サービスサイトとは、特定の商品やサービスに関する情報の掲載に特化したWebサイトです。
具体的には、価格やスペック、ストーリーなど消費者の購入判断の後押しとなる情報が掲載されています。
サービスサイトは主に「販促・集客・問い合わせの獲得」を目的として運営されます。
ターゲットは、リピートの可能性がある既存客、および商品名で検索する見込客です。ターゲットが目的のアクションを起こすように、商品詳細や魅力、不安を解消できるようなコンテンツなど包括的に情報を提供する点がサービスサイトの特徴です。
サービスサイトとコーポレートサイトは、目的やターゲット、運営部署が異なります。主な違いは以下のとおりです。
| サービスサイト | コーポレートサイト | |
| 目的 | 販促・集客・問い合わせ |
企業情報を伝える ブランディング 認知度向上 |
| ターゲット | 見込客やリピート客 | 消費者・取引先・株主・投資家など幅広い |
| 運営部署 | マーケティング担当部門や営業部門 | 広報・人事・総務・経営層など |
コーポレートサイトが、企業理念や事業内容、採用情報などを広く発信するのに対し、サービスサイトは、商品やサービスに関心のあるユーザーに向け、詳細で専門的な情報を届けるのが目的です。
コーポレートサイトでも商品やサービスを紹介できますが、企業紹介内の1ページとして商品を紹介しているだけでは、紹介できる情報量やデザインの最適化に限界があります。その点、サービスサイトは購入の可能性の高い人をターゲットに、販促を目的として商品の詳細な情報を提供できます。
このように、コーポレートサイトとサービスサイトは目的や掲載内容が異なるため、それぞれ適切に構築・運営する必要があります。
サービスサイトを新たに設ければ商品訴求力が強くなる反面、構築・運営に手間やコストがかかります。分けて用意すべきか、まとめて1つのサイトにするかは、企業の方向性や目的、リソースなどを考慮して判断することが大切です。
ここでは、分けて用意すべきかの判断基準となる別々に作るメリットをみていきましょう。
サービスサイトを別に作るメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
コーポレートサイトでは制限されがちな情報量やレイアウトも、サービスサイトなら自由に設計可能です。ストーリー性のある紹介や比較コンテンツ、SEO対策など、販促効果の高いサイト運営ができます。
サービスサイトのターゲットや必要なコンテンツをコーポレートサイトで網羅できるなら、新たに設置する必要はないでしょう。 具体的には以下のようなケースです。
・サービスや商品の数が少ない
・リソースが足りない
・発信する情報量が少ない
・コーポレートサイトが既に検索上位を獲得している
・サービス名と企業名が一致している
サービスサイトは、商品や関連情報の充実した発信や、コンテンツの定期的な更新が不可欠です。
そのため、商品の数や発信できる内容が限られている場合は、独立したサービスサイトにすることで結果的に情報量が不足し、サイト全体の厚みが出にくくなる場合もあります。担当者の負担やコストなど、リソース面もあわせて検討しましょう。
また、すでにコーポレートサイトが高い検索順位を獲得している場合や、サービス名と企業名が同じケースでは、コーポレートサイト内にサービス紹介ページを設けるほうがメリットを得やすい場合もあります。
一方で、取り扱う商品やサービスが多かったり、サービス名・企業名が異なる、あるいはターゲットが明確に異なる場合などは、独立したサービスサイトの構築をおすすめします。
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サービスサイトには、消費者の関心を引き商品への理解を深めるようなコンテンツが必要です。 掲載するコンテンツはサイトの目的によっても異なりますが、ここでは代表的なコンテンツ例を紹介します。
商品名や特徴、利用方法、メリットなど消費者が知りたいと思う基本的な情報を網羅的に発信します。写真や動画、比較表を活用し視覚的にもわかりやすく伝えましょう。商品によっては、型番や注意事項・保証についてなども重要です。
また、基本情報は常に最新情報に更新しておくことで、消費者とのトラブル防止や信頼関係構築につながります。
購入を意思決定するうえで価格は重要な情報です。 商品の型番やオプションがいくつかある場合は、比較表などを用いて分かりやすくまとめるようにしましょう。
オプションなどで購入価格が一定にならない商品や問い合わせの導線につなげたい場合は、見積もりフォームを設置する方法もあります。
問い合わせや資料請求フォームは、ユーザーとの接点の入り口となるので分かりやすくスムーズにアクションできるように設置することが大切です。 資料請求方法としては、直接PDFなどをダウンロードする方法とメールや郵送で送付する方法があります。
また、フォームは利用者の手間を省いて手軽に活用できるように、必要最小限の項目にすることも大切です。 そのうえで、個人情報を扱うのでセキュリティ対策をしっかり行うようにしましょう。
具体的な導入事例や実際のお客様の声は、商品やサービスの使用方法や効果・満足度を示す情報として重要です。 とくに見込客は、導入事例やお客様の声で商品の良さや信頼性を判断するので、購入意思決定の促進につながります。
