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ロジスティクスとは?仕組みや課題・導入するメリットをわかりやすく解説|COLORER DIGITAL

作成者: クロレDIGITAL|2024/08/30 8:30:00

物流に関わっていると「ロジスティクス」という言葉を耳にする機会も多いでしょう。現代の物流業務においては、ロジスティクスを取り入れることが重要になってきます。

しかし、「そもそもロジスティクスとはどんな仕組みなのか分からない」「物流と何が違うの?」という方も少なくありません。そこで、この記事ではロジスティクスの仕組みや物流との違い、導入するメリットなど詳しく解説します。

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目次

ロジスティクスとは?

ロジスティクスとは、商品の調達から生産・販売・配送など、消費者に届くまでの一連の物流の流れを一括管理し最適化することです。

この概念は、軍事用語である「Logistique(日本語:兵站 へいたん)」に由来しています。「Logistique」とは、戦場における物資の補給や輸送、整備などの後方支援活動を指す言葉です。この活動は、軍隊が効率的かつ効果的に運営されるために必要不可欠であり、戦争の勝敗を左右する重要な要素となります。

現代におけるロジスティクスも、企業活動のなかで重要な役割を果たしており、モノを消費者に届ける企業にとっては欠かせないものであるといえます。

ロジスティクスと物流の違い

ロジスティクスは物流と混同されがちですが、両者は大きく異なります。

ロジスティクスを検討するうえでは、2つの違いを理解しておくことが大切です。

物流とは、モノが消費者に届くまでの流れそのものを指しており、次の6つの工程で構成されています。

  • 配送・輸送
  • 保管
  • 荷役
  • 包装
  • 流通加工
  • 情報システム

 

物流は配送・輸送だけでなく、商品の保管や流通させるための加工などの工程も含んでいます。

また、対象を限定して「消費者物流」「生産物流」などと使われるケースもあります。

このように、物流とは「モノが届くまでの一連の流れ」を指す言葉です。

それに対してロジスティクスは、それらの工程を一元管理することを意味します。管理する工程は物流業務だけでなく、調達・生産・販売・回収など、それ以外の工程も含まれています。

つまり、ロジスティクスの管理する業務の一部に「物流」が含まれるということになるのです。

また、ロジスティクスは物流の流れを一元管理して最適化することを目的としているので、経営管理やコスト管理なども業務に含まれます。

このように、物流とロジスティクスでは範囲や目的が異なってくるので、違いを覚えておくようにしましょう。

SCMとは

また、ロジスティクスと混同されやすい言葉に「SCM(サプライチェーンマネジメント)」もあります。SMCとは、企業間の壁を超えて生産や流通を管理するという考えです。ロジスティクスが自社内のシステムにとどまるのに対し、SMCは原料を調達する企業といった自社以外の企業まで含めて最適化を図ることを意味します。ロジスティクスよりも広範囲で最適化を目指すのがSMCとなります。

ロジスティクスの仕組み

必要なものを必要なタイミングで効率よく消費者に届けられるような仕組みを構築するのが、ロジスティクスです。

ロジスティクを構築するための主な要素としては、以下の5つが挙げられます。

  • 供給管理
  • 倉庫管理
  • 在庫管理
  • 受注・配送管理
  • 販売後のフォロー

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

供給管理

供給管理では、商品そのものの仕入だけでなく、製造業であれば商品を生産するための原材料の仕入れなどの管理を行います。

主な管理内容は以下の通りです。

  • 仕入先の選定
  • 価格交渉
  • 納期の調整
  • 需要予測と仕入計画
  • 原材料・商品の管理

供給管理では、需要を予測して欠品や無駄のない商品量を確保できるように管理していくことが重要です。また、供給元となる別企業との連携も必要になってきます。

倉庫管理

倉庫管理とは、仕入れた原材料や商品の管理のことです。

  • 保管場所の検討・確保
  • 在庫の品質管理
  • 入出庫に関する業務の管理

倉庫では、単に入ってきた商品を管理するだけではなく、保管中の品質管理やピッキング・梱包・出庫のように、倉庫内の業務すべてが対象です。

倉庫管理では、仕入れや配送・在庫管理と言った他の要素・工程とも連携させて効率よく管理することが重要になってきます。

倉庫業務の自動化やシステム化などで、効率よく正確に管理できるようにするとよいでしょう。

在庫管理

欠品や過剰在庫を防ぐために適切に在庫管理することはロジスティクの中でも重要なポイントです。在庫を最適化するためには、以下のようなポイントを押さえておくことが必要になります。

