木下:日々多くのお客様の広告を運用されていて、現在のWEB広告への関心度合いは以前と比べてどう変わっていますか?
木下:ローカルフォリオのサービスにはどんな特長がありますか?
小林氏:特長は2つ、社名に集約されています。ひとつは“ローカル”。地域に根ざした企業を支援するという意味です。当社ではオンラインと並行してオフラインの効果測定や運用提案も行っています。チラシやDMごとに違う電話番号を掲載し、それぞれの広告での反響をリアルタイムで確認できるシステムをご提供しています。
木下:電話を計測している会社は少ないので画期的ですね。
小林氏:逆に、計測しなければ広告効果を把握できません。もうひとつの特長は“フォリオ”。金融の分散投資同様、デジタルマーケティングでポートフォリオ運用を実現しています。GoogleとYahoo!のリスティング広告、ディスプレイ広告、Facebook広告やInstagram広告といったさまざまなメディアの広告を組み合わせ、AIで半自動的に配分を最適化し続けます。システム任せではなく、常にオンライン広告の専門家がチェックしていますので安心です。
木下:それを少額の予算でも可能にしたことも画期的です。
小林氏:人の手で運用する場合、たとえば代理店などに月30万円の予算で4媒体を運用したいと依頼すれば、断られるか言われた配分通りに出稿するだけという場合が多いと思います。しかしAIを活用すれば、その予算で配分も毎日変える形でできます。
木下:BtoB企業の担当者に向けてWEB広告で成功するためのポイントを教えてください。
小林氏:それではポイントを5つご紹介します。
まず、一つの媒体だけに出稿せず、Google、Yahoo!、Facebook、Instagram、LINEなど、複数の媒体を効果的に使うことです。
自社運用している企業様は、手間がかかるのでGoogleだけに出稿しているケースが一般的です。ただ、我々のデータではBtoBでもYahoo!の効果が高いことがわかっています。企業でもニュースを見るためにYahoo!をポータルにしている方は多いですし、Windows10標準のMicrosoft Edgeのブラウザでデフォルト検索のBingを使えば、リスティング広告はYahoo!広告が表示されます。
また、BtoCではInstagramが欠かせないメディアになってきていますが、BtoBでも見た目重視の商材など、商品やサービスによってはInstagramは外せません。特に女性で年齢層若めであれば、驚くほど強いですね。
といったように、BtoBでも、さまざまなメディアを組み合わせ、運用結果を見て配分を変えていくことが欠かせません。
WEB広告はオフラインに比べて結果が早いとはいえ、改善のためのデータ蓄積や、トライアンドエラーを行う時間も必要です。
リターゲティング広告はある程度のアクセス数がないと出稿さえできません。そして商材の問題もあります。BtoBの場合は決裁までの社内調整などもあり、検討期間が長い傾向があります。数か月間特に反応がなかったのに、大手企業からの1件の問い合わせで「何千万円の商談につながりました」というケースもあります。ですので私は半年間の継続的な広告運用を推奨していますが、最低でも3ヶ月は我慢が必要だと考えています。
BtoB系ではコンテンツが古い企業が多い印象です。昔一度つくったきりで、最新情報が5年前、10年前の情報ということさえあります。それでは問い合わせに結びつきにくいものです。
せっかく広告を行うなら、受け先であるコンテンツをしっかりと充実させたウェブサイトを作っていくべきです。お客様を呼び込むキーワードや広告画像と、呼んだ後のランディングページの関連性も重要です。関係ないと見られるとすぐ離脱されてしまいます。それから、やたらと入力項目の多いコンタクトフォームも見直す必要があります。質問数によってコンタクト完遂率が変わってきます。
WEB広告を成功させるためのポイント5つのうち、残りの2つはインタビューの後編で紹介します。ぜひ続けてお読みください。
青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系銀行、アグリ・バイオベンチャー起業を経験後、一橋大学院国際企業戦略研究科でMBAを取得。外資系コンサルティング会社を経て、デル株式会社(現/デル・テクノロジーズ株式会社)でオンラインマーケティングマネージャー、執行役員、コンシューマ・スモールアンドミディアムビジネス営業本部統括本部長などを歴任し、広告主の立場でオンライン・オフライン両方の広告運用を統括する。 2014年、WEB広告の将来性を確信してリーチローカル・ジャパンサービシーズ合同会社の代表職務執行役社長に就任、2018年に同社が株式会社ローカルフォリオへと組織再編する際、代表取締役社長に就任。休日はゴルフや愛犬との散歩を楽しむという。
2007年~2013年に放送と通信のクロスメディア事業を展開するグループ会社にて、デジタルコンテンツの新規事業開発を担当。スマートフォン向けのアプリ企画やPRを目的としたラジオ番組のプロデュースを担当し、新たなビジネスモデルの開発に貢献。2014年~2019年は大手通販会社のECチャネルの責任者として運用体制の構築、システム導入、マーケティング施策の計画から実行までを担当し売上アップに貢献。現在はTOPPANクロレ株式会社にてデジタルマーケティング部門の立ち上げに従事。
TOPPANクロレでは、WEBサイトやEC事業の構築・リニューアルも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。
「TOPPANクロレが描くDX時代のマーケティング透視図」のページでは、当社の「デジタルマーケティング支援サービス」の導入企業のご担当者様や、デジタルマーケティング界の識者の方々へのインタビューを通じて得られた「生の声」を掲載。ぜひお客様のマーケティング活動にお役立てください。