Facebook広告は、Meta社が運営する広告配信プログラムで、Facebook、Instagram、Messenger、Audience Networkへの配信が可能です。現在はこれらの広告を総括して、「Meta広告」という名称になっています。
通常の投稿に溶け込みやすく、画像や動画、カルーセルなどで視覚的にユーザーにアピールできることから、近年はBtoC企業のみならずBtoB企業の活用も増えています。
Facebook広告には次のような特徴があります。
ターゲティングとは、行動履歴をもとに推測した「興味・関心」や「属性」からユーザーをセグメントし、狙いを定めて広告を配信する手法のことを言います。
Facebookは実名での登録を原則としているため、アカウントの登録情報やトラッキング情報(Web上の行動を追跡・分析した情報)の正確性が高いと言われています。それらの情報をもとに配信するので、Facebook広告にはターゲティングの精度が高いという長所があるのです。
Facebook広告は1日数百円の予算から配信可能です。最初は少額から始め、効果を確認することができます。ただし、予算が少なすぎると十分に広告が露出されず、効果測定が正確に行えない場合があるので注意しましょう。
また、Facebook広告の出稿方法はオークション方式です。課金方法は広告の種類によって異なり、主にCPM(広告の表示回数による課金)とCPC(クリック数による課金)があります。目的に応じた課金方法を選択し、費用対効果を高めることが重要です。
「広告マネージャー」という管理ツールで、リアルタイムで成果を確認することができます。測定できる指標には下記のようなものがあります。
Facebook広告の配信先は、前述のFacebookに加え、下記の3つがあります。
・Instagram:写真や動画をメインに共有するSNS
・Messenger:Facebookのユーザーがリアルタイムでメッセージを交換できるサービス
・Audience Network:Facebookが広告配信先として提携している外部のWebサイトやモバイルアプリのネットワーク
Facebook広告のターゲティング方法は下記の3つです。それぞれの特徴と、ターゲティングの精度向上に寄与するFacebookログインについて紹介します。
最もベーシックなターゲティング方法です。
Facebookアカウントに登録されている情報や位置情報、興味・関心、Facebookページやアプリでの行動履歴などをもとにターゲティングをします。
Facebook利用者のなかから、自社の既存顧客や見込み客を特定して広告を配信する方法です。
そのリストは、自社の顧客リストやサイト上のユーザーの行動履歴といった広告主が持つ顧客情報と、Facebookアカウントのデータを突き合わせて作成します。
自社の優良顧客と似た傾向や属性を持つ人(類似オーディエンス)を選び出して、広告を配信する方法です。
既存顧客やコンバージョンユーザー(※)に共通する属性や興味・関心などの傾向は、前述のカスタムオーディエンスのデータから読み取りますが、自社サイトにFacebookピクセルというタグを設定して自動的に情報を集める方法もあります。
※コンバージョンユーザー:購入や申し込みのほか、資料請求や問い合わせといった具体的なアクションをした人
ブラウザが保有する情報(Cookie)を使ったトラッキングでは、ひとりのユーザーが異なるデバイスからアクセスした場合には、別の人のアクセスとして認識されます。しかし、SNSのアカウント情報を使ってログインするソーシャルログイン(Facebookの場合はFacebookログイン)を利用した場合は、同じ人の行動と判断され、そのサイト上の行動履歴がSNS側に蓄積されます。
Facebookログインを導入しているWebサイトやアプリは数多くあり、Facebookは、それらのサイトやアプリからユーザーの行動や興味関心の情報を横断的に収集します。ユーザーの多角的な情報が集まることによって、さらにターゲティングの精度が上がるのです。
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ソーシャルログインに関する詳しい解説は下記のコラムでご覧いただけます。
ソーシャルログインとは?ECサイトに導入する場合のメリット・デメリット
Facebook広告は、「キャンペーン」、「広告セット」、「広告」の3つの階層で構成されており、設定もこの順に行います。
1つの目的につき1つのキャンペーンを作成します。
以下の6つから自社のビジネスに最適な目的を選択しましょう。
・認知アップ:できるだけ多くの人に興味を持ってもらいたいときに選ぶ目的です。ブランドや、店舗所在地の認知度を上げる際などに利用するとよいでしょう。
・トラフィック:広告からリンク先にユーザーを誘導したいときに選ぶ目的です。ユーザーをサービスの内容を説明するウェブページに誘導したり、通話を促したいときなどに利用するとよいでしょう。
・エンゲージメント:広告を通じてユーザーとのつながりを求めているときに選ぶ目的です。ユーザーとのチャット・通話をいざなったり、ページ/投稿に「いいね」やコメントを求めたいときなどに利用するとよいでしょう。
・リード:見込み顧客を獲得したいときに選ぶ目的です。ユーザーにフォームを入力してもらい、名前や連絡先情報などを取得したいときなどに利用するとよいでしょう。
・アプリの宣伝:ユーザーにアプリのインストールや、アプリ内課金などを勧めたいときに選ぶ目的です。アプリサービスの利用者を増やしたいときなどに利用するとよいでしょう。
・売上:商品やサービスの購入者になってくれそうな利用者に配信するための目的です。ECサイトでの購入数を増やしたいときなどに利用するとよいでしょう。
広告セットでは予算や配信スケジュール、オーディエンス、広告の配置などを設定します。キャンペーンの下に複数の広告セットを作成することができるので、ターゲットが異なる場合は広告セットを分けることで効果検証がしやすくなります。
最後に広告クリエイティブやテキスト、リンク先を設定します。広告セット内に複数の広告を作成することで、クリエイティブの違いによる効果検証が可能になります。
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Facebook広告の出稿方法は下記のコラムで詳しく解説しています。
Facebook広告のはじめ方 初心者でもすぐ分かる基本手順教えます
Facebookは実名での登録を原則としています。そのため、Facebook広告にはターゲティングの精度が高いという大きな魅力があります。
また、Facebook広告には、ユーザーの購買ステップと広告の目的に合わせた広告フォーマットが豊富に用意されています。
精密なターゲティングと適切な広告フォーマットを活用すれば、これから顧客になることが見込める幅広い潜在層に、効率的にアプローチすることができます。ターゲットと目的に合ったFacebook広告を上手に使って、潜在層を獲得して成果を上げましょう。