ステップメールとは?メルマガとの違い、メリットや手順を解説
ステップメールは、リピーターの獲得や見込み客へのアプローチに効果的なメールマーケティングの手法です。この記事では、ステップメールについて学びたい人のために、その概要やメールマガジンとの違い、メリット、作成方法など基礎的な知識を分かりやすく解説します。
ステップメールとは?
ステップメールとは、あらかじめ準備しておいた複数のメールをシナリオに従って自動配信していく仕組み、またはそのメール自体のことを言います。顧客や見込み客が資料請求や商品購入などの「アクション」を起こした日が起点となります。
例えば、ECサイトで商品を買ったあとに、感謝を伝えるメールや使い勝手を尋ねるメール、関連商品を案内するメールなどが、定期的に順を追って届いた経験はないでしょうか?
こうした一連のメールがステップメールです。ステップメールは、このように段階を踏んで情報を配信することで、顧客や見込み客との関係性を強め、購入や継続利用などにつなげることを目的としています。
ステップメールの配信タイミングと内容の一例を紹介します。
<購入者に向けたステップメールの一例>
- 購入直後:あいさつや購入へのお礼
- 7日後:商品の不具合の有無や使用感を確認する
- 30日後:関連商品を案内する
- 90日後:(消耗品の場合)同じ商品の再購入を案内する
ステップメールとメールマガジンの違い
企業がメールを通して顧客に働きかける代表的な手法に、メールマガジンがあります。メールマガジンとステップメールでは何が違うのでしょうか?それぞれの特徴と相違点を整理します。
メールマガジンの特徴
メールマガジンは、登録者全員に同じ内容のメールを一斉配信します。
配信規模が大きい場合は、属性や購買行動のデータをもとに登録者をセグメント(グループ分け)して、内容や配信タイミングを切り替える場合もあります。しかし、同じメールが同じタイミングで多くの人に届くという仕組みは同じです。
そのためメールマガジンの内容は、登録者の多くが関心を持つような、商品や関連ジャンルの最新情報やトレンド、業界情報、イベント告知などが中心になります。
ステップメールの特徴
一方ステップメールは、「どのタイミング」で「何」を「どういった順序」で届ければよいかという配信シナリオを事前に準備しておき、対象者に向けてメールを段階的に配信します。
ステップメールの目的は、アクションを起こした顧客や見込み客との関係性を短期間で強化することです。シナリオでは、アクションを起こしたあとの顧客や見込み客の行動や感情、ニーズが段階的にどう推移するかを想定し、それに応える内容を展開させていきます。
テキストは定型化し、同じ段階の人には同じ文面のメールを届けます。いつでも使えるようにするため、メールは時節やトレンドには触れず、商品、サービスに特化した内容が中心になります。段階をおって商品やサービスについて深掘りして紹介できるので、一般情報を配信するメールマガジンよりも戦略的なアピールが可能です。
ステップメールのメリット
次に、ステップメールのメリットを説明します。
個別の顧客のフォローを自動化できる
ステップメールの大きな利点のひとつが、配信を自動化している点です。
顧客への継続的なフォローが効果的だと分かっていても、何度も個別にメールを送るのは手間がかかります。また、せっかく資料を請求してくれた見込み客へのアプローチも、数が多ければ丁寧に行うことが難しくなります。
その点、ステップメールは狙ったタイミングで最適な内容のメールを送ることが可能です。件数が多くても、個々のアプローチを効率良く行うことができるのです。
顧客の育成ができる
自分の欲しいタイミングで、必要な情報を送ってくれる相手には、親近感や信頼感を持つものです。
ステップメールでは、相手との接触回数を増やし、適切な情報を提供し、商品理解や自社への信頼感を徐々に深めていきます。そうした関係性の強化によって、見込み客を顧客へ、顧客をリピーターやファンへと育てていくことができます。
ステップごとの分析・改善が可能
ステップメールは、配信したステップごとに効果測定ができるため、分析・改善しやすいというメリットもあります。例えば、1通だけ明らかに開封率やクリック率が低ければ、そこに課題があることが分かります。このようにステップごとに分析・改善ができるので、より効果的なステップメールを作り上げていくことができるのです。
ステップメールの作成手順と効果を高めるポイント
次にステップメールの7つの作成手順を紹介します。手順において、どの点に気を付けたら効果を高められるかのポイントもあわせて解説します。
1.目的や目標を明確にする
まず、ステップメールを行う目的を明確にしましょう。
