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パーソナライズとは? 意味やメリット、活用例、注意点まで徹底解説 | TOPPANクロレ

作成者: TOPPANクロレ株式会社|2021/04/12 9:00:00

1. パーソナライズとは?

 

パーソナライズ(Personalize)とは、個々のユーザーの属性(年齢・性別・居住地など)や行動履歴(閲覧履歴・購買履歴・検索キーワードなど)に合わせて、提供するコンテンツやサービスを最適化する手法のことです。従来のマーケティングでは、すべてのお客様に同じメッセージを届ける「一律の案内」が主流でした。しかし、パーソナライズ手法を用いることで、ユーザー一人ひとりのニーズに寄り添ったアプローチが可能となり、顧客満足度の向上や売上拡大につながります。

 

似た言葉との違い:「カスタマイズ」「レコメンド」とは?

 

パーソナライズと混同されやすい言葉に「カスタマイズ」や「レコメンド」があります。それぞれの決定的な違いを押さえておきましょう。

 

「カスタマイズ」との違い(主体の違い)

 

カスタマイズとパーソナライズの最も大きな違いは、「誰が設定・決定を行うか」という実施主体の違いにあります。

  • パーソナライズ:「企業(提供者)側」がユーザーのデータに基づき、最適と思われる情報を届ける。

  • カスタマイズ:「ユーザー(顧客)自身」が自分の好みや使いやすさに合わせて設定を変更する。

 

例えば、マイページの背景色を自分で変えるのが「カスタマイズ」、過去の閲覧履歴から自動で関心のありそうなニュースが表示されるのが「パーソナライズ」です。

 

「レコメンド」との違い(概念と手法の違い)

 

レコメンドとパーソナライズは同義語として扱われがちですが、マーケティングにおける「概念(全体像)」と「具体的な機能(手法)」という関係性にあります。

 

パーソナライズ:マーケティングの「全体的な考え方・戦略概念
レコメンド:パーソナライズを実現するための「機能・手法の一つ(おすすめ表示)」

 

「レコメンド(Recommend)」は「おすすめする」という意味であり、ECサイトの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という表示機能などを指します。つまり、レコメンドはパーソナライズという大きな枠組みの中に含まれる一つの施策です。

 

なぜ今パーソナライズが求められているのか?

 

パーソナライズが注目される背景には、「マスメディア型広告の効果低下」と「ユーザーニーズの多様化」があります。

かつてはテレビCMや新聞広告など、不特定多数に向けた大量露出(マスマーケティング)が効果的でした。しかし、スマートフォンやSNSの普及に伴い、ユーザーは自ら欲しい情報を取捨選択する時代になりました。

情報が溢れる現代において、興味のない一律の情報は無視されやすく、「自分に向けられた特別な情報(自分ごとと捉えられる情報)」でなければユーザーの心を動かすことが難しくなっています。

 

BtoB・BtoCにおけるパーソナライズの違い

 

ターゲットとする顧客がBtoB(対企業)なのか、BtoC(対個人)なのかによって、パーソナライズの手法も変わってきます。それぞれのパーソナライズの違いを解説します。

 

BtoBのパーソナライズ

 

BtoB(対企業)取引は、検討期間が長く、社内での決裁プロセスが存在するのが特徴です。

そのため、顧客企業の業界や抱えている課題、検討フェーズ(情報収集段階、比較検討段階など)に合わせてホワイトペーパーや事例記事を案内し、時間をかけて信頼関係を構築する「顧客育成(リードナーチャリング)」が中心となります。

 

BtoCのパーソナライズ

 

BtoC(対個人)取引は、直感的かつ短期的に購買に至ることが多いため、即時性が求められます。

過去の購買履歴や現在地、行動データをもとに、「今すぐ役立つおすすめ商品」や「タイムセールの案内」などを適切なタイミングで届けるアプローチが効果的です。

 

パーソナライズを導入する4つのメリット

 

パーソナライズに取り組むことで、企業はどのような成果を得られるのでしょうか。主なメリットを4つの項目に分けて解説します。

 

メリット1:顧客体験(CX)が向上し、エンゲージメントが高まる

 

ユーザーが「自分に必要な情報を探す手間」を省けるため、ストレスのない快適なWeb体験を提供できます。自分に合わせた情報がタイムリーに届くことで企業への信頼感が増し、エンゲージメント(親密さや愛着)が高まります。

 

メリット2:コンバージョン率(CVR)の改善と売上拡大

 

ユーザーの関心が高いタイミングで魅力的かつ最適な商品を提案できるため、クリック率や購買率(CVR)が大幅に向上します。結果としてECサイトなどの売上拡大に直結します。

 

メリット3:顧客生涯価値(LTV)の最大化

 

パーソナライズによって「自分のことを理解してくれている企業」と認識されると、リピート購入や長期的な利用につながります。一回限りの取引で終わらず、1人の顧客が生涯を通じてもたらす利益(LTV=Life Time Value)を最大化することができます。

 

メリット4:不要なアプローチの削減によるマーケティングの効率化

 

関心のないユーザーに対して無駄な広告やメール配信を行うコストを削減できます。ターゲットを絞り込んで最適な訴求を行うことで、マーケティング費用や運用の無駄を最小限に抑えられます。

 

Webマーケティングにおけるパーソナライズの活用例

 

 パーソナライズは、Webサイトやメール、動画など、さまざまなデジタルマーケティングの手法に取り入れられています。代表的な6つの活用例を見ていきましょう。 

 

レコメンド機能

 

パーソナライズの代表例とも言えるレコメンド機能は、ユーザーの閲覧履歴や購買データをもとに、関心を持ちそうな関連商品を自動で表示する機能です。ECサイトや動画配信サービスなどでよく使われ、「探す手間を省いて新しいお気に入りに出会える」という快適な買い物体験を提供します。

