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OMSとは?導入のメリット・デメリット、選定基準を解説|TOPPANクロレ

作成者: クロレDIGITAL|2024/03/29 9:00:00

ECサイトの注文から入金までを一元管理してくれるOMS。OMSはECサイトを効率よく管理するうえでは必須ともいえるシステムです。しかし、メリットだけでなくデメリットもあるため、デメリットを理解したうえで自社に合ったOMSを選ぶことが重要になります。ここでは、OMSの基本や主な機能、導入するメリット・デメリットについて解説します。あわせてOMSを選ぶ基準も紹介するので、自社に合ったOMS選びの参考にしてください。

目次

OMSとは

OMSとは、商品の注文情報・顧客情報・在庫情報など、ECサイトの受注から発送までを一括管理するシステムのことです。

Order Management System(オーダーマネジメントシステム)の略語で、日本語では注文管理システムと呼ばれます。

システムによって異なりますが、OMSでは一般的に次のような情報の管理を一元化できます。

  • 商品情報
  • 在庫数や在庫拠点
  • 顧客情報
  • 注文情報・出荷方法
  • 入金情報

上記のようにECサイトの受注から発送までに必要なすべての情報を、一つのシステムで管理できるのです。

OMSを利用していないECサイトでは、商品情報や在庫数・顧客情報・入金管理などは、それぞれ別のシステムやエクセルなどのデータで管理することになります。

管理するデータが多くなるほど、管理の手間が煩雑になるだけでなくシステム間の連携ミスが起きるといったリスクも高くなります。

その点、OMSを利用すれば、注文を受けてから「どの倉庫から」「いつ発送し」「在庫数がどうなったか」「入金はされたか」などの情報がシステム上で瞬時に分かります。

注文から発送までのそれぞれのタイミングで、別々の情報をチェックする必要がないので、作業の効率が上がるだけでなくミスも起こりにくくなるのです。

OMSが必要とされる理由

オンライン販売への消費者ニーズは増加しています。

経済産業省の調べによると、2022年の国内EC市場は22.7兆円です。

EC市場は2013年の11.1兆円から右肩上がりに拡大し、2021年の19.3兆円に比較しても約10%増と成長しています。

対面を避ける風潮で拡大したEC市場は、今後も拡大していくことが予測できるでしょう。

消費者にとってオンライン販売が当たり前になる中、ECサイトに重点を置く企業も増えています。しかし、オンラインでの販売はオフラインとは異なり、多様な商品や配送方法などを管理する必要あります。もちろん注文管理などは従来の販売管理システムでも可能です。 とはいえ、従来の販売管理システムは、基本的にオンラインをメインで使用することを前提としていないケースが多いのです。 オンラインを主軸としていない従来の販売管理システムで、ECサイトの大量のデータや多様な配送方法・入金管理を別々のシステムで賄うのは、作業効率が悪くなるだけでなくミスにもつながります。

とくに、Amazonや楽天というように、さまざまな販売チャンネルで展開していると、処理も膨大になってくるものです。

また、EC事業者が増えることで企業間の競争も激化します。 作業ミスを起こす企業はもとより、販売までの効率の悪い企業も消費者から選ばれにくくなる恐れもあるのです。

OMSであればECサイトでの業務を効率よく管理できます。 拡大するEC市場で生き残り、ECサイトを運営・拡大するうえで、OMSは必要不可欠になっていると言えるでしょう。

OMSとWMSの違い

OMSと似たようなシステムとしてWMSがあります。 Warehouse Management Systemの略で、日本語では倉庫管理システムと訳されます。 WMSは、商品の入庫や保管・出荷といった倉庫内の情報を管理するシステムです。 OMSが注文から発送までの情報を一元管理するのに対し、WMSは倉庫内の情報だけを管理する点が異なります。 OMSとWMSは密接な関係があるため、両者を連携させて利用するケースも多いでしょう。

 

