パーパスブランディングとは?注目される理由や効果、事例を解説

2022/11/21 00:00:00
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パーパスブランディングとは?注目される理由や効果、事例を解説

 

企業の「社会における存在意義」を軸にした「パーパスブランディング」に取り組む企業が増えています。
パーパスブランディングは、従来のブランディングと具体的に何が違うのでしょうか?
本記事では、パーパスブランディングとは何か、注目されている理由や効果を解説し、成功事例を紹介します。

 

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目次

パーパスブランディングとは

 

パーパスブランディングは、「社会において自社がなぜ存在するのか」といった自社の「存在意義」を示すことを軸に行うブランディングです。

社会での存在意義を広く伝え、知ってもらうことによって、自社に対する共感と信頼を広げることを目指す、コーポレートブランディングの手法のひとつです。

 

 

パーパスとは

 

パーパス(Purpose)は「目的」「意図」を意味する英語ですが、ビジネスでは「なぜこの会社があるのか」「どのように社会に貢献するのか」「なぜその商品やサービスを提供するのか」といった、企業の根本的な存在理由を表します。

 

パーパスと経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)

 

企業が目指す理想像を言語化したものとして「経営理念」がありますが、パーパスとどう違うのでしょうか。

経営理念のなかには、社会との関係性を含まないものもありますが、パーパスは「社会の中での自社がどう在るべきか」を明確に示す概念です。

 

経営理念を構成する3つの要素のうち、ミッション(企業活動の使命)やビジョン(企業が目指す将来像)の中心に「社会における存在意義」がある場合、それらはパーパスとして位置づけることができます。

また、経営理念のもう1つの要素であるバリューは、ミッションやビジョンを実現するために企業が持つべき価値観や判断基準、行動指針などを指し、パーパスの達成に向けて設定されることもあります。

 

パーパスブランディングと一般的なブランディングの違い

 

次に、パーパスブランディングと一般的なブランディングの違いを、目的・訴求対象・伝える内容の3つの観点から整理して見ていきます。

目的
対象
訴求内容
パーパスブランディング
自社に対する共感や信頼を社会全体に広げる
社内外の幅広いステークホルダー
顧客・取引先も含めた「社会」に対して自社が「ビジネスを通してどのように貢献するか」という内容
一般的なブランディング
ブランドを確立し、競合より優位性を持つことで売上や利益の拡大を図る
販売や取引の直接的な相手
自社の商品・サービス・ブランドが、顧客や取引先にどれだけ価値があるかを伝える

 

目的の違い

 

一般的なブランディングは、自社や商品・サービスのブランドを確立し、競合より優位な立場を築くことで、売上や利益の拡大を図る取り組みです。
これに対してパーパスブランディングは、直接的な利益追求よりも、自社に対する共感や信頼を社会全体に広げていくことを主な目的としています。

社会的に価値ある企業としてのロイヤルティを高めることで、結果的にLTV(※)を高め、長期的な経営の安定につなげていく考え方です。

 

※LTV…顧客生涯価値。1人の顧客が取引を始めてから終わるまでの期間にもたらす利益の総額。

 

訴求対象の違い

 

一般的なブランディングでは、主に顧客や潜在顧客、取引先、投資家など、販売や取引の直接的な相手に向けて施策を行います。

一方、パーパスブランディングは直接的な利害関係にかかわらず、従業員やその家族、地域社会、将来の求職者なども含め、社内外の幅広いステークホルダーを対象として展開していきます。

 

伝える内容の違い

 

一般的なブランディングでは、商品やサービス、ブランドが、「個々の顧客や取引先」にとって「どれだけ価値があるか」を伝えます。
パーパスブランディングでは、顧客や取引先も含んだ「社会」という大きな枠組みに対して、自社が「ビジネスを通してどのように貢献するか」という内容を伝えます。

 

パーパスブランディングが注目される理由

 

今、なぜパーパスブランディングが注目されているのでしょうか?

 

若い世代の価値観の変化

 

Z世代と呼ばれるおよそ25歳以下の若い世代は、上の世代よりも社会問題への関心が高く、消費においても、仕事選びにおいてもパーパスを重視する傾向が強いと言われています。


博報堂が2020年に行った調査によれば、「ブランドの理念や思想を購入の基準にする」人の割合は、20代が最も高く、その割合は年代が上がるにつれて減っていきます(※1)。また、採用に関する別の調査では、「パーパスを重視して入社する人」は直近5年間で倍増しているというデータもあります(※2)。

今後のビジネスや消費を担っていく若い世代の指向の変化に、企業はしっかり対応していく必要があるのです。

 

※1出典:博報堂「ブランドパーパスに関する生活者調査」レポート|博報堂
※2出典:ウォンテッドリー、企業のパーパスと採用に関する調査結果を発表 | Wantedly

 

消費マインドの変化

 

