アクセス解析とは、自社サイトを訪れたユーザーの属性や行動をデータで把握し、分析することです。
Webサイトの成果を高めるためには、日頃からアクセス解析を行うことが大切です。アクセス解析によってサイトの現状を正確に把握することで、的確な改善策を立てられるようになり、その結果として売上や問い合わせ数の増加が期待できるからです。
アクセス解析ツールは、こうした分析結果を数値やグラフで可視化するためのツールです。代表的なものとしては、幅広い機能を備え、多くの企業で利用されている「Googleアナリティクス(GA4)」などが挙げられます。
アクセス解析ではさまざまなデータが取得できますが、まずは次のポイントを意識して見るとよいでしょう。
ユーザー属性と流入経路(どこから誰が来たか)
サイト内行動と成果(何をしてどこで離脱したか)
サイトの健全性とエラーの有無
ユーザー情報は、大きく「属性」と「流入経路」に分けられます。
年令、性別、居住地、興味(どんなキーワードで流入したか)、アクセスした時間帯、利用しているデバイス(PC・スマホなど)といった基本的な情報です。
ユーザーが自社サイトにアクセスするまでの情報です。 どのリンクや広告、検索結果から流入したのかがわかります。
ユーザーがサイト内でどのように動いたかを示す情報です。
例えば、最初に見たページ(ランディングページ)、サイト内の回遊パターン(次によく見られているページ)、離脱したページ(どこでサイトを閉じたか)などが確認できます。
システムや運用面でのトラブルの有無を確認するための視点です。
たとえば、「404エラーで表示されないページがないか」「問合わせ数や流入数が急激に減っていないか」「特定のブラウザやデバイスで表示速度が極端に遅くなっていないか」などをチェックします。こうした問題があると、サイトは本来の力を発揮できません。
あらかじめ目標を決めずにデータだけ見ても、「結局どうすればよいのか」がわからなくなりがちです。改善策を考える前に、まずは改善目標を数値で設定しましょう。
ここで設定するのが、最終目標であるKGIと、その途中経過を示すKPIの2つです。
改善の「最終ゴール」となる指標です。ECサイトであれば「年間売上○○円」、サービスサイトなら「資料請求数〇〇件」などが該当します。
KGIを達成するための「中間目標」を表す指標で、KGIにどのくらい近づいているかを測るものです。 KGIを達成するには何をどの程度改善すべきかを逆算して設定します。
例えば、売上(KGI)を上げるには以下の要素を分解してKPIを設定します。
集客:ユニークユーザー数(UU)の増加
接客:コンバージョン率(CVR)の向上
単価:平均購入単価の向上
四半期など期間を区切ってKPIを置き、一つずつ達成しながら、最終的にKGIの達成を目指します。
アクセス解析を行う際には、まず次の基本的な指標を押さえておきましょう。これらは、サイトの現状把握や目標設定・効果検証のために重要な指標です。これらのデータを基本に、自社サイトの改善に必要な項目をチェックしていきましょう。
ページビュー(PV:Page View)は、そのページが読み込まれた回数です。ページの再読み込み、ブラウザバックなども、1回のページビューとしてカウントされます。
ユーザー数とは、サイトを訪問したユーザーの「人数」です。ただし、同じユーザーが何回訪問しても「1人」と数えます。訪問者がコンバージョンしたかどうかは関係ありません。
コンバージョン率(CV率:Conversion Rate)は、サイト訪問者のうち、どのくらいのユーザーがコンバージョンしたかという割合を示します。
ECサイトにおいては、「コンバージョン率=購入率(訪問ユーザーのうち、商品を購入したユーザーの割合)」となるケースが一般的です。
1ページを見ただけで帰った割合(直帰)や、そのページで終了した割合(離脱)です。
分析を始める前に、データの精度を保つための準備が必要です。
関係者のアクセス除外: 自社の社員がサイトを確認するアクセスが含まれると、データが正しく計測されません。IPアドレス制限などで除外設定を行いましょう。
プライバシーポリシーの更新: クッキー(Cookie)を使用してデータを収集する場合、プライバシーポリシーにその旨を明記する必要があります。
季節要因の考慮: セール時期や連休などは数値が大きく変動します。前月比だけでなく前年同月比を見るなど、長期的な視点が大切です。
アクセス解析で得られた結果をもとに、以下のステップでECサイトを改善していきます。
限られたリソースで成果を出すには、影響範囲の大きいページから手を付けるのがポイントです。
まずはアクセス解析の結果を見ながら、次のようなページから優先的に改善していきましょう。
アクセス数の多いページ(ボリュームゾーン)
コンバージョン率が極端に低い、または高いページ
以下は、ECサイトの改善でよく行われる代表的な改善施策です。実際に改善する際は、アクセス解析のデータをもとに、KPIが達成しやすそうな施策から順に取り組みます。
ページデザインや色使い、アイコンを見直す
トップページやカートへスムーズにたどり着けるように、サイト全体の構成や導線を整理する
商品の特徴が一目で伝わるように、写真や説明文を改善する
申込フォームを見直し、入力項目を必要最低限に抑える
問い合わせ先を分かりやすく表記する
口コミやFAQページを用意し、不安や疑問を解消しやすくする
スマートフォンでの表示・操作性を最適化する
内部リンクを充実させ、関連ページを回遊しやすくする
商品の魅力が最大限に伝わるよう、動画や口コミを追加する
SNSを活用して情報発信やファンとのコミュニケーションを行う
キーワードを見直し、SEO対策を強化する
Webサイト広告を活用する
なお、改善施策は一度にたくさん実行するのではなく1~2個に絞って行うことをおすすめします。
そうすることで、「どの施策が効果につながったのか」を正確に検証しやすくなります。
Googleアナリティクスは、Googleか提供するアクセス解析ツールです。無料プランでも多くの機能が利用でき、「ユーザー属性」「ユーザーの行動」「コンバージョン」など、サイト改善に必要なデータを幅広く取得できます。まず最初に導入しておきたい基本ツールといえるでしょう。
Google Search Consoleも、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。「ユーザーがサイトに訪問する前の行動」を分析できます。
検索画面での表示回数や平均掲載順位、どのキーワードで検索されているか、といったデータがわかります。検索エンジンからの集客(オーガニック検索)を重視している場合には欠かせないツールであり、SEO対策の基本ツールとして導入しておきましょう。
ヒートマップツールは、ページ上のどこがどのくらい見られているか、どこで離脱しているか、どの部分がよくクリックされているかを、サーモグラフのように色の濃淡で可視化してくれるツールです。
Googleアナリティクスで「改善すべきページ」を見つけた後、そのページ内のどこに課題があるのかを詳しく知るのに役立ちます。たとえば、「ページの中で離脱の激しいポイントはないか」「クリックしてほしいポイントを通り過ぎてないか」などを見て、ページ構成やボタン位置の見直しに活用できます。
さまざまな会社がツールを提供していますが、無料ツールではMicrosoft社の「Clarity」が有名です。
アクセス解析の結果を生かすためには、「課題の発見→原因の分析→改善施策の実行→効果検証」という流れで活用していくことが重要です。
このサイクルを繰り返し回していくことで、ECサイトのアクセス数を増やし、コンバージョン率を高めていくことができます。まずは基本ツールの導入と、KPIの設定から始めてみましょう。