1.IFME(イフミー)ECでの経験と実績を活かして
木下様:当社は2024年に丸紅コンシューマーブランズと社名を変更しました。同時に名だたるフットウェアブランドで活躍してきた経験豊富な人を新社長に迎え、これまでの卸をメインとした業態からD2Cや新しいことにチャレンジする組織として変革の時期を迎えています。
事業展開としては、自社ブランド事業、ディストリビューション&ライセンス事業、OEM事業です。ディストリビューション&ライセンス事業としては、25年以上にわたり、米国アウトドアブランドの「MERRELL(メレル)」の日本総代理店として、卸売と実店舗販売、ECへと拡大を進め、また、さまざまなブランドのフットウェアの独占販売代理権やライセンスを取得して国内に展開してきました。
今回、日本初上陸となるアメリカのシューズブランド「Kizik(キジック)」と、ABCマート社を中心に展開していた「saucony(サッカニー)」の国内販売代理権を取得し、ECや直営店舗で直販することになり、TOPPANクロレにShopifyでの構築をお願いし、2025年2月にローンチしました。
TOPPANクロレにお願いした理由としては、取り扱っているブランドごとに異なるベンダーに委託しているところを、統一したいという社内の意向がありました。数あるパートナー企業の中から、新ブランドの構築をお願いするのはどこが良いかという議論の中で、林がTOPPANクロレと一緒にやっている「IFME」が右肩上がりの成長を遂げていることが、大きかったです。
林様:IFMEサイトについては以前のインタビューでもお話しさせていただきました。当時はローンチしたての頃でしたが、それ以降も伴走支援をお願いしています。私たちの社内のリソースは限られていますが、困った時にすぐに、的確に対応していただいてきたからこそ、新しい取り組みにチャレンジしながら、ここまで成長させることができたという実感があります。
木下様:そんなことから、今回は林にもKizik、Sauconyサイトのローンチに向けて一緒に取り組んでもらいました。自社ブランドとしてゼロからの立ち上げを行い、ここまで大きく成長しているのは、丸紅グループ全体の中でもとても珍しいポジションです。
TP鈴木:私たちもとても嬉しいです。IFMEは、EC運用、デジタルマーケティングのサポートにとどまらず、印刷会社という私たちの母体の事業を活かして、カスタマーサポート業務の部分まで伴走支援できる範囲を広げていけたことも、お役に立てたポイントかと思います。

Kizik EC https://kizik-japan.com/

saucony EC https://saucony.jp/
2.ハンズフリーテクノロジー等、優位性をデジタルで表現
木下様:Kizikは2017年にアメリカで創業したフットウェアブランドで、すべての商品がハンズフリーという特徴があります。ハンズフリーのシューズは現在、トレンドとなっていますが、Kizikのテクノロジーは、競合製品とは全く異なります。具体的には、足を踏みこんだ瞬間に元の位置に戻るスプリングバックヒールというダイナミックな機能が搭載されています。フィット感が高く、技術力の高さに注目したNIKEが出資し、ライセンス契約を締結しています。
ハニカムデザインの弾力性のある熱可塑性樹脂のヒール「Cage®」や、かかとが圧縮されると、ミッドソールの裏側で、素早くアークが跳ね上がって戻る「Flex Arc™」といったハンズフリーテクノロジーの他、200以上の特許技術を保有または申請中で、利便性と革新性を実現しているブランドです。(※以下の動画は音声が出ます)
TP太田:そういったテクノロジーの表現方法は、アメリカのECで採用されているエンジニアリングを、今回のECでも取り入れました。現地で作られたサイトのギミックは、私たちには馴染みの無いものも多く、弊社の開発チーム総出でひも解いて、日本向けにカスタマイズ~実装する作業は、とても良い勉強になりました。
TP鈴木:ECサイトはShopifyで構築しています。アメリカのECで採用されているShopifyテーマやアプリをそのまま使えば大丈夫だと思っていたのですが、実はなかなかそうはいかなかったです(笑)。たとえば、テーマそのものに過去の積み重ねの不要なデータがたくさん含まれていて、コアウェブバイタルに影響を及ぼす要素もありました。私たちとしてもKizikを色んな人に知ってもらいたい、売上を一緒に作っていきたいという想いが強いので、Googleの評価は非常に重要です。不要なデータを取り除く作業には、結構、時間をかけました。
林様:え!そのお話しは今、知りました(驚!)。そういうところがTOPPANクロレさんの良いところなんですよね。クライアントが指定した仕様の通りであれば、細かい部分は見過ごされて納品されても仕方がないと思います。でも、後々のことを考えて「やっておきました!」みたいな対応をしてくれていることが、IFMEサイトの運用でもとても多いんです。そういった積み重ねが安心して任せられる信頼感につながっています。Kizikは倉庫もこれまでとは違うところを使うことになり、そのシステム連携もなかなか大変で、ローンチまで本当に皆さんと走り切ったという感じです。


