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SNS広告とは?メリットと4大SNSの特徴、成功事例を解説|TOPPANクロレ

作成者: クロレDIGITAL|2025/07/01 9:00:00

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、さまざまな人や情報が集まるプラットフォームです。「いいね!」「コメント」「シェア」などにより、双方向のコミュニケーションができるという大きな特徴があります。このSNSの機能や特徴を利用して、ターゲットに効率よく宣伝をする手法SNS広告です。今回はSNS広告について、メリットや注意点、具体的な使い道、SNS広告を成功させるポイント、事例まで解説します。

目次

SNS広告とは?

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に出稿する広告SNS広告といいます。2024年のSNS広告の総売上は全インターネット広告の37%以上を占め、前年比113.1%と、まだまだ成長が著しい広告ジャンルと言えます(2024年日本の広告費/電通)。
SNS広告には、ユーザーのタイムラインや視聴コンテンツの途中に掲載されるインフィード広告、設定された広告枠に掲載するディスプレイ広告タイアップ広告といった多くの種類があります。

Web広告との違い

Web広告は、インターネット上で配信される広告のことを指し、「リスティング広告」や「ディスプレイ広告」などの種類があります。SNS広告も、Web広告の一種です。

SNS広告の効果・メリット

SNS広告を出稿するメリットには次のようなものがあります。

詳細なターゲティングができる

SNS広告の大きなメリットのひとつは、ターゲティングの精度が高く、ユーザーを選別して出稿できる点です。各SNSには、さまざまなユーザーのデータが蓄積されています。広告主は、そのデータを活用して年齢や性別、居住エリアといった属性を選んで広告を配信できます。投稿の内容や「いいね!」をした内容から、趣味や関心に基づいたターゲティングも可能です。

潜在顧客にリーチできる

リスティング広告やリターゲティング広告は、検索やサイト訪問といった能動的な行動をとったユーザーにしかアプローチできません。一方でSNS広告では、高精度のターゲティングにより、自社商品に関連したジャンルに興味のある潜在顧客に効率的にリーチできます。

費用対効果を上げやすい

SNS広告では、クリック数やインプレッション数(広告が表示された回数)、エンゲージメント数(いいね!やリツイート、コメントなど)、アプリのインストール数といったユーザーのアクションの回数によって料金が決まります。費用対効果を上げやすく、効率の良い広告と言えます。アクション数が想定を超えて、広告費が予算を大きくオーバーするといったことを防ぐために、1日の出稿費用の上限を決めておくこともできます。

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広告の費用対効果ついてはこちらのコラムでもご覧いただけます。
費用対効果とは?意味と計算方法、Web広告の向上施策を4つ解説

タイムラインになじみ、違和感を持たれにくい

SNS広告の主流は、タイムラインの投稿と投稿の間に自然な形で配置される「インフィード広告」です。本来のコンテンツになじむ体裁なので、ユーザーに違和感を持たれず、比較的受け入れられやすい傾向があります。

拡散されればリーチが広がる

「いいね!」や「シェア」といった機能による二次拡散が期待できます。ユーザーの心に響き、「ほかの人と共有したい」と感じさせる広告を作ることができれば、拡散されて多くのリーチを獲得できる可能性が広がります。

ファンづくりに活用できる

SNS広告を見て評価や共感をしたユーザーが、企業のアカウントをフォローしてくれるかもしれません。そうなればユーザーと企業の間で双方向のコミュニケーションが可能になり、企業や商品のファンづくりにつながります。

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ファン化についての詳細はこちらのコラムでもご覧いただけます。
「ファン化」とは?顧客と長く深い関係を築くための3つのポイント

6大SNSプラットフォームごとの特徴

日本で特に利用者の多い6つのSNSについて、それぞれの特徴を説明します。

X(旧Twitter)

特徴:速報性が高い、拡散されやすい
向いている広告:ユニークで話題性のある製品・サービス、短期間で幅広く情報を広めたいキャンペーン・プロモーション

主に短文のコミュニケーションを中心とするSNSがX(旧Twitter)です。国内での月間利用者は約6700万人といわれています。速報性が高く、「いいね!」や「リツイート」によって情報が拡散されやすい特徴があります。20代の利用率が最も高いですが、40代でも約40%が利用しており、利用者の年齢層は幅広いです。(令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 )
また、X(旧Twitter)でリポストされた広告には追加費用がかかりません。そのため、見た人がシェアしたくなるようなクリエイティブができれば、費用対効果のとても高い広告となる可能性があります。したがって“バズ”を起こしやすい話題性のある製品や、ユニークなサービス、短期間で幅広く情報を広めたいキャンペーン・プロモーションの広告に適しています。

Instagram

特徴:画像や動画、ビジュアル重視
向いている広告:若者や女性向けの視覚的に訴求しやすい商材

画像や動画を用いてビジュアルでつながるSNSがInstagramです。国内の月間利用者は約6600万人といわれています。「インスタ映え」という言葉もあるように見栄えがするコンテンツが集まり、若年層の女性にとりわけ好まれているSNSです。視覚的に訴求しやすい美容やファッション、旅行などの宣伝に適しています。