Check

WMSについての詳しい解説は下記のコラムでご覧いただけます。
WMS(倉庫管理システム)とは?導入するメリットや選ぶポイントを解説

また、他にOMSと混同されやすいシステムとして、POSEMSがあります。これらもOMSとは異なる情報を管理するシステムです。

POSは販売情報を管理するシステム、EMSは証券取引で使用されるトレーディング管理システムのことをいいます。

 

POS:販売した時点での売上額や売り上げなどを管理するシステム

EMS:証券取引で利用される取引執行管理システム

OMSの機能

ここでは、OMSがどのような機能を持っているのか具体的にみていきましょう。 一般的にOMSには、下記のような機能が搭載されています。

  • 自動受注
  • 在庫管理
  • 商品管理
  • 出庫管理
  • 顧客管理

自動受注

受注内容の登録や変更・キャンセルから、受付メール対応・出荷指示書の作成など受注管理を自動で処理してくれます。 複数の販売チャンネルでも一つのシステム上で管理できるのが一般的です。

在庫管理

入庫や出庫などを在庫情報の管理。 どの商品がどこに・どれくらい残っているかを把握できます。 また、既存の在庫管理システムと連携できるものもあります。

商品管理

商品の基本情報の管理。 商品番号や規格・詳細な商品説明情報・値段といった情報を管理できます。 セット商品の登録やまとめ買い割引など価格の変更などにも対応可能です。

出庫管理

受注に合わせた出荷指示や配送手配・出荷実績などを管理します。

顧客管理

顧客情報の管理。 基本情報の登録や更新・注文履歴やポイント管理も可能です。

OMS導入の3つのメリット

OMS導入のメリットとして、下記の3つが挙げられます。

  1. 在庫管理が楽になる
  2. 販売機会を最大化できる
  3. ミスを削減できる

それぞれ見ていきましょう。

在庫管理が楽になる

複数の販売チャンネルの情報を一元管理できるので、在庫管理の手間を大きく削減できます。

販売チャンネルごとに別管理していると、それぞれのサイトで在庫管理が必要です。

例えば、在庫が10個ある商品をAサイト・Bサイトで販売する場合を見てみましょう。

Aサイトで5個売れたらBサイトの在庫を5個に減らす必要があり、在庫修正が間に合わず売れてしまうと注文をキャンセルするなど対応が必要です。

OMSであれば、サイトごとに在庫を手作業で管理せずとも自動で調整してくれる機能も搭載されているので、リアルタイムで正確な在庫を反映できます。

手入力での在庫管理が不要になれば、その分の人件費削減や別の業務に人手を割けるようにもなるでしょう。

販売機会を最大化できる

販売チャンネルごとの在庫を横断的に管理できるので、売り逃しや売り切れと言った機会損失を防ぎやすくなります。

特定のチャンネルで在庫切れを起こすと売れる機会を逃すだけでなく、購入がキャンセルになるとユーザーからの信頼低下にもつながるものです。

適切・的確に在庫が管理できることで、販売機会の最大化につながります。

ミスを削減できる

各種管理を手入力で行っていると、作業ミスのリスクも高くなります。

一つ注文が入るたびに、在庫数や顧客情報をそれぞれエクセルで入力して発注伝票を作成して、と入力機会が多いほどミスにつながるものです。

さらに、販売チャンネルが増えると管理も煩雑になり、在庫ミスや顧客とのトラブルなど重大なミスにもつながりかねないでしょう。

OMSで管理を一元化できれば、手入力の必要がなく人為的なミスを防ぎやすくなるのです。

OMS導入の3つのデメリット

OMS導入にはデメリットもあるので、デメリットまで理解したうえで慎重に判断することが大切です。デメリットとしては、下記の3つが挙げられます。

  1. 導入費用がかかる
  2. スタッフを教育する必要がある
  3. 業務フローを見直す必要がある

導入費用がかかる

OMS導入には、費用がかかります。

導入するシステムやカバー範囲になどにもよりますが、自社に合わせてカスタマイズする場合などでは100万円以上の高額な費用がかかるケースも珍しくありません。

長期的に見れば人員削減などの効果もありますが、短期的には費用の負担が大きい点には注意が必要です。

また、導入後もシステムによっては月額で使用料が発生したり、メンテナンスやバージョンアップに費用がかかったりするケースもあります。導入する際には、初期費用だけでなくランニングコストまで含めてコストを検討することが大切です。