  • リアルタイムの在庫の可視化
  • 需要予測をもとにした在庫量のコントロール

在庫管理を最適化することで、在庫コストの最適化だけでなく、欠品や品質低下の防止による顧客満足度の向上にもつながってきます。

受注・配送管理

受注管理とは、顧客の注文から届くまでの工程を管理することです。

  • 受注処理
  • ピッキング・検品
  • 梱包
  • 出荷

上記の業務を効率よく行えるように管理していきます。

システム化による受注処理の自動化や配送状況の可視化などによって、配送までを正確かつ効率よくできるようになれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

販売後のフォロー

修理や返品・問い合わせ対応など、販売後のアフターフォローも対象となります。

この部分を充実することは、長期的に顧客と良好な関係性を築くためにも重要です。

修理・交換に必要な部品や返品商品の管理、社内での情報共有などをしっかり行い、問い合わせにスムーズに対応するための仕組みを作っていくようにしましょう。

ロジスティクスが重要である背景

なぜ、近年ロジスティクスへの注目度が高まっているのでしょうか?ここでは、ロジスティクスが重要となる背景として、次の3つの要素を解説します。

  • 物流コスト上昇
  • 労働力不足
  • カーボンニュートラル

 

物流コスト上昇

燃料費や人件費の増加に伴い、年々物流コストは上昇傾向にあります。

上昇する物流コストを消費者に負担してもらうのにも限界があり、その多くは企業自身が負担するケースがほとんどでしょう。

ロジスティクスで物流を効率化し物流コストを削減することが重要となります。

労働力不足

少子高齢化の進む日本では労働力不足も重大な問題です。

少ない人手で業務をこなしていくと、超過勤務など労働者の負担にもなります。

とくに、物流業界は慢性的な人手不足状態であり、さらに、2024年の残業時間上限規制によりその問題はより深刻になることが予測されます。

ロジスティクスによりシステム化などの業務改善を進めることは、限られた人員でも対応できる体制を構築することにつながり、労働力不足の対策となるでしょう。

カーボンニュートラル

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出をできるだけ削減し、削減できない分は吸収または除去することで実質ゼロにすることを言います。

日本はじめ世界の多くの国で2050年までの実現を目指して取り組んでいます。

日本の物流はトラック運送がメインとなるため、温室効果ガスの排出にも大きく関わってきます。

また、包装資材などのプラスチック資源も環境保全の面で課題となってくるでしょう。

近年は環境保全に力を入れている企業も増え、ロジスティクスで物流の効率化・適正量の生産などを行うことは環境問題への重要な対策ともなっているのです。

ロジスティクスを導入するメリット

ロジスティクスを導入するメリットには、以下の4つが挙げられます。

  • 品切れや過剰在庫を軽減できる
  • コストを削減できる
  • 営業の負担を軽減できる
  • 顧客満足度を向上できる

 