 

パーソナライズドメール(メルマガ)

 

顧客の年代・性別・過去の購入商品に合わせて、送るメールの本文や紹介コンテンツを分ける手法です。自分に関係のない情報が届かなくなるため読者に喜ばれやすく、メルマガの開封率アップや配信解除の防止につながります。

 

ステップメール

 

「購入直後のお礼」「1週間後の使用感フォロー」「使い切る頃の再購入案内」など、顧客の状況や時期に合わせて段階的にメールを配信します。顧客の検討・利用プロセスに寄り添うことで、不安を解消しファン化を促します。

 

カゴ落ちメール

 

ECサイトで商品をカートに入れたまま購入せずに離脱することを「カゴ落ち」と言います。このようなユーザーに対し、「買い忘れはありませんか?」と自動でリマインドを送るのがカゴ落ちメールです。顧客の実際の行動に基づいているため開封率が高く、離脱した売上を効率よく回収できる強力な施策です。

 

パーソナライズド検索

 

Googleなどの検索エンジンにおいて、ユーザーの現在地や過去の検索履歴に合わせて検索結果を個別に最適化する仕組みです。例えば「ランチ」と検索した際に自分の周辺の飲食店が優先して表示されるため、今すぐ欲しい情報へ素早くアクセスできます。

 

パーソナライズド動画

 

顧客の名前や保有ポイント数、関心のある商品を動画内に組み込み、一人ひとりに合わせて自動生成・配信する動画手法です。例えば、住宅の購入を検討しているユーザーの情報を使って、希望に合った間取りや地域の物件情報を集めた動画を生成します。そして「〇〇様へのご案内」というように名前を入れて配信するのです。動画は、文字や画像に比べて情報量が多く、高い訴求力があります。「自分宛ての特別なメッセージ」として受け取られやすいため印象に残りやすく、高い視聴完了率や成約率を誇ります。

 

パーソナライズドマーケティングの成功例

 

実際にパーソナライズを活用して成功している企業の事例を紹介します。

 

Spotify(AIとデータを用いたパーソナライズ)

 

音楽配信サービスのSpotifyは、単なるおすすめ曲の表示にとどまらず、AI技術を活用したパーソナライズで世界中のユーザーを魅了しています。個人の再生履歴や時間帯・気分に合わせた楽曲をAIが DJのように選曲する「AI DJ」や生成AIプレイリストを展開。

さらに、毎年12月に提供される年間まとめ企画「Spotify Wrapped」は、ユーザーの一年間の聴取データを色鮮やかなストーリー動画としてビジュアル化し、SNSで自然とシェアしたくなる仕掛けになっています。データをエンターテインメントに変換することで、世界規模での新規獲得と顧客ロイヤルティ向上を両立させています。

 

NIKE(アプリ統合とAR技術によるパーソナライズ体験)

 

スポーツブランドのNIKEは、公式アプリ「Nike App」を中心に、スニーカー専用アプリ「SNKRS」やトレーニングアプリ(NRC / NTC)を連携させたデジタルエコシステムを展開しています。

アプリ内でスマートフォンのカメラを使い、足の正確な立体サイズをARで計測して最適な靴サイズを提案する「Nike Fit」機能を導入。さらに、日頃のランニングやトレーニングのデータと連動し、ユーザーの運動習慣や好みに合ったウエア・限定シューズの先行購入権を届けるなど、デジタルとリアルな購買体験を融合させたパーソナライズを推進しています。

 

パーソナライズを行う際の4つの注意点

 

パーソナライズは非常に効果的な手法ですが、やり方を間違えると逆効果になるリスクもあります。導入・運用時には以下の4点に注意しましょう。

 

注意点1:プライバシー保護と個人情報管理の徹底

 

パーソナライズにはユーザーデータの収集が不可欠です。しかし、事前の同意を得ずにデータを集めたり不適切な管理をしたりすると、一気に企業の信頼を失ってしまいます。

Cookie規制やプライバシー関連の法律を遵守し、どのような目的でデータを使うのかを明確に伝えることが重要です。

 

注意点2:「追跡されている」不快感の防止

 

ユーザーが意識していない個人情報や検索履歴をあからさまに使いすぎると、「監視されているようで気持ち悪い」と不快感を与えてしまうリスクがあります。ユーザーにとって「ちょうど欲しかった」「気が利く」と感じられる適切な距離感を保ちましょう。

 

注意点3:フィルターバブル(情報の偏り)への配慮

 

パーソナライズが行き過ぎると、ユーザーの好みの情報ばかりが表示され、新しい出会いや視野が狭まる「フィルターバブル」という状態に陥ります。時にはあえてパーソナライズしない一般的な人気コンテンツや新しい提案を混ぜる工夫も必要です。

 

注意点4:データ基盤の構築コストと運用の手間

 

高度なパーソナライズを行うには、データ分析ツールやマーケティングツールの導入・運用コストがかかります。また、十分な顧客データが集まるまでは思うような効果が出ないこともあるため、最初から完璧を目指さず、手軽な施策から段階的に進めるのがおすすめです。

 

一人ひとりに合わせたパーソナライズで「選ばれる企業」を目指そう

 

パーソナライズは、単なるWebサイトの機能にとどまらず、顧客との関係性を深めて選ばれ続ける企業になるための強力なマーケティング戦略です。一律の情報発信からユーザー一人ひとりに応じた体験の提供へとシフトすることで、顧客満足度を高め、長期的なLTV最大化を実現できます。

まずは「メルマガのセグメント分け」や「基本機能としてのレコメンド導入」など、自社ができる小さなアプローチからスタートし、ユーザーにとって価値のあるパーソナライズ体験を提供していきましょう。