スタッフを教育する必要がある

導入したからといって、既存のスタッフがすぐにシステムを使いこなせるわけではありません。

導入直後はシステムを操作するスタッフの教育が必要となり、ITに不慣れなスタッフが多いと使いこなせるようになるのにある程度時間と手間がかかります。

そのため、導入直後の一時期は導入前よりも作業効率が落ちる可能性もあるでしょう。

業務フローを見直す必要がある

導入にあたり、それまでの業務フローの見直しやシステムの運用マニュアルの作成なども必要です。どこがシステム化されてどの作業は必要ないのか、改善が必要なのかなど、業務フローを明確にしなければ、スタッフも混乱してしまいます。

そのためには、まず、既存の業務フローの明確化も必要です。

しかし、それまでの業務がマニュアルやきちんとしたルールもなく、スタッフ個人のルールで行われているケースも少なくないでしょう。

既存の業務フローを可視化するだけでも時間がかかる可能性があるので、余裕を持ったスケジュールで導入を検討することが大切です。

OMSを導入する際の注意点と選定基準

OMSを導入することで業務効率がアップしますが、コストがかかるなどのデメリットもあります。

さらに、OMSにもさまざまな種類があるので、自社にあった物を選ばなければコストをかけても効果を得られない可能性もあるでしょう。

ここでは、OMSを導入する際の注意点と選び方のポイントとして、次の3つを解説します。

  • 既存システムと連携できるか
  • スタッフが使いこなせるか
  • 将来の見通しも立てておく

既存システムと連携できるか

すでにWMSや在庫管理システムを使用しているという場合は、既存システムとの連携を確認する必要があります。

連携できないシステムを導入すると、既存システムにかけた費用や手間が無駄になりかねません。

それまでのデータを利用できないとなると、OMSの導入にも余分な手間やコストがかかる可能性もあるでしょう。

連携できる場合でも、自動連係や手動連携というように連携方法によっては今後の作業の手間が変わってきます。

既存のシステムとの連携については、しっかり確認するようにしましょう。

スタッフが使いこなせるか

どんな良いシステムでも、現場が使いこなせなければ意味がありません。

操作性はシステムによって異なるので、無料体験などで実際に利用する予定のスタッフがチェックしてみることをおすすめします。

すぐに使いこなすのが難しい場合、導入のための教育に時間がかかるものです。

教育期間に繁忙期が被ると業務が混乱してしまうので、時間がかかりそうな場合は導入時期も調整するようにしましょう。

また、導入時にOMSの提供企業からの研修があるのか、電話やメールで使い方を相談できるのかなど提供企業のサポート体制も確認しておくことも大切です。

将来の見通しも立てておく

現在出店するチャンネルや導入する倉庫システムなどと連携の確認は必須ですが、将来利用するシステムや販売チャンネルとの連携もできるかも重要になります。

将来規模が拡大して外部倉庫を利用する・販売チャンネルを増やすといった場合、導入したOMSで対応できない範囲が出てくると、新たにフローの見直しや余分なコストが発生する恐れがあります。

将来システムがどうなるかを確実に見通すことは難しいですが、自社の方向性などから商大にも対応できる可能性が高いOMSを選ぶことが大切です。

業務効率化や売り上げアップのためOMS導入を検討してみよう

OMSは、ECサイトの受注から発送までを一元管理するシステムです。

導入することで、顧客情報や在庫情報など別々に管理していたデータを1つのシステムで運用でき、業務改善や販売機会の最大化につながります。

ただし、導入にはコストがかかるなどのデメリットもあるので、理解して自社に合ったものを選ばなければ思うような効果を得られない可能性もあります。

今使っているシステムとの連携や業務状況・将来の方向性などを確認しながら、自社にあったOMSを選べるようにしましょう。

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