1.食育と絡めた学校配布用リーフレットの制作
浪江様:牛乳はどれも「美味しい」と商品紹介されますが、実際には生乳100%でも味や風味には違いがあります。弊社の牛乳は「低温脱気製法(*)」という独自の製法で、消費者調査でも「甘み」や「コク」などが評価されています。そういったことを、どう消費者に伝えれば良いのか本当に悩んでいた時期でした。
そんな中「雪印メグミルクおいしい牛乳」は学校給食にも採用いただいているので、子どもたちが学校で飲んでいる牛乳の価値を親御さんにも認知させる、というアイデアが社内で出てきました。どう進めてよいか悩んでいた際に、お声がけしたのがTOPPANクロレでした。2023年の春頃です。
TP大森:弊社には学校へアプローチできるルートがあります。ディスカッションを重ねた結果「子どもの健康増進と食育」に関するリーフレットを制作し、学校で配布することを提案しました。
浪江様:学校への配布は、時間をかける必要があったので、初年度は学校給食として採用されている地域のスポーツクラブでの配布を実施し、実績を積み上げて、次年度に備えました。
TP船山:2024年度は、雪印メグミルク様が各自治体へ丁寧に説明され、私共は学校と直接調整しました。その結果、最終的に全国310校、計11万部を配布することができました。雪印メグミルク様の熱意や誠実さに、私共も現場力で伴走できたことが、実現につながったと実感しています。
TP近藤:リーフレットは「なぜ学校給食で牛乳が出ているか」というところから導入していき、親子でコミュニケーションがとれるような内容にしました。自然な流れで、商品理解に繋げることをクリエイティブではこだわりました。
浪江様:学校での訴求は、社内的にも「誰もできなかったことができた」と好評で、社内外の評価は非常に大きな成果です。
また、リーフレット配布前からスーパーの売場にはPOPを設置する等の下準備も進めて、「この地域の給食牛乳」と明確化することで売上増が図れ、店舗からの高評価も得られました。
*低温脱気製法とは、生乳から低温でやさしく酸素を取り除くことで、加熱や光による影響を受けにくくし、牛乳本来の“おいしさ”を実現した製法です。詳しくはこちら。

雪印メグミルク 浪江様
2.子育て経験を活かしたコミュニケーションアイデア
浪江様:2025年の春はブランドリニューアルや創業100周年の節目、「雪印メグミルクおいしい牛乳」=「はじめての牛乳」で、従来にない「親子の初体験」を応援するコミュニケーション設計に舵を切りました。ここで「どうやって消費者の共感や反応を深めるか」が課題でした。
TP近藤:私共は「Happy First Milk(*)」というプロジェクトネームと、様々なコミュニケーションアイデアをご提案しました。
自分自身も子育て中という立場から「公私混同」できたのも良い環境で、子育てエピソードから生まれるリアルな共感、クリエイティブ発想が施策やコンテンツに活きたと思います。
TP大森:ブランドサイトなどデジタルも活用しつつ、保育園向けフリーマガジンへの広告出稿、イベントでのサンプリング、動画広告など、毎月何かしらの施策を重ねてきています。木製玩具のサンプリングは近藤の実際の家庭体験から発想しており、親子の楽しさや愛着に根差しています。
TP船山:TOPPANクロレは、営業-企画-クリエイティブの距離が近く、一貫して「現場の思い」を形にできる体制は、お客様の細やかな期待にも寄り添えていると実感しています。これまでもプロモーションのご相談が来たときには、まず、商品を買ってきて、メンバーで試食するところから始めています(笑)。
浪江様:そこは私たちもとてもやりやすいと感じている点です。担当営業だけではなく、近藤さんたち企画・制作チームとの距離が近いからこそのスピード感と、ターゲットに響くクリエイティブが、私たちの思いをダイレクトにお客様に届けてくれていると感じます。雑誌広告やサンプリング場所で寄せられた「牛乳を買うようになった」、「体験が楽しかった」という声が、着実な成果だと感じています。
(*)Happy First Milkサイトはこちら

TOPPANクロレ 船山

TOPPANクロレ 大森
3.牛乳事業の社会的意義に立脚した誠実な情報発信
浪江様:牛乳事業は今、酪農家の減少や乳価の高騰、収益性の低迷といった難題が次々に押し寄せています。
TP船山:そんな中、雪印メグミルクさんは「社会のために牛乳を届け続ける」という信念で、値上げや経費増にも耐えながら事業を続けている。私たちはその「事業の意義」と「誠実な情報発信」を一緒に考え、「選ばれる牛乳」を目指して応援していきたいという思いです。
TP近藤:キャンペーンのアンケート等を見ても、消費者や取引先の中に、「雪印メグミルクを応援したい」「未来の食と健康を見据えて意義あることをしている」という声が広がっているのを我々も肌で感じています。そうした応援の広がりが、牛乳事業の未来に確かな希望をつないでいると思います。
浪江様:私たちが技術的にこだわってきたおいしさやブランドの価値を、学校給食から家庭の食卓へ、そして親子のつながりの中に浸透させる施策を、TOPPANクロレが一緒になって打ち出し、想いをカタチにしてくれました。ブランド体験そのものが広がってきているという手ごたえも感じています。
TP大森:引き続き、よろしくお願いします。

2024年度に学校で配布したリーフレット

2025年度にイベント等で配布したリーフレット