競合との価格やメリットの比較情報を提供することで、顧客は判断材料が増え自分に最適な商品を選びやすくなります。 比較基準が明確になれば、自社の商品の魅力をよりアピールすることが可能です。 そのうえで、自社の商品がユーザーのニーズにマッチしていることを伝えましょう。
ただし、競合と比較する際に他社を貶めるような記載や自社の誇張はNGです。 事実に基づいて公平な情報で比較することで、ユーザーの信頼も得やすくなります。
よくある質問として一般的な疑問や問題点の回答を提供することで、ユーザーは疑問や不安を迅速に解消でき安心して購入しやすくなります。ユーザーの疑問が解消できれば、問い合わせ対応の負担軽減にもつながります。
オウンドメディアとは、自社で運営するメディアのことです。 ブログや公式サイト、採用サイト、公式SNSなどが該当します。
サービスサイト内にブログなどを設けることで、サイト流入増加が期待できると同時に商品やサービスの理解を深めてもらうことが可能です。 ただし、オウンドメディアの運営は、継続的な更新が必要となり負担も増加します。 継続的な更新ができるか、リソースが確保できるかを考慮したうえで、導入を検討しましょう。
自社を知らず商品名で流入したユーザーは、提供会社の情報が不明確だと購入に不安を抱きやすくなります。 最低限の企業情報を掲載するか、コーポレートサイトへのリンクを設けましょう。
利用に関するルールを提示することで、トラブル防止につながります。 とくに、オンラインで販売が完結する場合、トラブルが起きるリスクも高いので、利用規約を提示しておくことが大切です。
サービスサイトの制作時には、以下の点を意識しましょう。
・目的・ターゲットを明確にする
・見込客・リピーター両方を意識する
・ブランドやターゲットに合ったデザインにする
・SNSとの連携の仕組みを取り入れる
サービスサイトの方向性やデザイン・コンテンツは、サイト運営の目的やターゲットによって異なります。 まずは、目的と具体的なターゲットを明確にすることが大切です。 サイトの目的の代表例には、認知度向上や顧客獲得、信頼関係の強化などが挙げられます。 ターゲットは性別や年齢だけでなく、趣味やライフスタイル、家族構成などより具体的にイメージすることで、サイトの方向性を明確にしやすくなります。
また、サービスサイトは見込客とリピーター、両方にとって分かりやすい構成であることも大切です。 見込客に対しては、基本情報など興味関心を引く情報、リピーターには新情報や使い方のポイントといった継続的な情報発信など両方のニーズを満たすコンテンツを意識しましょう。
近年は、SNSで情報収集するユーザーも増えています。 SNSからの流入も取り入れられるように、自社SNSとのリンクやSNSでシェアされやすいコンテンツの提供などを意識することでリーチを広げやすくなるでしょう。
ここでは、サービスサイトの実例をいくつか紹介します。
測定器や制御機器・FA用センサなど幅広いファクトリー・オートメーションを提供する株式会社キーエンス。 キーエンスのサービスサイトは幅広い商品が一覧で掲載され、目的のページが簡単に検索できるのが特徴です。 商品一覧だけでなくページ上部に設けられている検索窓により、サイトを回遊しなくても商品を検索することもできます。 シンプルで分かりやすいデザインでありながら、お役立ち情報や事例・サポートなどユーザーが求める情報を豊富に提供しているユーザー視点に優れたサイトです。
ビジネスツールを提供する株式会社kubell (旧Chatwork株式会社)のサービスサイトでは、チャットツールであるChatworkの紹介を行っています。 料金や機能だけでなく、活用方法や事例などChatworkの使い方がイメージしやすい構成です。 さらに、よくある質問や導入事例もトップページに掲載しており、トップページだけで必要な情報が網羅できるのが特徴です。 また、ロゴマークのカラーである赤をアクセントに取り入れたデザインで無料登録や資料ダウンロードのCTAが強調されており、導線も分かりやすい配置になっています。
参考:https://go.chatwork.com/ja/
まなびぽけっととは、NTTコミュニケーションズが提供する学校教育のデジタル化を支援するプラットホームです。 多様な学習コンテンツを提供する他、連絡帳機能や学習データ利用などが搭載され、学校や教育委員会でも導入されています。 まなびぽけっとのサービスサイトは、サービスの周知に重点を置いている点が特徴です。 特徴や導入事例、活用シーンなど商品の詳細やメリットとなる情報が豊富に提供されているだけでなく、自動チャットによる問い合わせ機能などユーザーがサービスを理解しやすいように設計されています。
参考:https://manabipocket.ed-cl.com/
サービスサイトを作成することで、ターゲットや目的に合わせた情報を提供しやすくなり、集客や販促に大きなメリットがあります。 ただし、運営にはリソースとノウハウが必要です。 自社に最適な形で運用できるかを検討し、必要に応じてプロの支援を受けることも選択肢のひとつとして考えてみましょう。
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