ECサイトのSNSマーケティング!各SNSの特徴をつかもう
現在では、多くの企業やブランドが公式のSNS(Social Networking Service)アカウントを持っており、ECサイトへの集客にSNSをうまく活用している企業も増えてきました。しかし、一口にSNSといっても、それぞれユーザー層や好まれる内容などに違いがあります。SNSを活用して効果をあげるためには、各SNSの特徴をつかみ、戦略を練ることが重要です。この記事では、ECサイトにとってのSNSの重要性を説明したうえで、各SNSの特徴やSNSをうまく活用している事例を紹介します。
なぜECサイトにとってSNSが重要なのか
SNSの運用は、ECサイトの成功にも大きな役割を果たしています。SNSをうまく運用できれば、次のような効果が期待できます。
ECサイトに顧客を集めることができる
公式のSNSアカウントでさまざまな情報を発信することで、ECサイトを訪問しないユーザーにも商品を認知してもらうことが可能です。とくに「インフルエンサー」と呼ばれる影響力の大きなアカウントに拡散されれば、一瞬で何万人にも情報を届けることが可能です。
また、若者の間では、特にファッションや食べ物については、SNSを検索して情報を収集することも増えているため、SNSで情報を発信すれば、検索エンジン以外での集客手段となりえます。
新規購入やリピート購入につながる
SNSでキャンペーン企画を実施したり、お得な情報を発信することで、これまで商品の必要性を感じていなかった潜在的な顧客の需要を喚起することができれば、新規顧客の獲得につながります。また、既存顧客限定でSNSでクーポンなどを配布することでリピート購入の促進も可能です。
ロイヤリティの高い顧客をつくれる
SNSで顧客と直接コミュニケーションを取ることで、顧客がSNSアカウントやECサイトのファンになり、ロイヤリティの高い顧客となってくれることが期待できます。ロイヤリティの高い顧客は、自らが多くの商品を購入するだけでなく、好意的な情報をSNSでシェアして新規顧客を連れてきてくれます。
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顧客ロイヤルティに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違い、向上施策と成功事例を解説
ブランドの認知度やイメージをアップする
公式のSNSアカウントで安定的に情報を発信することで、個々の商品に限らずブランドそのものの認知度を上げることが可能です。さらに、適切な投稿を行うことでECサイトのブランドイメージを向上させることもできます。
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ブランド戦略に関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
ブランド戦略とは?具体的な戦略の立て方と成功事例
公式アカウントの運用は簡単ではない
SNSの運用はさまざまな効果が期待できるため、ECサイトで売上を伸ばしていく上では不可欠といえますが、企業の公式アカウントの運用には難しさもあります。公式アカウントを運営するときには、次のような手間やリスクがあることを認識しましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
公式アカウントを作成しても、すぐにはフォロワーは増えません。フォロワーを増やすためには、時間をかけて、地道に投稿を続けていきましょう。
常に新しい投稿が必要
SNSに投稿する内容は、顧客の興味を引き、共感を得られるものが効果的です。そのためには、新しい情報や有用な情報を発信していく必要があります。
SNSは使い分けが難しい
複数のSNSアカウントを運用している場合、それぞれのSNSの特徴に合わせた投稿が必要です。すべてのSNSで同じ内容を投稿したり、他のSNSへの投稿をシェアしたりするだけでは、意味がありません。
炎上のリスクがある
企業の公式アカウントの不適切な投稿は、個人の投稿よりも拡散されやすく、炎上しやすいものです。人気の高い企業アカウントでも、失言はゼロではありません。既存の顧客や潜在的な顧客からの信頼を失わないように気を付ける必要があります。
最適な担当者がなかなかいない
投稿の雰囲気を統一するためには、担当者を決めておくことが望ましいでしょう。最適な担当者が見つからなかったり、いざ運用を開始してもSNSの投稿に十分な時間が割けないといったことが起こりがちです。
これらの難しさや注意点を意識してSNSの運用に取り組みましょう。SNSアカウントを自社だけで運用するのが難しい場合は、デジタルマーケティングのサポートを行っている企業に相談することもできます。(TOPPANクロレでも、公式SNSアカウントの運用等の支援を行っています。)
ECサイトが活用する各SNSの特徴
SNSにはそれぞれ特徴があり、それらに合わせて投稿の内容も変えることが望ましいといえます。SNSを上手に運用するために、それぞれのSNSの特徴を把握しておきましょう。
X(旧Twitter)
140文字という制限があるため長文は発信できませんが、気軽な情報発信に適しています。リアルタイム性が高く情報拡散のスピードも速いため、直接のフォロワー以外にも情報を届けやすいといった利点があります。反面、インパクトのある投稿が炎上しやすいというリスクもあります。
ユーザーからのコメントも多く、双方向のコミュニケーションを取りやすいSNSです。キャンペーンの告知やクーポンの配布、イベントの実況中継、アンケートなどにもよく使われています。
写真や動画の投稿がメインのSNSで、ファッション、コスメ、食べ物関係の投稿が多いのが特徴です。最近は企業アカウントも多く、SNSから直接ECサイトに遷移して商品を購入できるので、商品カタログのように使っている企業もあります。
