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インターネット広告の種類と選び方のポイントを解説|TOPPANクロレ

作成者: クロレDIGITAL|2021/07/12 2:33:42

スマートフォンやタブレットといったインターネットデバイスの多様化に伴い、新しいWebサービスや広告手法が次々と登場し、インターネット広告の市場も拡大を続けています。このように市場を広げながら細分化していくインターネット広告のなかから、自社に合った広告を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?ここでは、インターネット広告について、その種類や広告を選ぶときのポイントを解説します。

目次

インターネット広告とは

インターネット広告とは、インターネットのWebサイトやスマートフォンのアプリなどに掲載される広告を指します。新聞やテレビCMなどのマス広告に比べて低コストでターゲットを絞った配信ができること、また効果測定がしやすいことから、幅広く利用されるようになりました。

インターネット広告の市場規模

株式会社電通が2023年2月に発表した「2022年 日本の広告費」によれば、インターネット広告費は、3兆912億円(前年比114.3%)となり、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加しました。特にコネクテッドTVの利用拡大を受け「テレビメディア関連動画広告費」は前年に続き350億円(同140.6%)と大きく増加し、「インターネット広告制作費」は、動画広告市場の拡大や運用型広告における広告制作数の増加などにより、4,203億円(同109.2%)と増加しました。また、「物販系ECプラットフォーム広告費」も引き続きの在宅需要の高まりに伴い、1,908億円(同117.0%)と増加しました。

「2022年 日本の広告費」|株式会社電通

インターネット広告のメリット

インターネット広告には以下のようなメリットがあります。

  • 少額の予算で始められる
  • ターゲットを絞りやすい
  • 効果測定がしやすい
  • 運用しながら変更や改善ができる

少額の予算で始められる

インターネット広告の料金体系には、広告が表示された回数によって課金される「インプレッション課金(CPM)」や、ユーザーが広告をクリックしたときだけ課金される「クリック課金(CPC)」など数種類があります。1クリックされたときの単価や広告費の上限を設定することもできるため、比較的少ない予算で始められます。

ターゲットを絞りやすい

インターネット広告は、ターゲットを絞った配信が可能です。検索連動型広告は、特定のキーワードでWeb検索をしたユーザーの検索結果ページに広告を表示させることができます。ユーザーの居住地、年齢、性別などの属性情報や、どのようなWebサイトを閲覧したかという行動履歴をもとに、商品やサービスに興味を持ちそうなユーザーにだけ広告を配信する手法も効果的です。

効果測定がしやすい

インターネット広告はマス広告と比べて効果測定が容易です。広告の閲覧数やクリック数、広告経由の問い合わせ数や商品購入金額といったデータを、すぐ次の施策に反映させることができます。広告の費用対効果をリアルタイムで把握し、より効率的な運用へブラッシュアップしていくことも可能です。

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Web広告の費用対効果については下記のコラムで詳しく解説しています。
費用対効果とは?意味と計算方法、Web広告の向上施策を4つ解説

運用しながら変更や改善ができる

広告配信を始めてから変更や改善ができる点もインターネット広告の強みです。インターネット広告では、ABテストを繰り返して最も効果のある広告内容に絞ったり、広告効果を確認しながらターゲットや配信のタイミングを調整したりすることができます。継続的に運用の改善に取り組むことで、成果を創出し、ノウハウを蓄積していきます。

インターネット広告の種類

インターネット広告にはさまざまな種類があります。それぞれの特性を知り、目的に合った広告を選ぶことが大切です。

ディスプレイ広告

ニュースサイトや情報サイト、スマートフォンのアプリなどに置いた広告枠に表示される広告です。バナーで表示されることが多いことからバナー広告とも呼ばれます。視覚的にインパクトを与えられるので、認知拡大を目的として利用されることが多いフォーマットです。

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ディスプレイ広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
ディスプレイ広告とは?リスティング広告との目的や効果の違い

ディスプレイ広告には次のようなタイプがあります。

純広告

特定の媒体の広告枠に固定、あるいはローテーションで表示されるディスプレイ広告純広告です。有名なWebサイトに広告を出すと、たくさんの人に見てもらうことができ、認知拡大を広く狙うことができます。純広告は、広告枠を持つメディアに広告料金を支払うことで配信されます。その契約形態には、一定のクリック数を超えるまで広告を表示する「クリック保証型」、広告の表示回数により料金が決まる「インプレッション保証型」、掲載期間が決まっている「期間保証型」といったものがあります。

