LINEを自社のブランディングや販促に活用する企業が増えています。その理由は、ユーザー数の多さやユーザー層の幅広さに加えて、LINEが使い勝手の良い、さまざまなマーケティング機能を備えているからです。この記事では、LINEを使ったマーケティング施策を始めたい人に向けて、LINEマーケティングの手法や特長、アカウントの種類、料金などを解説します。
LINEマーケティングとは、ビジネス用の「LINE公式アカウント」などを利用して、ブランドの認知拡大や集客、販売促進につなげるマーケティング施策のことです。
LINEは、メッセージアプリとしてだけではなく、企業がユーザーと直接コミュニケーションできるさまざまな機能があり、その利用者は非常に多いため、企業にとって重要なマーケティングチャネルとなっています。
予約受付やクーポン配布など、リアル店舗と連動しやすい点も特徴のひとつです。
LINEマーケティングには次のようなメリットがあります。
LINEは国内のアクティブユーザー数が9,500万人以上とされており、この数値から人口の7割以上が利用していると言えます。
利用者は、男性が46.7%、女性が53.3%とやや女性が多いのですが、10代から60代以上までの各年代に偏りなくユーザーがおり、居住地も全国に分布しています。
利用頻度も非常に高く、LINEを「毎日利用する」人は、男性は7割以上、女性は8割以上にのぼるという調査結果が出ています。
性別や年齢を問わず、幅広いユーザーに対してアプローチできる点が、LINEの大きなメリットです。
※1出典:数値はいずれも「LINEビジネスガイド2023年10-2024年3月期媒体資料」より
https://www.lycbiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LINE%20Business%20Guide_202310-202403.pdf
LINEは、メールと比べて開封率が高く、メッセージを送ってからすぐに見てもらえる特徴があります。
受信者にどのくらいメッセージが届いたかを表す「到達率」は、開封率と大きく関係しています。LINEはブロックされている場合を除きほぼ確実にメッセージが届けられるため、到達率はほぼ100%です。反面、メールはメールサーバー側の受信規制があったり、迷惑フォルダに振り分けられたりすることがあるため、メルマガの到達率は低く10%~30%と言われています(※1)。
またLINEには、メッセージが届くとスマホに通知が表示されるプッシュ通知や、開封していないメッセージの存在を知らせる未読バッジの機能があるため、気づいてもらえやすく、早く開封されやすい傾向にあります。
2021年7月に実施された携帯電話に関するアンケートによると、LINE公式アカウントから届いたメッセージを受け取ってからすぐに開封する人は2割、3~6時間以内に開封する人は5割、その日のうちに開封する人は8割を超えています(※2)。
このようにタイムリーな情報を素早く届けられることは、施策の即効性の高さにもつながります。例えば、限定クーポンの配付やリアルな店舗状況の配信によって、すぐに集客効果を出すことも可能です。
※1 参照:メルマガ・LINE公式アカウント・Lステップの比較(Lステップ)
※2 参照:「LINE公式アカウント」
LINEには、LINE公式アカウントを始め、LINE広告やLINEプロモーションスタンプなど、多くのマーケティング機能があります。
例えばLINE公式アカウントの機能である、「クーポン」や「ショップカード」を利用して店舗への来店を促進したり、「ステップ配信」でユーザーの属性に合わせた訴求を行うなど、顧客に合ったさまざまな手法が選べます。
他にも、LINE広告を使ってWebサイトへの流入を促したり、LINEプロモーションスタンプを利用して友だちを増やしたり、企業やブランドの認知拡大を図ることなどができます。
次に、LINEでどのようなマーケティング施策を行うことができるのか、よく利用されている施策について解説します。
まず、LINEをビジネスで利用するときに使う「LINE公式アカウント」の運用について説明します。
公式アカウントには、「プレミアムアカウント」「認証済アカウント」「未認証アカウント」の3種類があります。
プレミアムアカウント
プレミアムアカウントは、認証済みのアカウントのなかで、特に優良なアカウントに対してLINEが付与するもので、バッジの色は緑です。機能は基本的に認証済と同じですが、プレミアムアカウントの信頼性は認証済アカウントよりもさらに高まります。 ただしプレミアムアカウントは、企業側が申請してなれるものではなく、審査の基準も公表されていません。
認証済アカウント
認証済アカウントは、LINEの審査を受けて公式に認証を受けたアカウントです。認証済アカウントになると青色のバッジが企業名の前に表示されます。認証を得るためには申請をして、審査を通過しなくてはなりません。この審査は無料です。 認証済アカウントではLINE公式アカウントの機能が使えるほかに、次のようなメリットがあります。
未認証アカウント
LINE公式アカウントは個人や法人を問わず、誰でも作成できますが、LINEによる審査を経ていないアカウントは、未認証アカウントと呼ばれます。未認証アカウントはバッジの色がグレーになり、LINEアプリの検索対象から外れます。