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Instagram運用でお悩みの方はこちらもご覧ください。
アカウントが伸び悩んでいる企業様へ Instagram運用基本事項のチェックリスト

Facebook

特徴:精度の高いターゲティング
向いている広告:BtoBや年配向け、ニッチな商材

世界で最もユーザーが多いSNSです。国内の月間利用者は約2600万人といわれています。Facebookは実名で登録している人が多いため、精度の高いターゲティングが期待できます。日本では、比較的年代が高い層やビジネス目的で使用する人も多いため、年配向けの商品告知やBtoBの商材・サービスの広告にも使われることが多いSNSです。

LINE

特徴:幅広い世代に利用されている
向いている広告:老若男女に伝えたい商品・サービス

LINEは幅広い年齢層のユーザーに活用されているSNSです。国内の月間利用者は約9800万人といわれています。トークリスト画面最上部やLINE NEWS、LINEマンガなどの配信面があります。LINEは家族や友人との連絡のために日常的に利用されているSNSであるため、老若男女に幅広く伝えたい広告に適しています。

TikTok

特徴:若年層に人気、アクティブユーザー数が非常に多い
向いている広告:若年層にフォーカスした商品

TikTokは10~20代の若年層に支持されている、ショート動画のプラットフォームです。世界での利用者は合計で15億6000万人おり、日本でも月間アクティブユーザー数は3300万人を超えています。
対応している広告はインフィード広告と他プラットフォームにシェア可能な動画広告、そのほかに、ユーザー参加型のチャレンジ広告や、1日1社限定の起動画面広告が挙げられます。
動画タイプの広告が多く、またユーザー参加型の企画もあるため、商品の宣伝に拡散力が期待できることが特徴です。

YouTube

特徴:動画広告がメイン、幅広い世代に利用されている
向いている広告:さまざまな広告に適している

YouTubeは未就学児からシルバー世代まで、非常に幅広い層に視聴されている動画プラットフォームです。出稿可能な広告の種類は、主に動画広告とディスプレイ広告の2種類です。ただし、動画広告にもスキップ可能なものとスキップ不可のものがあったり、ディスプレイ広告も表示される箇所に違いがあったりするなど、細かく区分すると、出稿方法も多様です。
出稿方法次第で費用の相場も変わるため、目的や予算にあった広告を選びましょう。

【運用方法別】SNS広告にかかる費用

SNS広告は多くの場合、特定の操作が行われるごとに課金される仕組みです。月額の固定の費用が設定されていないので、予算の範囲内で無理なく広告の出稿~運用ができます。
この章では、SNS広告にかかる費用の仕組みと、課金形態ごとのメリット、デメリットについて記載します。

インプレッション課金|広告の表示回数に応じた課金

インプレッション課金は、広告が表示された回数に応じて費用がかかるという課金形態です。多くの場合、1000回表示されるたびに500円程度の費用が発生します。
ターゲットとする層をきちんと絞っておかなければ、想定外の費用が発生する場合がありますが、見られなければ費用が発生しないため、ターゲットの選定が適切なら、効果も期待できます。

クリック課金|広告がクリックされた回数に応じて課金

クリック課金は、広告がクリックされた回数に応じて費用が掛かるという課金形態です。1クリックごとに費用が発生しますが、キーワードや広告品質次第でかかる費用に差が出ることが特徴です。
クリックされる=興味を持ってもらえた場合にのみ費用が掛かるという課金形態なので、クリック後、ユーザーが遷移した先のページもきちんと作りこんでおかなければ、期待する効果が得られません。

エンゲージメント課金|広告に対して反応が起きたタイミングでの課金

エンゲージメント課金とは、X(旧Twitter)広告で採用されている形式です。広告に対して「いいね」や「リポスト」が行われた際に費用が発生します。費用は広告内容にもよりますが、1エンゲージメント当たり50円から100円程度です。
反響が得られた場合や、拡散された場合にのみ費用が掛かるため、効率のよい方法です。ただし、マニアックなテーマなど、狭いコミュニティー内で拡散されるような情報は、費用の割に効果が望めない場合もあります。
ある程度万人受けするテーマで扱ったほうがよいといえるでしょう。

インストール課金|アプリのインストールが発生した際に課金

インストール課金とは、スマートフォンやタブレットでアプリをインストールした時点で、費用が発生する課金方法です。成果に応じた運用方法になるため、メリットとしてCPA(ユーザー1人当たりの集客費用)の設計がしやすい点が挙げられます。
一方でデメリットは、アプリをダウンロードするユーザーと、実際にアプリを利用するユーザーには乖離がある点です。質の低いユーザーを集めてしまい、アプリの利用率は上がらず、低評価のレビューを集めることにつながるかもしれません。そのため、DAU(1日当たりの利用ユーザー数)を考慮した施策も必要です。

SNS広告を成功させる6つのポイント

では、SNS広告を成功させるためにはどんなことに気を付ければいいのでしょうか? ポイントを6点紹介します。

1.適切なターゲティング

商品に合ったターゲット設定を的確に行うことが必要です。顧客になることが見込めるのは、どういう興味関心を持った人たちなのか、どんな属性の人にアプローチすべきなのかを明確にします。

