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適正な広告費用とは?Web広告の予算の求め方、費用対効果を高めるコツを解説

適正な広告費用とは?Web広告の予算の求め方、費用対効果を高めるコツを解説

広告運用はほかのマーケティング手法に比べ、短期での成果を求められます。しかし、短期間で成果を求めるからといって、費用をかけすぎることはできません。では、適正な広告費用はどうすれば導き出せるのでしょうか?今回は、Web広告の予算の決め方や、広告運用におけるCPAの考え方、そして費用を抑え費用対効果を高めるコツについてお伝えします。

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目次

ひと口にWeb広告といっても種類が多いうえ、課金形態も表示回数によるもの、クリック数によるものなどさまざまです。さらにWeb広告は運用型非運用型に大きく分けられ、広告費の考え方が大きく異なります。

一定の条件下の広告枠を決まった金額で購入する非運用型に対して、運用型はオークション形式で、良い広告枠(掲載順位)を確保するために自分で値付けをして入札する仕組みです。また、運用型広告は広告出稿後も予算や広告の内容を変更できるため、日々のアクセスデータを確認しながら、費用対効果が最も高くなるように調整を繰り返す必要があります。

このように状況に応じて変動する広告費をどう適正に管理・運用していくかは、宣伝担当者の大きなテーマだと言えるでしょう。

Web広告の課金方法

広告費を決めるには、まずWeb広告の課金方法について理解しておく必要があります。Web広告の課金方法には次のようなものがあります。

  • クリック課金型
  • インプレッション課金型
  • エンゲージメント課金型
  • 成果報酬課金型
  • 期間保証型

クリック課金型

広告がクリックされるごとに課金されるタイプで、一般的には入札形式で費用が決定します。広告が何回表示されても費用は発生しませんが、対象となるキーワードや広告枠の競争が激しければクリック単価が高額になる場合があります。リスティング広告は原則クリック課金ですが、ディスプレイ広告やSNS広告もクリック課金を選択することができます。

インプレッション課金型

広告の表示回数によって課金されるタイプです。一般的に1,000回表示されるごとに課金される仕組みを指します。多くの人の目に留まることで、認知を広げることやブランディングを目的としたディスプレイ広告、SNS広告などで用いられることの多い課金形態です。

エンゲージメント課金型

TwitterやFacebook、Instagramなどに掲載したSNS広告に対して、ユーザーが起こしたエンゲージメント数(フォローやシェア、クリックといったアクションの数)に応じて料金が発生する課金形態です。CPE(Cost Per Engagement)とも呼ばれます。SNSの種類にもよりますが、Twitterのように拡散性の高いものであれば、より多くのユーザーにリーチできるメリットがあります。

成果報酬課金型

商品購入、サービスの契約といった成果が出た際に料金が発生します。課金単価は固定となります。アフィリエイト広告で用いられる課金形態で、成果が出ない限りは費用が発生しないため無駄はありませんが、多くの場合、アフィリエイトの仲介業者に支払う費用が別途かかります。

期間保証型

事前に期間を決め、その間、決まった場所に広告が表示されるもので、掲載期間によって課金されるタイプです。掲載期間中は競合の広告に左右されず、常に同じ場所に掲載されるものの、掲載中に内容や費用の変更はできません。ほかにインプレッション保証、クリック保証という形態もあります。主に純広告で用いられる課金方法です。

Web広告の予算の決め方

前述したようにWeb広告は種類も多いうえ、課金形態もさまざまです。複数の課金形態からひとつを選択する広告ジャンルもあり、どうやって広告費を決めるべきかで悩むこともよくあります。特に運用型広告は自分で入札価格を決め、運用時も日々予算を調整するため、設定に苦心しがちです。そこで、この章では具体的な広告予算の決め方について説明します。

売上目標額から予算を逆算する

売上の中から広告費に充てる一定の割合を決めます。月にいくら売り上げたいかという目標額にその割合をかけて、広告予算を算出します。

例えば広告費に充てる割合を5%と決めた場合、売上目標を月500万円に設定すると、広告費用は25万円(月額)になります。

損益分岐点から予算を逆算する

売価から商品原価を含む販売コストを引いた金額を損益分岐点とし、損益分岐点を超えないように広告費を設定する考え方です。

例えば、売価が2万円の商品で1個につき8,000円の販売コストがかかるとすると、1個当たりの損益分岐点は1万2,000円になります。つまり1個につき1万2000円を超える広告費を使うと赤字になるので、広告費の上限を1万2,000円とするのです。この場合、販売個数を100個と想定すると、最大120万円まで予算組みが可能です。ただしこれでは利益が出ないため、あくまで最大値として考えます。