Instagramには、質の良い画像が必要です。他のSNSからの使い回しではなく、Instagram用に画像を用意しましょう。オシャレな画像なら何でもいいわけではありません。一定の世界観で統一された投稿で、ブランドのイメージをつくり上げましょう。
Instagramでアクセスを集めるポイントはハッシュタグで、文章よりも重要視されます。インフルエンサーの投稿を研究し、どんなハッシュタグが効果的なのか検討しましょう。商品ジャンルやブランド名だけでなく、コメントのような遊び心のあるハッシュタグと併用することが多いです。
LINE公式アカウント
LINEの企業アカウントです。LINEは10代~60代までで8割を超える利用率があり、幅広い層にアプローチできます。
メッセージの開封率が高い点もポイントです。そのため、クーポンの配布やキャンペーンの告知によく使われています。
無料プランでもさまざまな機能が使えますが、メッセージ配信数に限度があるため、配信数を増やしたいときは有料プランに移行する必要があります。まずは無料プランから始めて、友だちの数の増加に伴い、有料プランに切り替えるのがおすすめです。
他のSNSとは異なり、ほとんどがスマートフォンで使われているうえ、プッシュ型で相手に確実にメッセージを送信できるため、宅配便の再配達依頼やヘルプデスクとしても使われています。
ユーザーは基本的に本名で登録しており、企業アカウントも多いので、比較的真面目な長文の投稿が多くみられます。タイムラインが時系列表示ではないので、多くの投稿のなかで埋もれないように工夫する必要があります。他のSNSに比べるとかなり長文での投稿が可能なため、ユーザーにブランドや商品について詳しく理解してもらうのに適しています。ただし、広告も多いので、企業アカウントからの投稿が広告に見えないように注意する必要があるでしょう。
「いいね」するとシェアはされますが、X(旧Twitter)ほど拡散することはありません。新規顧客の獲得よりも、既存顧客へのサポートに向いているといえます。
SNSを活用しているECサイトの事例
それぞれのSNSをうまく活用している事例をご紹介します。
X(旧Twitter)を活用している事例:ランコム
ランコムのX(旧Twitter)アカウントでは、新製品やイベントを告知したり、キャンペーンを実施したりしています。キャンペーンはフォローとリツイートで申し込むものです。キャンペーンは、当選するまで個人情報を入力する必要がなく手軽に応募できます。応募時にはリツイートするので、必ず拡散されるのもポイントです。
自社の情報を発信するだけでなく、自社製品についてのユーザーのツイートもリツイートしています。
公式アカウントでは個別の問い合わせへの対応は行っていません。個別の相談は、顧客の個人情報の保護や、窓口の一本化などの観点からWebサイトのお問い合わせフォームでの受け付けとなっています。
- ランコムのX(旧Twitter)アカウント:@Lancome_JP
Instagramを活用している事例:カルディコーヒーファーム
輸入食品を扱っているカルディコーヒーファーム(KALDI COFFEE FARM)の公式アカウントです。静止画像だけでなく動画もたくさん掲載しており、オシャレな演出で購買意欲を掻き立てています。
また、Instagramのショッピング機能(Shop Now)を活用して、ユーザーを画像から自社サイトに誘導しています。画像左下にショッピングバッグのアイコンが表示されている画像は、タップするだけで自社のECサイトの該当する商品ページに移動し、そのまま購入可能です。欲しいと思ったときにすぐ買えるので、顧客を逃しません。
- KALDI COFFEE FARMのInstagramアカウント:kaldicoffeefarm
LINE@を活用している事例:伊藤久右衛門
伊藤久右衛門は、京都にある宇治茶と抹茶スイーツのお店です。メルマガの代わりにLINE@を運用しています。友だち登録でクーポン配布、友だち専用ページへの招待など、友だち登録をすることでお得に利用できるとアピールしたことで、URLのクリック率が向上し、オンラインショップでの商品購入にもつながりました。
LINEは開封率が高く顧客にリーチしやすいこと、またLINE@のメッセージから直接オンラインショップの商品ページに移動できることをうまく利用しています。
- 伊藤久右衛門オンラインショップLINE@アカウント:kyuemon
Facebookを活用している事例:UNIQLO ユニクロ
ユニクロは、さまざまなSNSをうまく活用しています。他のSNSでは、文章は短く、写真で商品やコーディネートを見せることが多いのに対し、Facebookでは、長文、写真、動画など、さまざまなコンテンツを載せることができることを生かして、他のSNSよりもじっくり読ませる投稿を行っています。
内容は商品紹介やキャンペーンの告知、商品を使ったコーディネート例などの情報発信が多いほか、錦織圭のインタビューなど、ファッション以外のコンテンツもあります。
さまざまなSNSで公式アカウントを運用していますが、それぞれの特徴に合わせてうまく使い分けている例でしょう。
- UNIQLOのFacebookアカウント:uniqlo
ECサイトにはSNSの運用が欠かせない
SNSを運用しているECサイトは多いですが、運用は難しいものです。取扱商品や顧客層によっても、どのSNSを運用するべきかは異なります。自社や自社の商品に合ったSNSを選んだうえで、公式アカウントの担当者を決めて、定期的な投稿を行ってきましょう。SNSやデジタルマーケティングに知見のあるスタッフが少ない場合は、デジタルマーケティングのサポートを行っている外部企業に相談することも可能です。
TOPPANクロレでは、お客様の収益を最大化させるデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。SNSの運用によるエンゲージメント獲得や、ECサイトへの集客など、デジタルマーケティングに関するお悩みがあれば、お気軽に当社までご相談ください。