以下で、それぞれ詳しくみていきましょう。

品切れや過剰在庫を軽減できる

商品の生産から管理することで、需要に合わせて適正量の生産が可能になり、品切れや過剰在庫の防止につながります。

需要の予測を誤り商品が足りない・原料が足りずに商品が作れないという状態になると、せっかくの販売機会を逃してしまうでしょう。

需要のあるときに販売機会を損失すると、企業の利益も損なわれます。

さらに、品切れを起こすことで顧客が離れてしまうと、将来の販売機会の損失にもつながります。

反対に、品切れを恐れて過剰に在庫を保有しても、保管の場所代や人件費といった無駄なコストがかかってしまいます。

過剰在庫が長く続くと、商品価値の低下や処分のための値引き・破棄コストが必要になってくるでしょう。

品切れや過剰在庫の防止は、企業の利益最大化を目指すうえで重要です。

ロジスティクスを取り入れることで、最適な生産量・在庫管理ができ、企業利益の最大化を目指しやすくなります。

コストを削減できる

ロジスティクスで適正在庫を維持できれば、過剰在庫に関わる在庫コストの削減が可能です。

保管場所に関わる費用だけでなく、無駄な在庫がないことで管理の手間も削減でき人件費の削減、仕入自体をしないことで原材料の仕入れコスト削減にもつながるでしょう。

さらに、ロジスティクスでは各工程での最適化を行っていくので、作業効率の向上や輸送コスト削減といった効果も見込めます。

物流のみ、生産のみといった特定の分野でのみ最適化を行っていると、生産コストを削減できても物流コストは高いまま、というようにトータルではコスト削減効果が少ない場合もあります。

ロジスティクスでトータルでの最適化を目指すことで、コスト削減効果も大きくなるでしょう。

営業の負担を軽減できる

ロジスティクスで各部門が適切に機能できるようになると、営業部門は本来の営業に専念できます。

企業によっては、営業部門が在庫管理など営業以外の業務も兼任しているケースは少なくないものです。

ロジスティクスを導入することで、在庫管理はシステムや専門の部門のみで機能できるようになり、他の部門の負担を軽減できます。

また、適正在庫を維持でき品切れを防ぐことで、営業も品切れで営業できないといった心配もなくなります。

顧客満足度を向上できる

ロジスティクスで作業を効率化することでリードタイムを短縮でき、欠品リスクが下げられます。顧客がほしいときに在庫がそろっていることは、顧客の信頼獲得につながり、顧客満足度の向上も実現できます。

ロジスティクスをより効果的に機能させるためのポイント

ロジスティクスの仕組みを理解していても、うまく活用できないというケースも少なくありません。

ここでは、ロジスティクスをより効果的に機能させるポイントとして、以下の3つを解説します。

  • 売れ筋商品を把握する
  • 在庫が適正となるようにコントロールする
  • システムを導入する

 

売れ筋商品を把握する

売れ筋商品は優先的に在庫を確保し、そうでない商品は在庫を見直すことも重要です。

ただし、売れ筋商品は必ずしも企業が売りたい商品と一致するわけではありません。

過去の販売データや市場需要の分析などから、消費者ニーズをつかんで需要のある商品を選定することが大切です。

在庫が適正となるようコントロールする

在庫は、少なすぎても多すぎても企業にとって不都合が生じるものです。

適正な在庫量を保つことで、販売機会の損失や無駄なコストがかかることを防ぐことができます。

適正在庫を維持するためには、精度の高い需要予測やリアルタイムでの正確な在庫を把握することが重要です。

システムを導入する

限られた人員で、すべての分野の最適化を進めるのは容易ではありません。

また、人手で作業していると人的ミスが発生する恐れもあります。

ロジスティクスを効率よく運用するには、システムの導入を検討することも視野に入れるとよいでしょう。

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ロジスティクスの将来性

コロナ渦で急速に伸びた物流需要は、今後も高まることが予測されます。

反面、人手不足や物価高騰・環境問題など物流業界が抱える問題も深刻になっていきます。

それらの課題に対応するためにも、ロジスティクスはますます重要なポイントとなってくるでしょう。さらに、今後のロジスティクスでは、AIやIoT・ビックデータなどの最新技術の搭載も必要不可欠です。

労働力不足解決やコスト削減のためには物流業務の効率化が必要となり、最新技術を活用したシステムでの円滑な運用が欠かせません。

物流業務のシステム化は、業務改善だけでなくAIでの需要予測による顧客ニーズへの対応やリアルタイムで在庫を反映して欠品を防ぐなどの顧客満足度向上にも重要な要素となります。

このようにロジスティクスの重要性はさらに高まり、取り入れる企業が増えていくことも予測できるでしょう。

ロジスティクスを導入しよう

生産・販売・流通のすべてを一元管理して最適化するロジスティクスを取り入れることで、在庫の適正管理やコスト削減・業務効率向上などが可能になります。

ロジスティクスの仕組みを理解して、効率よいシステム構築・効果的な運用を行っていきましょう。

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