鈴木:コロナ禍で、営業活動もオンラインが主流になってきていますが、貴社内ではどのような変化がありましたでしょうか?
鈴木:一方、自社サイトで収益を上げようと考えると、訪問者を増やすために顧客ターゲット層に情報を届ける高精度なターゲティングが欠かせませんが、最近ではそのための個人情報を活用しにくくなってきていることも印象的です。
喜多氏:個人情報保護の観点から、今後はサードパーティデータ(間接的に得られた顧客データ)の利用が大きく制限されていきます。既にFacebookの個人情報などは利用範囲が狭くなっています。
岡田氏:そもそもECサイトなどで会員登録の際、一から全てのデータを入力するのは非常に面倒でした。そこで登場したのがソーシャルログインです。普段から利用しているLINE、Yahoo! JAPAN、Google、Facebook、Twitterなどのアカウントを使って、WEBサイトやサービスにログインできる機能です。
会員登録までの距離を最短にし、利用目的を明示して許可をいただくことが可能になります。会員登録をしていただくとサイト内の行動など個人情報よりも活用しやすいデータがIDに紐づく形で取得できます。
鈴木:さまざまなプラットフォームのアカウントを活用してのソーシャルログインがありますが、利用されているプラットフォームとしては、どれが多いでしょうか?
岡田氏:弊社の調査ではLINEが1位で、2位がYahoo! Japanです。若者を中心に全年代でLINEの利用者が多いことから、特にLINEログインが多くなっています。導入企業にもメリットが大きいので弊社でも強くお勧めしています。
※フィードフォース調べ
出典先:https://socialplus.jp/report/2020
鈴木:LINE以外の特長はどうでしょうか?
岡田氏:Yahoo! Japanはパソコン世代の利用が多く、スマホ世代よりも年齢層が高い傾向がありますが、Yahoo!ショッピングやヤフオク!があって正確な住所などの情報が得られるという特長があります。Facebookも少し年齢層が高い傾向があります。GoogleはGmailとAndroidユーザーが多い点がメリットです。
鈴木:利用割合が最も多いのが、LINEとのことですが、企業にとってLINEログインのメリットはどのような点でしょうか?
岡田氏:これまでは、ソーシャルログインは利便性向上のイメージが強く会員登録数の向上にはわかりやすく貢献できていましたが、売上に対しては購入や予約などのコンバージョンにより近い広告やメルマガの貢献となりがちでした。
ところがLINEログインを使って会員登録したユーザーに対しては、企業はLINEでメッセージを送ることができます。ちょうどスマホシフトが進み、メルマガが見てもらえない状況の中で、みんなが使っているLINEでメッセージが送れ、しかもすぐ見てもらえる特長があります。
喜多氏:LINEはUXが優れているため、メッセージを受け取ってからECサイトでの購入に面倒な手続きがいらず、すぐ「買おう」となりやすいのです。実際、LINE経由での売上が増えている事例がたくさん出てきていて、LINEログインのニーズはさらに広がっています。
鈴木:ありがとうございます。
後編では、より具体的なLINEログインを活用して売上を伸ばす方法や、実際に売上をアップさせた企業の具体例、DtoCでのソーシャルログインの活用をご紹介します。
2002年株式会社日本システムディベロップメント(現株式会社NSD)でSE職を経験後、2005年大和証券株式会社に営業職として入社。 2006年フィードフォース創業当時から企画営業に従事し、2012年6月取締役に就任。2019年7月に東証マザーズに上場させ、現在は事業戦略や新規事業開発を行う。企業のマーケティング支援を行うグループ会社、株式会社アンノウンの取締役も務める。
ソーシャルログイン/ID連携ASPサービス「ソーシャルPLUS」のカスタマーサクセスチームの立ち上げで2015年フィードフォースに入社。その後「ソーシャルPLUS」プロダクトマネージャーを経て現在の役職に至る。LINE社とLINEログインにおけるパートナー契約を中心になって進め、ビジネスコネクトパートナーや大手代理店と連携して、企業のLINEによるOne to Oneコミュニケーション実現の設計に数多く携わる。
2012年TOPPANクロレ入社。商業印刷物全般、スペースメディア、キャンペーン、WEBマーケティングに従事した後、関連企業のデジタルマーケティング部署に出向。大手製菓メーカー、トイレタリーメーカーを担当。2019年4月よりTOPPANクロレのデジタルマーケティング営業部に所属。アカウントマネージャーとして、顧客の課題解決施策を企画・立案。また、プロジェクトマネージャーとして、社内外のメンバーを統率し数々のプロジェクトを推進中。
TOPPANクロレでは、WEBサイトやEC事業の構築・リニューアルも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。
「TOPPANクロレが描くDX時代のマーケティング透視図」のページでは、当社の「デジタルマーケティング支援サービス」の導入企業のご担当者様や、デジタルマーケティング界の識者の方々へのインタビューを通じて得られた「生の声」を掲載。ぜひお客様のマーケティング活動にお役立てください。