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オムニチャネル戦略とは?クロスチャネルとの違いと成功のポイント|TOPPANクロレ

作成者: クロレDIGITAL|2021/04/12 0:00:00

大手総合流通企業であるセブン&アイの事業展開を中心に、日本でも各企業で展開が進んでいるオムニチャネル戦略。そのなかで、2017年6月に発表されたAmazonによる米高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット」の買収は、世界に衝撃を与えました。
リアル店舗を起点とした企業がEC化をすすめるのか、それともECサイトを起点とした企業がリアル店舗を持つのか。起点の異なるリアル店舗とEC企業の比較から、マーケットで勝つためのオムニチャネル戦略を考えてみます。

目次

「オムニチャネル」とは?「マルチチャネル」「クロスチャネル」との違い

1.「オムニチャネル」とは

オムニチャネルとは、ネットや店舗、イベントなど、あらゆるチャネルでお客さまとの接点を持ち、一貫性のあるサービスを提供するための販売戦略です。

オムニチャネルは、自社、他社、オンライン、オフラインにおけるすべてのチャネルにおけるデータが統合されています。先ほど例に出した家具店のA社であれば、Amazonや楽天などのECサイトにおける購入データも含めて、すべてのチャネルが一元的に管理されている状態です。そして、どのチャネルでも購入できることが必要となります。チャネルごとの価格は異なっていても問題ではありません。あくまで、その商品やサービスがすべてのチャネルから購入可能な状態であることが、オムニチャネルには求められます。顧客は、最も利便性の高いチャネルから購入することができるため、価格や発送スケジュール、そして支払い方法などを考慮して、購入チャネルを柔軟に選択することが可能になります。

2.「マルチチャネル」とは

マルチチャネルは、その商品やサービスを購入できる接点が複数用意されていることを意味します。

例えば、全国に販売網を展開する家具店(ここではA社とします)を例に考えてみます。A社は、直販の実店舗の他に、一部の商品を自社のECサイトでも販売しています。また百貨店の家具売り場にも、オリジナルブランドの家具を卸しています。ここで、A社の家具を現地の店舗でしか購入できない場合、顧客と店舗の接点はひとつだけしかないので、シングルチャネルとなります。しかし、A社が自社で保有するECサイト上での販売や、大手の百貨店などで、並行して商品を展開していれば、顧客と商品との接点は複数になります。これが、マルチチャネルです。

マルチチャネルでは、顧客との接点が複数であることが条件となるため、それぞれのチャネルで購入データが連携されている必要はありません。

3.「クロスチャネル」とは

クロスチャネルは、さらにマルチチャネルの相互性を向上させたものです。A社のようにチャネルが複数存在してくると、注文管理や在庫管理、顧客管理などを、一元的に管理できるようにする必要が生じてきます。例えば、大手百貨店の店舗で売り上げが向上している場合、直営店舗から在庫を回す必要が生じます。

その需要予測や注文、在庫のデータを統合させて、すべてのチャネルのデータに基づいた最適な販売を展開する仕組みがクロスチャネルです。マルチチャネルを相互に連携させた仕組みが、クロスチャネルとなるのです。クロスチャネルでは、顧客に対して在庫切れのストレスをなくし、商品の受け取り場所も複数から選択することができるメリットがあります。

オムニチャネルは、マルチチャネル・クロスチャネルの進化系であり、この3つの違いと進化の過程を理解しておくことで、オムニチャネル戦略で勝つために必要なことが見えてきます。

オムニチャネルで成功するためのポイント

オムニチャネル戦略で成功するポイントは、各チャネルで何をターゲットに提供するのか、そしてどのような相乗効果を生み出すのかを考えることです。多くの企業では、チャネルごとに担当や部署が分かれている場合が多いですが、オムニチャネル戦略の成功には、企業の各事業部が情報を共有し、等しくオムニチャネル戦略の重要性を理解する必要があります。さらに、各部署を横断して全社的にプロジェクトをリードしていくプロデューサー的な人材の確保が不可欠となります。

このように、オムニチャネル戦略においては、オンライン・オフラインを問わず複数のチャネルの特性や施策のアイデアを持っていることが求められます。概念としてはO2Oや、その進化系であるO2O2Oに近いものとしてとらえられます。

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O2OやO2O2Oに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
今さら聞けない「O2O」オムニチャネルとの違いや活用事例を解説
O2Oの進化系O2O2Oとは?

EC VS リアル店舗 オムニチャネル戦略の違い

AmazonなどのECを起点とした企業が進めるオムニチャネル戦略と、リアル店舗を起点とした企業が進めるオムニチャネル戦略を比較してみます。両者にはそれぞれの強みがあり、どちらが覇権を握るのかはまだまだ見えません。

EC企業の強み:豊富なIT人材と資金調達力

EC企業の最大の強みは、そのIT人材の豊富さにあります。特に外資系のECサイトの創業者や主要スタッフには、コンピューターサイエンスの学位を持った人物も少なくなく、ベンチャー企業を圧倒的なスピードで事業拡大させてきたケースがほとんどです。

ビジネススタイルによっても異なりますが、EC企業の場合、少ない初期投資で事業の立ち上げが可能です。また、インターネット上で事業展開をしている特性上、その規模にかかわらず、既存のサービスとの提携やサービスのバージョンアップも、スピード感をもって進められるのも大きな強みです。

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オムニチャネルに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
【無料eBook】オムニチャネルが失敗してしまう3つの落とし穴

リアル店舗の強み:ネットワークと商品開発力

リアル店舗の強みとして、そのネットワーク力と商品開発力が挙げられます。特に都市以外の地域における小売企業のネットワーク力は、そのまま価格力や商品力に反映されてくるでしょう。また、リアル店舗オリジナルの商品であるプライベートブランド商品も、メーカーとのネットワークや自社店舗での直接的な販売によって、総合的に強い開発力を持っているといえるでしょう。

オムニチャネル戦略で顧客体験を向上させよう

オムニチャネル戦略において重要なのは、「ユーザーベネフィットの拡大を考える」ということです。自社のサービスや製品を踏まえ、オムニチャネル化を構築することでどんなメリットをもたらし、顧客体験(CX)の向上につながるのかを考えるのがポイントです。

TOPPANクロレでは、オムニチャネルに取り組む企業を支援しております。未活用のデータの見える化、分析することで、分離している実店舗とEC店舗の顧客データの統合とCRMの構築を実施。また、統合データを活用したマーケティングシナリオの立案から施策の設計・運用までを一気通貫で行います。お悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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