木下様

林様

左 TOPPANクロレ 太田、右 鈴木
3.2ブランドのサイト構築、インフラ、マーケティングを同時並行で進める
TP太田:SauconyのECもShopifyで構築していますが、国内の旗艦EC店としてデザインもゼロベースからでした。こちらはリアル店舗「Saucony HARAJUKU FLAGSHIP」も同時オープンで、リアル店舗とECで、共通のポイント獲得・利用ができるシステムの構築にチャレンジしました。
TP小川:ポイントの発生の仕方が複雑で、会計処理とも絡んでいるので、林さんに社内を駆け回っていただきました。
林様:当時は、皆でずっとポイントのことを考えていましたね。私は、夢にも出てきたくらいです(笑)。
TP鈴木:実店舗とECをつなぐHubシステムを導入し、顧客購買データをShopifyに集約してポイントアプリとの連携を実現しました。 SauconyもKizikもEC運用に加えて、カスタマーセンターの運用、在庫システム、一部基幹システムとの連携も実施しています。
木下様:Kizikは本国サイトのコンテンツ配信に合わせた、タイムリーな更新も実現しています。Kizikのシューズのターゲットユーザーは、効率的に時間を活用して、最大のパフォーマンスを発揮したいと考えるライフマキシマイザーです。アメリカでは30代女性で、子育てや仕事に日々忙しくされている中で機能性とファッション性を求めている方がトップユーザーです。日本では、最先端のテクノロジーやファッションのトレンドに敏感な、IT企業やスタートアップ企業で働く人たちをブランド立ち上げ時のコミュニケーションターゲットに設定し、マーケティングを進めています。将来的には老若男女問わず履いて頂けることを目指しています。
TP鈴木:実は私もKizikのシューズを購入しました。届いて箱を開けた瞬間、単なるシューズではない、何か近未来のデバイスのようなガジェット感があって、とても興奮しました。もちろん、履き心地は素晴らしかったです。
木下様:将来的に実店舗も視野にいれていますが、現在はハンズフリーの快適さやフィット感を実際に体験していただく手段として、ポップアップイベントなども開催しています。
TP鈴木:どちらのサイトも広告運用を実施していますが、そういったリアルイベントに関連するデジタルマーケティングもご一緒に進めさせて頂いております。
TP鶴岡:私は主に広告やLPのクリエイティブを担当しています。太田と一緒に商品のディテールを理解して取り組んでいます。デイリーで連絡を取り合わせていただいていますが、ご提案に対するレスポンスを早くいただけるので、とても助かっています。
TP鈴木:IFMEから始まった丸紅コンシューマ―ブランズ様へのご支援は、私たちにとっても、非常に嬉しい展開です。これからもEC運営のご支援にとどまらず、新しいチャレンジをサポートし、事業の成長を加速させるパートナーとして頑張っていきます。

TOPPANクロレ 小川

UNIWORX 鶴岡