メリット 幅広い層に認知拡大ができる
デメリット 掲載する媒体の読者と広告のターゲットが合わないと効果が薄い

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純広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
純広告とは?種類とメリット・デメリット、活用法を解説

アドネットワーク

アドネットワークは、サービス提供会社が複数のWebサイトや個人ブログと広告媒体契約をして作った媒体のネットワークです。広告主はアドネットワークに参加しているWebサイトや個人ブログの広告枠にディスプレイ広告を配信します。商品や訴求のテーマに合わせて、ユーザーの属性やWebサイトのジャンル(ニュース系、女性系など)を指定して、広告を表示させるWebサイトやブログを絞ります。

メリット 複数の広告枠がパッケージされていることで、個別に購入するよりもコストを抑えることが可能。提携しているWebサイトやブログに一括配信ができるので手間が省け、管理しやすい
デメリット 個別の出稿媒体を選べないため、広告の内容と関連のない媒体に配信されてしまうことがある

DSP(Demand-Side Platform)

DSPWebサイトや個人ブログに広告を配信するプラットフォームですが、複数のアドネットワーク業者とも契約し、アドネットワークにも広告を配信します。

広告主は、広告クリエイティブや広告を見てほしいユーザー層(属性や行動履歴)、その広告に支払える金額(入札価格)をあらかじめDSPに登録しておきます。対象となるユーザーがWebサイトを訪問して広告枠が表示された瞬間に、自動で入札が行われ(リアルタイムビッティング)、最も単価の高い広告が配信される仕組みです。

アドネットワークが掲載するサイトやコンテンツのパッケージに広告を配信するのに対し、DSPはターゲットとなるユーザーに配信するという違いがあります。広告主にとっては狙った層に広告を効率よく配信でき、Webサイト側には広告在庫や販売価格の管理を最適化できるという、一挙両得を狙ったサービスです。

メリット ターゲットを絞ることができるので「興味関心を持っている人」に向けて広告を配信できる
デメリット 広告費以外にも利用料や手数料など運用コストがかかる

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アドネットワークやDSPの仕組みについては下記のコラムで詳しく解説しています。
アドネットワークとは?仕組みや特徴、DSPとの違いを解説

リスティング広告(検索連動型広告)

GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、検索結果に連動して表示される広告のことです。自社の商品やサービスに関連するキーワードをあらかじめ広告に結びつけておくことで、そのキーワードで検索したユーザーの検索結果にテキストの広告が表示されます。特定の商品ジャンルやサービスの情報を検索しているユーザーに対して広告を表示できるため、購入や問い合わせの誘導に向いています。

メリット 関連ジャンルの情報を探しているユーザーに広告が表示されるため、効果が出やすい
デメリット キーワードの単価がオークションによって決まるため、人気キーワードは競争率が高く、広告費が高額になることがある

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リスティング広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
【初心者向け】リスティング広告とは?特徴や費用、運用のコツを解説

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、一度Webサイトを訪問した人に向けて、提携Webサイトの広告枠に広告を配信する仕組みです。例えば、求人情報サイトを見に行った人が別のサイトを見たとき、その広告枠に求人情報が表示されるといった仕組みです。興味関心を把握しているユーザーに対してピンポイントにアプローチすることができるため、成果を出しやすい広告手法といわれています。

最近では、Webサイトへの訪問だけでなく、ECサイトで特定の商品を閲覧した、商品をカゴに入れたというようなWeb上の行動に対するリターゲティングも可能になっています。リターゲティング広告は、ディスプレイ広告やリスティング広告など、ほかの広告手法と組み合わせて使われることが一般的です。

メリット ユーザーが一度関心を示した商品やサービスの広告が表示されるためコンバージョン率が高い
デメリット 再アプローチのための広告なので接点のない顧客にはアプローチできない

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リターゲティング広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
リターゲティング広告とは?基本の仕組みやメリット、活用法も解説

ネイティブ広告

ネイティブ広告とは媒体に自然に溶け込むように作られている広告です。ニュースメディアなら記事の形式、SNSなら投稿の形式で広告が配信されます。ネイティブ広告には「PR」「広告」という表示をつけて通常の記事と区別します。広告を見せられているという感覚が少ないために読んでもらいやすく、コンテンツとして優れていればSNSで拡散される可能性もあります。

