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自社ECとは?ECモールとの違いとそれぞれのメリット・デメリット|TOPPANクロレ

作成者: クロレDIGITAL|2021/07/12 2:35:28

ECモールに出店するか、自社ECを構築するかという選択は、ECサイトの運営担当者なら誰もが一度は考えるテーマです。結論から言うと、両者に長所と短所があり、どちらが正解とは一概に言えません。しかし、企業独自の魅力を打ち出したいときや、企業や商品のブランディングを考えるならば自社ECの開設をおすすめします。

目次

自社ECとは

独自のドメインを取って、その企業自身が運営するECサイト自社ECと呼びます。自社ECの構築方法は複数あり、それぞれデザインや機能の自由度、制作コストが異なります。最も手軽でコストをかけずに始められるのはASP(※1)ですが、デザインやシステムの自由度は低くなります。逆に自社ECをゼロから開発するフルスクラッチ(※2)は時間や費用がかかりますが、デザインやシステムを思いどおりに作ることができます。

※1 ASP… Application Service Providerの略語で、ネットワークを通じてアプリケーションを提供する事業者やサービスのこと。ユーザーは、インターネットでサービス提供者のサーバーにアクセスし、サービスを利用する。

※2 フルスクラッチ…既存のEC構築サービスを使わずに自社のECサイトを新規で開発すること。サイト構築のほか、サーバーやネットワークなどシステムを稼働するための設備も自社で調達する。

自社ECとモール型ECの違い

自社ECとモール型ECの違いについて説明します。

モール型ECとは

モール型ECとは、複数のショップを集めて構成したインターネット上のショッピングモールです。日本でよく知られているECモールには、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。モールに出店すると、商品ページのアドレスがamazon.co.jpや rakuten.co.jpなどモールのドメインになります。

モールのなかで検索され、比較検討された結果、商品を気に入ってもらえれば、新規顧客を獲得することができます。また、モールのなかで販売ランキングを上げることができれば、ショップの知名度も上がります。しかしそれだけに競争は激しく、モール内の価格競争や人気ショップ争いに負けてしまうと、売上が伸びなくなることもあります。

自社ECは、モール型ECのような知名度を使った集客ができないため、自力で集客しなくてはなりません。例えば、検索エンジンの検索結果ページに自社のページを表示させるためのSEO(検索エンジン最適化)リスティング広告といった集客施策が必要です。

また、プロモーション告知やブランディングのためにメールマガジンを発行したり、ブログやSNSなどのソーシャルメディアを使って顧客とのコミュニケーションを図ったりと、リピーターを増やす工夫も重要となるでしょう。

このように自社ECで売上を伸ばすには、一定の手間やスキルが必要です。しかし自由であることを生かして個性的で集客できるECサイトを構築できると、企業の規模にかかわらず大成長するブランドが生まれる可能性もあるのです。

自社ECのメリット・デメリット

自社ECの独自性や自由度は長所にも短所にもなります。具体的な例を挙げてみましょう。

自社ECのメリット

1 デザイン・機能などが自由に決められる

構築方法にもよりますが、一般的に自社ECの方が希望に合わせてオリジナルのシステムを柔軟に作ることができ、追加の開発や改修も自由です。これによりスピーディーにPDCAを回すことができ、売上の最大化を図れます。

2 企業や製品のブランディングができる

独自ドメインや、デザインを生かしてオリジナリティーを打ち出すことができるのも自社ECの長所です。特に海外では、ユーザビリティを多少犠牲にしても、ブランドを前面に押し出すECサイトが増えています。

3 データ活用がしやすい

自社ECのもうひとつの長所として、さまざまなデータが自由に収集できる点も挙げられます。アクセス解析のデータは、ECサイトの改善や効果的なプロモーションといったマーケティング戦略を立案し、実行する際のベースとなります。購買データや顧客データをうまく活用できれば、顧客のニーズを知り、リピート率を上げる施策を打つことができます。

自社ECのデメリット

1 担当者の力によって結果が左右される

自社ECでは、担当者のセンスや能力が結果に影響しやすい点がデメリットのひとつです。そのため、人材育成が大切になります。EC構築や運営に関するセミナーや勉強会に参加することで、スキルアップは可能です。また、信頼できるECサイト構築・運用のパートナーを社外に選ぶことで、希望や用途に合ったECサイトが実現できます。

2 集客を自社でしなければならない

自社でECに集客をするには、前述のSEOや、リスティング広告を含めたWeb広告などのWebマーケティングの知識が必要になります。書籍やセミナーで学ぶこともできますが、コンサルティング会社のサービスを利用しながら知見を身に付けていく方法もあります。

3 成果が表れるまでに時間がかかる

一から始める自社ECでは、成果が表れるまである程度の時間を見積もっておくことが必要です。サイトへの訪問者数を増やすこと、客単価を上げること、リピーターを増やすことが、売上を伸ばすポイントとなります。戦略と数値目標を立て、効果測定をしながら取り組んでいきます。

モール型ECのメリット・デメリット

ECモール自体の知名度や出店の手軽さは大きな長所ですが、独自性が出しにくく、自由度が少ないという短所もあります。

モール型ECのメリット

1 知名度や信頼性が購買につながる

有名モールに出店していることで信頼されやすくなります。ショップ自体の知名度が低くても、モールのブランド力によって、顧客は安心感を持って購入に進むことができます。レビューやモール内の評価が高まれば、相乗的に売上を伸ばすことも可能です。

2 集客力がある

モールの知名度は集客にも大きな力を発揮します。例えば、知名度の低いショップが一般に流通している商品をECで売りたい場合には、モールに出店した方が有利になる場合があります。またモール全体で定期的に行われる販促イベントも、新規顧客を集めるきっかけとして有効です。

3 簡単に出店できる

モールには比較的簡単な手続きで出店することができます。商品情報ページの作成や決済方法の選択など、既に準備されているテンプレートに沿って入力するスタイルが多く、専門的なWeb制作のスキルは不要です。

モール型ECのデメリット

1 競合が多く値下げ競争になりやすい

同一の商品や類似商品を扱っているショップが複数ある場合には差別化が難しく、値下げ競争が起こりやすくなります。

2 販促費用、販売コミッションなどの費用がかかる

月額使用料のほかにも、ショッピングモールの付与ポイント、アフィリエイト等の費用負担、メール配信等のオプションサービス利用料負担といったコストが必要になることがあります。

3 モールのブランドが前面に出るため、ショップの個性は出しにくい

モール内ではデザインが統一され、商品検索では他店の商品と一覧で表示されます。そのためショップ自体の個性が出しにくく、ショップを覚えてもらえにくいという短所があります。また顧客データはモールが管理するため、データに基づく個々の顧客へのアプローチは行いにくいでしょう。

ブランディングやデータ活用を考えるなら自社ECがおすすめ

国内でも海外でもECの市場規模は右肩上がりに成長しています。この状況を受け、多くの企業が自社ECを通してブランディングをするようになりました。もし他社と差別化できる商品をアピールし、販売していきたいなら、モール型ECへの出店だけでなく、自社ECサイトを持つことを検討してみてください。自社ECの長所である顧客管理やアクセスデータを活用して積極的にマーケティングを行い、知見を高めて、何度も自分たちのサイトを訪れてくれるファンを増やすことを目指しましょう。

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