Webサイトへのアクセス数はあるのに、コンバージョンが増えない……そんなときは入力フォームを見直してみましょう。購入手続きや資料請求をするための入力フォームが使いにくいという理由で、途中でやめてしまうユーザーは意外に多いのです。そこで必要になるのがEFO、入力フォームの改善です。この記事では、コンバージョン率の向上に直結する入力フォームの改善ポイントとEFOの実施に役立つツールについて解説します。
EFO(Entry Form Optimization)は直訳すると「入力フォーム最適化」で、入力フォームを改善することで、ユーザーの入力完了率を高める施策を示す用語として使用されています。
サイトの訪問者が多くても、入力フォームが記入しにくかったり、送信しようとしてエラーになったりすると、ユーザーが途中で離脱してしまい、成果を出すことができません。ユーザーが最後まで嫌にならずに、入力を終えられるようにフォームを工夫することが大切です。
EFOで改善すべきポイントはさまざまですが、主に次のような点に着目してフォームを見直しましょう。
入力項目が多いフォームは、ユーザーに「面倒くさい」という印象を与えます。また、購入や資料請求フォームでは、直接関係がないような情報を聞いてくるような質問があると、入力をためらうユーザーもいます。
入力するのは必要最低限の情報になるように、項目を整理しましょう。フリガナやEメールの確認欄、アンケートの設問なども極力減らします。入力文字の全角半角の指定もない方が入力しやすくなります。
入力項目が必須なのか任意なのかを明示すると、必要なこと以外は入力したくないユーザーの心理的なハードルを下げることができます。
入力をすべて終えて送信ボタンを押してから入力エラーを指摘されると、やり直すのが嫌になり、ユーザーが離脱するというケースもあります。
入力中の間違いがあったタイミングで、当該のセルの色を変えたり、エラー表示を出したりすることも効果的です。入力中のオンタイムの指摘であればすぐに修正ができ、ユーザーはさほどストレスを感じません。
多くの文字を入力させる項目は必要なものだけに絞ります。たとえば郵便番号の入力で、該当する市区町村までの住所が表示される自動入力機能を導入すると、ユーザーの負荷を減らすことができます。
手続きの全体像と、ユーザーが今どの段階まで来ているのかを示すと、注文完了までの手間と時間がイメージできるので、心理的な安定感があります。例えば、入力画面の上部に「カゴの内容確認」→「お客様情報入力」→「注文内容の確認」→「注文完了」といった、手続きのステップを表示し、ユーザーの手続きが完了していっていることを見える化するといった方法もあります。
入力の見本となる画像を掲載したり、個々の記入欄に薄い色の文字で入力例を表示したりすれば、ユーザーは、何をどんなふうに入力すればよいかが分かり、迷わずに進めることができます。
個人情報の取り扱いやセキュリティ対策に関する情報は重要です。入力フォーム内に明示しておくことで、個人情報を入力することへの不安を低減できます。
入力フォームを改善しても、サイトを訪れた人が入力フォームまでスムーズにたどり着けなければ効果はありません。ランディングページから入力フォームまでの流れが分かりにくくないか、不要なステップがないか、動線を確認して不具合があれば修正します。
「EFOツール」を活用すると、マンパワーだけでは難しい高度な施策を効率的に実行できます。EFOツールは多くの企業からリリースされており、内容もさまざまです。ここでは一般的なEFOツールの主要なサービス内容(機能)を紹介します。
EFOツールのメインとなるサービスは、入力作業をするときのストレスを軽減する、次のような入力支援機能です。
EFOツールの多くがレポート機能を備えています。
レポート機能では、フォームの閲覧者数や質問項目別の離脱率を調べることができます。離脱した人が多い項目を把握し、質問の書き方やデザインの改善に活用します。
また、A/Bテスト機能を備えたEFOツールでは、一部を切り替えた複数のフォームをテストとして公開し、より効果的な手法を探ることができます。レポート機能と組み合わせて検証を重ねることにより、コンバージョンを最大化する入力フォームに近づけていくことができます。
EFOツールの提供会社の多くは、ツールの正しい運用のためにサポートを行っているので、専門的なアドバイスが受けられます。サポート内容は提供会社によって異なりますので、それぞれのサポート内容を確認し、自社の運用体制に合ったツールを選びましょう。
EFOツールを使って入力フォームを改善するメリットを挙げてみます。
EFOには、専門的な知識や技術が必要なシステム改修を伴うケースがあります。EFOツールを使えば、担当者に専門的な知識がなくても、自社のサイトに合ったカスタマイズを実現できます。
EFOは一度実施したら終わりではなく、効果検証と改善を定期的に行う必要があります。EFOツールのレポート機能やA/Bテスト機能を使うと、項目ごとの離脱率や入力完了率の推移を簡単に把握できるため、効果検証が容易になります。
EFOツールを導入することにより、運用アドバイスや技術面のサポート、EFOに関するコンサルティングといった、ツール提供会社からの専門的なサポートが受けられる点もメリットと言えるでしょう。
EFOツールの導入にはデメリットもあります。
導入には、初期費用や月額費用がかかります。料金体系は、初期費用だけ、月額費用だけ、月額料金がUU数やPV数によって決まるのものなど、提供会社やサービスによってさまざまです。無料体験ができるサービスを提供している会社もありますので、欲しい機能と料金体系を見比べて、自社に合ったサービスを選びましょう。
EFOツールを導入することで、入力フォームのデザインや、フォームまでの動線が大きく変わることがあります。これまでの入力フォームを使い慣れていたリピートユーザーが違和感を持つかもしれません。
提供会社とよく相談して、変更の可能性があれば早めにユーザーにインフォメーションしましょう。
EFOは入力フォームを改善して、ユーザーのストレスを軽減し、最後まで入力をしてもらうための施策です。スムーズに入力ができるようにするだけで、コンバージョン率アップが期待できます。どうすれば効率的かつ的確に入力フォームを改善できるのか、EFOツールの活用も視野に入れながら、検討を始めましょう。
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