2.最適な出稿先の選択

SNSごとの特徴をつかみ、広告内容に適したSNSを選びましょう。1.で確認した、商品に合ったターゲットが集まるSNSであるかどうかも重要です。

3.見せ方を工夫する

Web広告、特にSNS広告は、「読む」のではなく「見る」感覚が強い広告です。要点を簡潔に伝えられるように、見せ方を工夫しましょう。広告の種類によっては、動画やカルーセル(画像などの複数のコンテンツをスライド表示させる)など、目に留まりやすい広告を使うのも有効です。

4.共感を得られる内容にする

SNS広告の投稿内容は共感してもらえる内容にしましょう。SNSは「共感される内容は拡散されやすい」という点が特徴です。拡散されれば、SNS広告で出稿した価値以上の集客効果を生み出せます。また、トレンドワードやSNSの媒体特有の発信表現を押さえておくことで、反響率が大きく変わるでしょう。

5.データを分析してPDCAを回す

SNS広告には、広告の効果を計測するためのアナリティクス機能が搭載されています。SNSによって多少違いますが、広告のインプレッション数や、エンゲージメント数が計測できます。これらのデータを頻繁にチェックし、広告の内容やターゲットを細かくチューニングします。その結果をまた検証して次に生かすことで、費用対効果が最大になるように運用していきます。

6.最適化機能を活用する

多くのSNS広告では、広告のパフォーマンスが最大化されるよう、AIによって配信内容が自動で最適化されます。予算が少なすぎたり、頻繁に内容を変更したりすると配信結果の学習が進まず、最適化機能を効果的に活用することができません。

SNS広告の運用に関する注意点

SNS広告には多くのメリットがありますが、その特性から注意しておくべきこともあります。最後にどのようなことに気を配っておくべきか確認しておきます。

炎上する可能性はないか、念入りにチェックする

SNSでは受け手側からダイレクトに反応が返ってきます。「不快だ」「誰かを傷つける投稿だ」というように投稿や広告がネガティブに受け取られると、拡散されやすく、炎上してしまう可能性があります。行きすぎた表現はないか、誰かを不快にする要素はないかといった点に配慮して、広告の内容を念入りにチェックしましょう。

運用には手間がかかり、一定のリソースが必要

SNS広告の出稿は比較的簡単で、専門的な知識が少なくても運用ができます。しかし広告は出稿して終わりではありません。頻繁にユーザーの反応を確認して、広告効果がない場合にはクリエイティブの内容やターゲティング設定を変更するといった対応を継続する必要があり、時間と手間がかかります。

また、SNS広告でエンゲージメントを増やすには、ユーザーを飽きさせない魅力的な広告を作ることが重要です。例えば、ユーザーの声を集めるような参加性のある広告や、インフルエンサーを使って情報を発信する広告は拡散が期待できます。ただし、クリエイティブや取り回しには手間やスキルが必要となります。

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エンゲージメントについてはこちらのコラムでもご覧いただけます。
SNSのエンゲージメント率とは?算出方法や獲得のポイント5つ

リーチしたい相手に合ったSNSを選択する

SNS広告は、誰にでも有効というわけではありません。例えば、SNSの利用率が比較的低い高年齢層を対象とした商品には適さない場合があります。SNSの種類によっても向き不向きがあるため、ターゲットに合わせた媒体選定を行いましょう。

SNS広告の成功事例

SNSの媒体の特徴を上手く活かした広告展開が成功のポイントと言えますが、広告の目的と狙うターゲット層に基づいた出稿が成功した事例を紹介します。

短時間の動画広告で20代女性の認知を拡大〈花王〉

日用品・化粧品メーカーの花王株式会社は、ヘアケアブランド「PYUAN(ピュアン)」の発売に当たり、メインターゲットである20代女性の認知拡大を図るため、テレビCMを使わず、SNSに絞ったプロモーションを行いました。選んだのはターゲットと親和性が高いInstagram広告とFacebook広告。若い世代は注視時間が短くなっているという調査結果を受け、短時間で印象的にブランドのメッセージを伝える動画広告を展開しました。このプロモーションの結果、ブランド認知度が10ポイントプラス、購入意向度が3ポイントプラス、店頭金額シェアが昨年対比で150%となったそうです。

適切な出稿先を選び、SNS広告を上手に運用しよう

SNS広告は、現在最も勢いのある広告のひとつです。幅広いユーザー層にリーチできますが、とりわけ若年層へのアプローチには欠かせない手法です。さまざまな条件から詳細なターゲティングができ、クリエイティブによっては拡散も期待できるため、費用対効果が高いというメリットもあります。その特徴を理解して商品に適した出稿先を選び、ユーザーの心に響く広告を上手に運用していきましょう。

TOPPANクロレでは、SNS広告をはじめとしてSNSアカウントを効果的に運用するための支援サービスを提供しています。集客やプランディングなどでSNSの運用を検討している方はお気軽にご相談ください。

サービス詳細については、以下の資料からもご確認いただけます。