近年、消費者の意識は「モノ」重視から「コト(どんな体験が得られるか )」重視へと変化し、商品やサービスにどのようなストーリーがあるのか、それらを通じてどのような体験価値が生まれるのかが、選択の大きな決め手になってきました。

パーパスブランディングによって伝えられる、企業や商品・サービスが持つ社会的な意義は、そのまま魅力的なストーリーとなり、商品やサービス自体の価値を向上させます。さらに、社会的に意義のある商品を選ぶという行為自体が、「社会に貢献したい」という消費者の意思表示になり、高い満足感を伴う体験へとつながっていきます。

 

投資の判断基準の変化

 

環境・社会・経済が複雑に影響し合い、多くの課題を抱える現代では、自社の利益だけを追求する企業は、長期的な成長の可能性が低く、投資対象としての魅力に乏しいと考えられるようになってきました。

こうした背景から、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を重視するESG投資が急速に拡大しています。企業が環境や社会の課題にどのように向き合い、取り組んでいるかが投資判断の重要な指標となりつつあり、パーパスブランディングが資金調達に及ぼす影響も一段と高まっています。

 

パーパスブランディングの効果

 

パーパスブランディングに取り組むことで、次のような効果が期待できます。

 

ステークホルダーからの共感・信頼が高まる

 

社会の発展に貢献する企業であることを印象付け、ステークホルダー(取引先や顧客、投資家、一般の消費者など)から、幅広い共感や信頼を得られます。

こうした企業としてのイメージアップは、商品・サービス・ブランドの価値を押し上げるとともに、企業やブランドの支持者や・ファンを増やし、結果的に経営を安定させることができます。

 

従業員のモチベーションが向上する

 

従業員が自社で働くことの社会的な意義を認識できるという、社内における効果もあります。

パーパスを理解すると、従業員は自社に誇りを感じ、仕事に対するモチベーションが高まります。

その結果、業務効率や生産性が向上し、企業の競争力強化・企業体質の強化につながっていきます。

 

意欲的な人材を集められる

 

パーパスを明確に掲げている企業には、その考え方に共感した社会貢献への意識が高い、若い世代を中心とした人材が集まりやすくなります。

自社の存在意義や価値観に合う人材を採用できるため、ミスマッチが起こりにくく、結果として定着率の向上も見込めます。

 

パーパスブランディングの事例

 

最後に、パーパスブランディングの事例を紹介します。

 

変革の意志を明確に示すブランドデザインが世界的な賞を受賞[富士通]

 

富士通株式会社は、2020年に「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスを発表。

すべての企業活動を、このパーパスを実現するためとして位置づけています。

こうした企業姿勢を明確に示すために、同社ではブランドデザインを一新。あらゆるものを「繋ぐ」という意味合いを加えて進化させたロゴマークや、多様性を表現する鮮やかな色使いのデザイン、視認性を高めた独自フォントなどが変革への意志を力強く表現しています。

 

Webサイトや名刺、オフィスデザイン、PowerPointの資料に至るまで、すべてのデザインを刷新、統一するために、規定やテンプレート、素材などを整備した同社の「Corporate Brand Identity System」は、世界的な権威のあるデザイン賞のひとつ、「iF DESIGN AWARD 2022」を受賞しました。

 

パーパスと成果指標を非財務目標として一般に公開[キリンホールディングス]

 

キリンホールディングスでは持続的に成長するための指針として、「『酒類メーカーとしての責任』を果たし、『健康』『コミュニティ』『環境』という社会課題に取り組むことでこころ豊かな社会を実現し、お客様の幸せな未来に貢献する」というCSV(※)パーパスを2019年に策定しました。

 

同社のパーパスで特徴的なのは、明確に施策に落とし込んだうえで、具体的な成果指標を設定している点です。

 

例えば「健康」のパーパスには、同社が開発したプラズマ乳酸菌によって「顧客の免疫機能の維持支援を行い、正しい免疫ケアの習慣化を促す」といったアプローチ方法が明記されています。さらに、成果指標として、プラズマ乳酸菌の「機能認知率」「国内外の継続摂取人数」を挙げています。

 

こうしたパーパスや成果指標は、非財務目標として財務目標と並列して発表され、誰でもホームページで確認することができます。

 

※CSV:Creating Shared Valueの略で「共通価値の創造」。社会的な価値と経済的価値の両方を創造することを目指す経営手法

 

現在のビジネスと社会課題との関わりからパーパスブランディングを考えよう

 

企業ブランディングの核に「社会における自社の存在意義」を据えるパーパスブランディングは、価値観が多様化する若い世代への対応や、企業価値を高めながら事業を成長させていくうえで、今後ますます重要になると考えられます。

自社の事業がどのような社会課題と関わりがあるのか、その課題解決をどのようにビジネスにつなげていくのかのか。まずは現在のビジネスをあらためて見つめ直すとから自社らしいパーパスブランディングを始めてみてはいかがでしょうか。

 

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