コンバージョン率は、Webサイトの運営にはとても重要な指標です。まずは、コンバージョンおよびコンバージョン率について理解しましょう。
コンバージョン(Conversion)とは、英語で「転換」「変換」といった意味を持つ言葉です。
Webマーケティングにおいては、サイト運営者があらかじめ設定した「達成したい成果」を、アクセスしてきたユーザーが実際に行うことを指します。
この場合の「成果」が何であるかは、サイトの目的によって異なります。例えばECサイトであれば、多くの場合は商品の購入やサービスの契約が「コンバージョン」となります。一方、ECサイト以外のWebサイトでは、問い合わせフォームからの送信や資料・eBookのダウンロード、メルマガ登録、資料請求などを「コンバージョン」として定義するケースが一般的です。
コンバージョン率(CVR、Conversion Rate)は、サイトを訪れたユーザーのうち、実際にコンバージョンに至った割合を示す数値です。サイト全体はもちろん、ページ別・カテゴリ別・流入チャネル別など、さまざまな切り口で算出でき、Webサイトを最適化するうえでの分析などに活用できます。
売上を伸ばすには、このコンバージョン率を高めることが欠かせません。アクセス数が多くてもコンバージョン率が低ければ成果は伸び悩みますが、アクセス数が伸びなくてもコンバージョン率が改善されれば、売上アップは十分に狙えます。
つまりコンバージョン率は、「Webサイトのどこをどのように改善するべきか」を判断するための重要な指標なのです。
コンバージョン率は、次の式で求められます。
コンバージョン率(%)=(コンバージョン数)÷(セッション数)(※1)
ただし、求めるコンバージョン率によって、どのコンバージョン数やセッション数を用いるかが異なります。
総コンバージョン率(%)=(総コンバージョン数)÷(総セッション数)
ユニークコンバージョン率(%)=(ユニークコンバージョン数)÷(ユニークユーザー数)(※2※3)
※1:「セッション」とは、あるWebサイトに訪問して、そのサイトから去るか、ブラウザを閉じるまでの一連の流れ。
※2:「ユニークコンバージョン数」とは、ユーザー単位でカウントするコンバージョン数のこと。1人のユーザーが同じ広告から商品を何回か購入してもユニークコンバージョン数は「1」となります。
※3:「ユニークユーザー数」は、ある期間内にサイトに訪れたユーザーの数です。同じユーザーが何度訪れても「1件」とカウントします。
コンバージョン率の平均値は、何をコンバージョンと設定するかによって異なります。
商品購入をコンバージョンに設定している場合は、一般的なコンバージョン率は1%から3%前後です。BtoB業種では、問い合わせや資料請求などをコンバージョンに設定していることが多く、コンバージョン率が10%ほどになるサイトもあります。ただしこれらの値はあくまで一般的な数値であって、実際のコンバージョン率はそれぞれのWebサイトやその他の条件で変わります。
また、傾向としては、商品の価格が高いほど商品購入のコンバージョン率は低くなり、商品のブランドが強ければ、そのコンバージョン率は高くなっています。また、コンバージョンが商品購入ではなく問い合わせやeBookのダウンロードなどの場合、商品購入よりも気軽に申し込むことができるので、コンバージョン率は高い傾向にあります。
Webサイトのコンバージョン率を上げるには、いくつもの施策がありますが、基本はユーザーにとって便利で役に立つサイトをつくり、ユーザビリティを向上させることです。そのためには、大きく分けて次のような施策を実行します。
Webサイトの目的に合ったユーザーを集めるため、次のような施策を行います。
Webサイトのターゲットとなるユーザーのペルソナ(架空の人物像)を設定し、ペルソナに合わせてWebサイトをつくります。それによってターゲット層、つまりコンバージョンしやすいユーザーのアクセスの割合が増え、コンバージョン率アップにつなげることが可能です。
また、ターゲット層以外のユーザー、つまりコンバージョンしにくいユーザーのアクセスを減らすことでも、コンバージョン率はアップします。
アクセスがあってもコンバージョンしない場合、コンバージョンしにくいユーザーのアクセスを集めているのかもしれません。ユーザーはどのような意図で、どんなキーワードで検索しているのか、どんなキーワードで検索するユーザーがコンバージョンしやすいのかを研究しましょう。
キーワードの選び方一つで、ターゲット層のアクセスを集め、ターゲット層以外のアクセスを減らすことができます。コンバージョンしやすいキーワードがあれば、キーワードに合わせてサイトのコンテンツを修正しましょう。
Webサイトの構成を改善するため、次のような施策を行います。
