多くの人が日常的に使っているLINEを、ECサイトのマーケティングやCRM(顧客管理)に活用したいなら、LINE連携について知っておきましょう。自社の会員情報とLINEのアカウントを連携させることで、ユーザーに個別のメッセージをLINEで送ることができます。この記事では、ECサイトのLINE連携について、基本情報からメリット、活用施策、連携の方法までを解説します。
LINE連携とは、Webサイトの会員IDとLINEのアカウントとをひもづけることを言います。IDを連携させると、ユーザーはLINEのアカウントを使ってWebサイトにログインできるようになります。これをLINEログインと言います。
LINEログインをしたユーザーが自社のLINE公式アカウントの「友だち」になっていれば、ECサイトはユーザーデータベースのなかから相手の会員情報や購買履歴を参照して、それらのデータをもとに相手に合ったメッセージをLINEで送ることが可能です。
LINE公式アカウントは、企業や店舗がLINE上に無料で作成できるビジネス用のアカウントです。「友だち」へのメッセージ配信やチャット、メッセージの自動応答設定、クーポン配信、抽選などができるほか、ポイントをためられるショップカードの機能もあります。
LINE公式アカウントでは、月に1,000通までのメッセージを無料で配信できます(それ以上は有料)。
LINEは国内のスマホ・ケータイ所有者のなかでの利用率が81.1%(※1)と、日本で最も使われているSNSです。ユーザーの年齢層も幅広く、自社のECサイトのユーザーも利用している可能性が大きいと考えられます。
今、SNSや検索エンジンのアカウントを使ってログインする「ソーシャルログイン」を導入するWebサイトが増えています。なかでもLINEログインの利用率は伸びており、ECサイトで最も実装されているソーシャルログインはLINEです。そして、モバイルデバイス経由でソーシャルログインをするユーザーの6割以上がLINEのアカウントを使っています(※2)。
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ソーシャルログインに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
ソーシャルログインとは?ECサイトに導入する場合のメリット・デメリット
次にLINE連携がECサイトに与えるメリットを解説します。
これまでECサイトからのお知らせには、主にメールが使われてきました。しかしメールは開封して読まれるまでの手順が多いうえ、ほかのDMに紛れてしまうこともあります。
一方、多くの人が頻繁に利用しているLINEであれば、企業が配信したメッセージにリアルタイムで気づきやすく、メールよりも気軽に目を通してもらえます。見落とされるリスクも低減できます。
一度ECサイトにLINEログインをしたユーザーは、LINE経由の場合には次回以降の再ログインが不要です。ECサイトから届いたLINEメッセージを読んで、欲しい商品があればリンクからECサイトに飛び、すぐに買い物を始められます。
IDやパスワード入力の手間をかけずにすむため、離脱防止やコンバージョン率の向上が期待できます。
前述のように、ユーザーの属性データやWebサイトの訪問履歴、商品の購入履歴などをもとにしたメッセージをLINEで送ることが可能になります。
相手の欲しい情報を、最適なタイミングでスマートフォンに届けられれば、LINE経由のコンバージョン率が上がります。さらに“自分の好みを分かっていて、良い情報を送ってくれる”ECサイトとして、ユーザーから信頼され、愛着を持たれるようになるはずです。
LINEを通して、個々のユーザーと丁寧にコミュニケーションを取ることにより、ユーザーとの絆を強めることができるのです。
LINE連携によって、さまざまなCRMやマーケティングの施策が実現できます。いくつか例を挙げましょう。
LINE公式アカウントを有効に活用するうえで、特に重要なツールがプッシュ通知です。プッシュ通知は利用中のスマートフォンの画面に新着情報として表示されるため、メッセージがすぐに目に入るという大きなメリットがあります。
しかし、配信数が多すぎたり、自分に関係のない通知ばかりが届いたりすると、ユーザーが不快に感じて、公式アカウントをブロックしてしまう可能性もあります。
LINE連携によって、ユーザーのデータに沿った情報を送ることができれば、次のような施策が有効に機能します。
LINE公式アカウントではトーク画面で使えるチャットボット(対話型ボット)の導入が可能です。チャットボットと会員情報を組み合わせると、やりとりがスムーズになりユーザーの利便性が上がります。
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チャットボットに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
チャットボット(chatbot)とは?メリットや具体的な事例を紹介|TOSHO DIGITAL
LINEでカスタマーサポートを行う企業も増えています。ユーザーがLINEで問い合わせをした場合には、本人確認のフローを省略できるうえ、注文状況や購入履歴の照会がスムーズになります。FAQや定型的なサポートにチャットボットを取り入れれば、ユーザーの待ち時間を減らすことも可能です。
ECサイトの会員情報とLINEのIDを連携させるには、主に2つの方法があります。連携方法によるユーザーの手順の違いと、それぞれの特徴を紹介します。
1つ目は、LINE公式アカウントのトーク画面に表示されるリッチメニューから、ユーザーが自分でID連携をする方法です。連携の手順は次のようになります。
この方法では、ECサイトに手を加えずに、ユーザーにID連携をしてもらうことができます。ただし、ユーザー自身が会員IDとLINEのアカウントをつなげるための手続きをする必要があります。また、これはID連携のためだけの手順となるので、ECサイトへのログインには使えません。
さらに、自社の公式アカウントのリッチメニューからしか連携ができないため、既に友だちになっているユーザー以外にはID連携を促すことができません。
ID連携率を積極的に上げたい場合には適さない方法です。
もう1つは、ECサイトにLINEログインを実装してIDを連携する方法です。ユーザーは、ECサイトのログイン画面でLINEログインを選択、登録すると、公式アカウントに移動。「友だち追加」にチェックを入れると、ID連携が完了します。この場合のユーザーの手順は以下のとおりです。
ユーザーは自分にとって利便性のあるLINEとのID連携の手続きを、ECサイト上で簡単に行うことができます。ECサイト側にとっては、新規顧客や既存顧客にID連携と友だち追加を促せる点が大きなメリットです。
Webサイトへの実装には、多くの場合、ECサイトプラットフォームのオプション機能や連携アプリを利用します。改修は必要ですが、実装することでメッセージのセグメント配信、チャットボットの利用などが可能になります。
LINE連携を行うことにより、セグメント配信やステップメッセージのような個々のユーザーに合わせた情報発信をLINEで行うことができるようになります。リアルタイム性が高いLINEならではの双方向コミュニケーションによって、きめの細かいカスタマーサポートも実現できます。多くの人が利用しているLINEを活用して、ECサイトの利便性を高めて、ユーザーとの関係性を深めていきましょう。
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