未認証アカウントは手軽に開設できて、公式アカウントのベーシックな機能が使えます。しかし、認証済アカウントに比べてユーザーの信頼性が低く、友だち登録もされにくくなります。請求書決済ができないこともあり、企業が利用する場合は、認証済アカウントを開設する方が、メリットが大きいでしょう。
LINE公式アカウントの利用料金は、アカウントの種類にかかわらず、配信するメッセージの数によって決まります。プランには次の3種類があります。
コミュニケーションプラン
メッセージ送信数が200通/月と少ない代わりに、月額料金はかかりません。
ただし無料分(200通)を超えると追加メッセージは送れず、無料メッセージが利用できるようになる翌月まで待つことになります。
ライトプラン
ライトプランは月額料金5,000円で、メッセージは5,000通/月まで送信できます。メッセージを制限まで使ってしまったときには、追加メッセージを送ることはできません。
スタンダードプラン
スタンダードプランは、中規模~大規模のアカウントの運用に適したプランです。月額料金は15,000円で、メッセージを30,000通/月まで送信できます。これを超えた場合は、追加メッセージを1通1.1円~3円(通数によって変動)で送ることができます。
LINE公式アカウントには友だち登録をしてくれたユーザーにアプローチできる多くの機能があり、さまざまなマーケティング施策に活用できます。ここではそのなかから、特によく使われる5つの機能を紹介します。
メッセージ配信
ユーザーのLINEにメッセージを直接送る機能です。テキストに加えて画像やスタンプなど、1回のメッセージ配信で最⼤3吹き出しまでを送ることができます。性別や年齢層によるセグメント配信も可能です。
LINEのメッセージはメールよりも読んでもらいやすく、端的に用件を伝えられるという特徴があり、顧客とのフレンドリーな関係を構築するのに適しています。
リッチメッセージ配信
画像やテキストをひとつのビジュアルにまとめて、訴求力の高いメッセージを送ることができます。
クーポン
来店促進や販売促進に使えるクーポンを作成して、配信や投稿ができます。
ショップカード
デジタル版のポイントカードをLINE内で管理・運用できます。リピーター獲得に効果的な機能です。
リッチメニュー
トーク画⾯の下部に表示される大きなメニューです。見やすいボタンから予約ページや商品購入ページなど外部サイトに誘導でき、コンバージョンにつなげやすい機能です。
LINEでのコミュニケーションにかかせないのがスタンプです。
こうしたスタンプをユーザーに無料または条件付きで広告として提供するのが、LINEプロモーションスタンプです。LINEのスタンプショップ経由で提供するスポンサードスタンプや、自社のメッセージや広告で告知するダイレクトスタンプなどがあります。
プロモーションスタンプは、企業・ブランドの認知率の向上やファンの増加に貢献する、効果の高い施策です。ただし、静止画のスポンサードスタンプ8種類の料金が3,500万円というように実施には高額な広告費が必要です(※1)。
LINE広告は、LINEの中に広告を出稿するための広告配信プラットフォームです。広告はLINEのトークリストの上部や、LINE NEWS、タイムラインなどのLINE内の配信面、LINEマンガなどの関連アプリに掲載されます。
LINE広告の魅力は、前述した人口の70%以上が利用しているという圧倒的なリーチ力です。
ユーザーの属性やLINE内の行動履歴をもとに、ユーザーをセグメントして広告を配信するLINEターゲティング配信や、特定の行動をしたユーザーに広告を配信するオーディエンス配信などの広告商品があります。
個店ごとの特売情報を、その店の商圏に住むユーザーにチラシメディアで配信するサービスです。ユーザーは、LINEチラシのページから情報が欲しい店舗を「お気に入り登録」するだけで、店舗の公式アカウントに自動で友達追加され、チラシの更新情報が届くようになります。
商圏内の購入意欲の高いユーザーと定期的に接点を持つことができるという、大きなメリットがあります。
LINEの中に自社オリジナルのWebアプリを組み込むことができます。それが「LINEミニアプリ」です。
ユーザーはミニアプリを使って、予約、注文、決済、会員証提示などをLINE内で簡単に行うことができます。ミニアプリは、LINE内にあるためダウンロードが不要で、起動が速いため、ユーザーの利便性が向上します。
一方、企業側は、ネイティブアプリよりも低い開発コストで便利なサービスを提供できます。ミニアプリを利用するユーザーの行動データを取得できるというメリットもあります。これらのデータは、ユーザーのアカウントデータとひもづけられることで、メッセージ配信や広告などの、さまざまなマーケティング施策で横断的に活用できます。
LINEは、マーケティングの強力なツールになります。その最大の魅力は圧倒的なユーザー数と年齢層の幅広さ。そして、ユーザーとさまざまな形でコミュニケーションができる機能によって、ユーザーとの間に親密な関係を築きながら、広告や販促活動を行うことができる点です。LINEマーケティングに取り組んで、顧客との関係性を強め、売上をアップさせましょう。
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