サイドカラム(Webページの右または左の領域)やフッター(Webページの一番下の領域)などは、コンテンツに関係なく、すべてのページに共通する部分です。この部分には、多くの場合、コンバージョンにつながる導線も配置されています。特にコンバージョンが問い合わせや資料請求の場合、この部分に適切な導線を配置すれば、すべてのページでコンバージョンアップにつなげることも可能です。
コンバージョンしにくいWebサイトには、コンバージョンに至る導線がわかりにくいものがあります。情報が多すぎてコンバージョンへの導線がどこにあるのかわかりにくい場合は、ページの途中にもコンバージョンへの導線を配置したり、不要な要素を除いたりして内容を整理しましょう。また、コンバージョンに必要な導線が存在しないページの場合、わかりやすい場所にコンバージョンへの導線を配置して、ユーザーを逃さないようにしなくてはなりません。
コンバージョンへの導線となるリンクやボタンは、わかりやすいものにしましょう。周りに埋もれず目立ち、そのリンクやバナーをクリックしたら何が起こるのかをはっきりさせる必要があります。また、長いページには、コンバージョンへの導線となるリンクを複数設置します。すべて、ユーザーの目線でチェックし、クリックしたくなる工夫をすることが必要です。
ユーザーのストレスを減らすため、次のような施策を行います。
現在、Webサイトを見ているユーザーの多くは、PCではなくスマートフォンを使っています。コンバージョン率をアップするためには、スマートフォンユーザーからも使いやすいように設計することが重要です。
自社のWebサイトが、スマートフォンからも見やすく操作しやすいかを確認しておきましょう。特にサイドカラムやフッターは、スマートフォンで表示するとレイアウトが崩れてしまい、タップしにくくなることがあるので注意してください。
ページが表示されるまでに時間がかかると、ユーザーは離脱してしまいます。特に、スマートフォンユーザーは電波状況の悪い場所にいる場合もあるので、表示スピードの速さは重要です。
ページデザインをシンプルにしたり、コンテンツを整理したり、不要なページ遷移を減らしたり、Webサイトのサーバーを強化したりして、できるだけ速く表示されるようにしましょう。
問い合わせや個人情報入力用のフォームで入力項目が多いと、ユーザーのストレスになります。
フォームの入力項目は最低限にして、素早く入力完了できるようにしましょう。特にスマートフォンユーザーは入力項目が多いと離脱しがちです。
コンバージョンにあたるものが何かによっても、コンバージョン率は変わります。商品購入などユーザーに費用が発生する成果は、コンバージョンしにくいものです。逆に、資料請求や問い合わせなど費用の発生しない成果は、コンバージョンしやすくなります。
商品ページに誘導する文章と、商品を紹介しているページの内容に矛盾や違和感があれば、ユーザーは不安になり、Webサイトを離脱してしまいます。また、誘導する文章はペルソナのニーズに応えるものでなくてはなりません。さらに、テキストだけでなく、動画や図解などのさまざまな方法により商品をわかりやすく伝えることができます。
ファーストビューの印象が悪いと、多くのユーザーが離脱してしまいます。それを防ぐためには、トップページの改善が欠かせません。トップページには、大きな写真やバナーだけでなく、商品や企業についての情報を適切に盛り込み、Webサイトの目的をはっきりさせて、ユーザーの信頼を得るようにしましょう。
ユーザーが「商品を購入したい」「資料を請求して詳しく知りたい」と自然に思えるような、訴求力の高いランディングページを設計しましょう。購入できる商品がどれほど魅力的か、ダウンロードできる資料がどのように業務改善に役立つのかといった具体的なメリットを、わかりやすく伝えることが重要です。
そのためにも、「売り手が伝えたいこと」ではなく「ユーザーが知りたいこと」を基準にページを見直し、常にユーザー視点でコンテンツや導線を最適化していく必要があります。
コンバージョン率は推移が重要です。どういう施策を行ったことでコンバージョン率が上がったのか、反対にコンバージョン率が下がったときは何が原因なのかをきちんと把握しておきましょう。これらの検証を繰り返し、Webサイトを少しずつ改善していくことで、より成果の上がるWebサイトになっていくのです。
検討の末に取り入れた対策が自社サイトに合っているか迷うこともあるかもしれません。しかし、ユーザーのニーズを丁寧に分析し地道な改修を施すことは、求められるコンテンツ実現への一歩を意味します。焦らず解析を続けることで需要と供給を上手くマッチさせ、コンバージョン率アップによって売り上げにつながるサイトへと成長させていきましょう。
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