の仕様を理解するところで時間がかかり、制限が多く、まずその制限に合うような実装をどうやったらできるかというところが結構難しかったです。開発期間は半年くらいかかりましたが、ご担当者のお二人が、ECやWebにお詳しくなかったら、もっとかかっていたかもしれません。(南雲談)
平田様、岩井様はご自分で複数の店舗を運営および構築されており、非常に技術力の高いクライアント様です。そのため、弊社側も緊張感を持ってお仕事をご一緒させて頂き、とても良い刺激を頂きました。今後もTCH様のパートナーとして貢献できるように努力をしていきますので、末永くご一緒にお取組みをさせて頂けますと幸いです。(鈴木談)