「リピート購入を増やす」「資料請求から商談に移行する数を増やす」など、一連のステップメールの目的はひとつに絞ります。どのゴールに相手を導くかが定まっていないと、メールの内容がブレて、効果が薄れてしまうためです。
目的を明らかにしたら、「F2転換率」や「商談化率」のような具体的な数値に置き換えた目標を設定します。数値目標が明確であれば、配信後の効果検証が容易になります。
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F2転換についての詳しい解説は下記でご覧いただけます
F2転換とは?その重要性と転換率の計算方法を解説
2.ターゲットを決める
次にターゲットを絞り込みます。自社の顧客データから、今回の目的に沿ったターゲット層を選び出し、どんなニーズがあり、どんな悩みを抱えているのかを把握します。
3.ターゲットの心理や行動を想定する
ステップメールでターゲットをコンバージョンに導くには、商品、サービスに対する相手の心理や行動をしっかり想定しておく必要があります。
そのためには、商品やサービスの典型的なユーザー像であるペルソナの設定が有効です。
さらに、ペルソナがどんなタイミングでどんな情報を求めるのか、その情報を見て感じることや次に起こすアクションを具体的にイメージするために、カスタマージャーニーマップを作成するとよいでしょう。
カスタマージャーニーマップは、企業や商品、サービスとのさまざまな接点を通して、変化していく顧客や見込み客の行動や心理を、時系列的に図に落とし込んでいく手法です。
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ペルソナについての詳しい解説は、下記を参照してください。
ペルソナとは?役割と重要性、作成する際の5つのポイントを解説
カスタマージャーニーマップについての詳しい解説は、下記を参照してください。
カスタマージャーニーとは?マップの作り方、活用例も紹介
4.シナリオを設計する
ステップメールの成否は、シナリオにかかっていると言っても過言ではありません。企業側の都合や思い込みを排除し、徹底して顧客の視点に立って設計することが重要です。
想定した顧客や見込み客の心理や行動をもとに、「どんなタイミングで、どんな情報を、どんな順序で届ければ、目的を果たせるか」を考えてシナリオを組み立てます。設計の際には、そのメールを読むことによって相手の「感情や考えがどう変化するか」を意識しましょう。
5.メールを作成する
次にシナリオに基づいてメールを作成します。効果測定が可能なHTMLメールがおすすめです。
メール本文は、各ステップのつながりを意識しつつ、どんな文面であれば行動を起こしたくなるのかを考えて書きましょう。言葉選びや一文の長さなど、読みやすさも大切にします。
開封させるための目を引く件名や、視認性の高いデザイン、分かりやすいCTAの設定などにも配慮が必要です。
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最適なCTAの設置方法や改善ポイントについて、下記で詳しく解説しています。
CTAとは?重要な理由と5つの改善方法を解説
6.配信設定をする
シナリオに基づいて配信設定を行います。配信は、ステップメール機能の付いているメール配信システムやMA(マーケティングオートメーション)ツールを利用します。
配信条件や配信内容、配信回数、配信スケジュールなどを設定したら、必ず配信テストを行います。誤配信のないよう、複数の人の目でチェックするといった細心の注意が必要です。
7.効果検証と改善を繰り返す
配信後には必ず効果測定を行います。開封率・クリック率などの指標に加えて、立てておいた数値目標の達成率をチェックします。
期待どおりの効果が出なかった場合は、仮説でもいいので失敗の要因を具体的に挙げ、改善策につなげます。成功した場合も成功要因を明確に分析しておきます。
このように効果検証と改善を繰り返すことで、より効果を上げられるステップメールに仕上げていきます。
関係構築に効果あり! ステップメールで顧客や見込み客の定着を促そう
ステップメールは、顧客や見込み客の定着を図り、新たな購入やリピートにつなげるためのマーケティング施策のひとつです。顧客や見込み客の心理や行動を分析し、適切なタイミングで段階的にメールを送ることで、相手の心をつかみ、より良い関係を築くことができます。
リピーターが増えない、見込み客の育成が難しいといった悩みがある方は、ステップメールの活用を検討してみてください。
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