LTVの考え方から予算を逆算する

LTV(ライフタイムバリュー)は、顧客が取引を開始してから終了するまでの期間に企業にもたらす利益を意味する言葉で、顧客がリピーターになることの企業にとっての価値を表します。ここでは、リピート利用される回数(平均)を1回当たりの広告費にかけて予算を出します。

例えば、1個につき1,000円の利益が出る商品が年間で平均5回リピートされていたとします。これが月に50個売れるとすると1ヵ月当たりの広告費用の上限は1,000円×50個=5万円です。しかし、1人の新規顧客が年間5回リピートする分の利益も広告費に振り分けられると考えます。すると広告費は最大で5万円×5回=25万円(月額)まで使えることになり、新規顧客獲得のチャンスが増やせます。

キーワードから算出する(リスティング広告の場合)

リスティング広告(検索連動広告)では、上記の方法に加えて、広告が表示されるキーワードの予測額から算出する方法も一般的です。予測額はGoogleキーワードプランナーやYahoo!キーワードアドバイスツールから確認できるため、その額を参考にします。

例えば、Googleキーワードプランナーで調べた「Tシャツ」というキーワードの月額予測額が48万円であれば、広告予算を48万円以内で設定します(キーワードの月額費用は確認した日によって異なります)。

予算の設定方法は、商品の価格や性質によって変わります。売上目標額や損益分岐点から算出する方法は、比較的高額の商品やリピートされにくい商品に向いています。一方LTVの考え方で予算を導く方法は、リピートされやすい商品の場合に用います。

目標CPAの立て方

前項では全体の予算の求め方を紹介しましたが、成果1件当たりにかけられるコストから算出する方法もあります。

CPAとは?

Web広告費を考えるうえで重要な指標がCPAです。CPAは「Cost Per Acquisition」または「Cost Per Action」の略で、「顧客獲得単価」と呼ばれます。CPAは1件のコンバージョン(購入や成約といった成果)を得るのにかかった費用を示します。ですから広告予算は、次のように表すこともできます。

広告予算=目標とするCPA×目標とするコンバージョン数

目標CPAと限界CPA

では、目標とするCPAはどう出せばいいのでしょう?前項で紹介した損益分岐点の1件当たりの金額限界CPAといいます。限界CPAは赤字にはなりませんが、利益も出ないぎりぎりの金額です。ここから利益として確保したい1件当たりの金額を引いたもの目標CPAになります。

目標CPA=限界CPA-確保したい利益

もちろん利益は大きいに越したことはありません。しかしCPAを抑えれば広告の選択肢やリーチが狭まり、ダイレクトに集客に響く可能性が大きいのです。要はバランスです。商品のジャンルや、セールや期末の追い込みといったシチュエーションによっても求められるCPAは変わります。

広告費を適正に保つための2つのコツ

広告費用を適正に保ち、高い費用対効果を生むためのコツを説明します。

広告費用は上限を決めておく

出稿する広告にはそれぞれに費用の上限を決めておきます。予算を大枠でしか決めていないと、成果が出ない広告にも費用を出し続けてしまう可能性があります。個々の広告に使える上限額を決めておくと、その額までに結果が出なければ、別の方法を考える、撤退するといった柔軟な対応が可能になります。

リアルタイムでデータを検証し、運用に反映させる

Web広告はリアルタイムでの詳細な効果検証が可能です。そのため、広告を出稿するごとに得られるアクセスデータとコンバージョン、費用の動きを日々確認し、次に生かします。常に仮説、運用、検証、実行のPDCAを回すことで、広告費用の適正化が早く進みます。

ブラッシュアップを柔軟に続けることが効率的な広告運用のポイント

広告費用は使いすぎても、抑えすぎても効率が下がります。適正な広告費で出稿を続けるには、損益分岐点を明確にしたうえで、常にCPAや月額費用の管理を怠らないようにする必要があります。費用の上限額を設定しておけば、改善や撤退の判断も迅速に行え、無駄な費用が抑えられます。リアルタイムに上がってくるデータをもとに広告費のブラッシュアップを柔軟に行うことで、費用対効果を高めましょう。その継続が結果的に利益の最大化につながります。

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