メリット コンテンツに興味を持ったユーザーが抵抗なくクリックすることから、クリック率が上がりやすい
デメリット インターネット広告のなかでは広告単価が高い

インフィード広告

ネイティブ広告のなかでも有名なものが、WebサイトやSNSのコンテンツとコンテンツの間に表示されるインフィード広告です。例えば、InstagramやTwitterを見ているときに、投稿と投稿の間に表示される広告がインフィード広告です。インフィード広告の全てがネイティブ広告というわけではありませんが、その多くはネイティブ広告の形式で配信されています。ユーザーが目で追っているWebサイトの記事やSNSのタイムラインに表示されることから、視界に入りやすくクリックされやすい広告です。

メリット SNSやWebサイトのほかの投稿と似たトーンのデザインで、同列に配信されるためクリックされやすい
デメリット ユーザーがコンテンツの一部だと思ってクリックすることが多いため、ランディングページの広告要素が強すぎると違和感を持たれて、すぐ離脱されてしまう

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告成功報酬型広告とも呼ばれ、Webサイトやブログ、メルマガにリンクを張ってもらい、広告主が設定した成果条件をクリアした場合に報酬を支払う広告形態です。アフィリエイト広告を始めるには、アフィリエイターになりたい人と企業の仲介役をするアフィリエイト・サービス・プロバイダ(ASP)というサービスを使うことが一般的です。

メリット 第三者であるアフィリエイターが紹介することで情報への信頼性が上がる。コンバージョンに対して報酬が発生するため費用対効果が高い
デメリット 不正や誇大広告がないよう管理する必要がある

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アフィリエイト広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
アフィリエイト広告とは?基本的な仕組みとメリットを解説

SNS広告

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS上に配信される広告です。SNS上で配信される広告は、ディスプレイ広告、ネイティブ広告、インフィード広告、アフィリエイト広告など、さまざまなタイプがあります。

メリット ユーザーの属性や行動履歴を広告配信に細かく反映できる。広告を配信する企業とユーザーの間で双方向のコミュニケーションが取りやすい
デメリット 拡散力の高いSNSでは、広告の受け取られ方によって、マイナスイメージが広がってしまうことがある。広告内容によって誰かを不愉快にさせる可能性がないか、より慎重なチェックが必要

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SNS広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
SNS広告とは?メリットと種類別の特徴や費用、成功事例を解説

動画広告

動画を使った広告です。動画は視覚的に分かりやすく情報量も多いため、広告としての利用が進んでいます。代表的なものはYouTubeのような動画プラットフォーム上で、動画を見ているときにコンテンツの前後や間に挟まれる広告ですが、WebサイトやSNSの広告枠に配信される動画広告もあります。特に最近はInstagramやTikTokを使った動画広告の可能性が注目されています。

メリット 情報量が多くエンターテインメント性が高いことから見てもらいやすい
デメリット 動画のクオリティーが広告の効果に大きく影響する

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動画広告については下記のコラムで詳しく解説しています。
動画広告とは?広告の種類を媒体別に解説
急成長する動画広告市場 出稿先の正しい選び方とは

インターネット広告を選ぶときのポイント

インターネット広告で効果を上げるには、ターゲットと広告の目的を明確にすることが重要です。この章では、ターゲットと目的を決めるときのポイント、目的に合わせた広告手法について解説します。

ポイント1 ターゲットを明らかにする

まず、広告をどういったユーザー層に配信するのかを明確にします。ここでのユーザー層は自社商品・サービスに対する関心度によって大きく3つに分けて考えます。

低関心層

自社の商品・サービスを知らないか、関心がない。また自身の課題も明確になっていない。

潜在層

課題を解決するための情報の検索はしているが、知識があまりなく、自社の商品・サービスによって自身の課題を解決できることに気づいていない。

顕在層

自社の商品・サービスに関する知識があり、商品・サービスを使って自分の課題が解決できることも分かっている。具体的な課題解決のために、商品のサービスや比較検討を始めている。

この3つのどのユーザー層にアプローチしたいのかによって、選ぶ広告が変わってきます。

ポイント2 目的を明らかにする

次に、1で分類したターゲットの自社商品に対する態度が、広告を見ることによってどう変化してほしいのか? という、「広告を出す目的」をはっきりさせます。ユーザーの関心度に基づいてインターネット広告の目的が変わり、さらに目的によって適したアプローチの方法(広告手法)が変わります。

低関心層に対する広告の目的とアプローチの方法

自社の商品やサービスについて知らない低関心層には、知ってもらうこと、つまり「認知の獲得」が広告の主な目的となります。またユーザーが自覚していない課題を顕在化させることも重要です。

幅広く認知を獲得するには、ターゲットを絞るよりも、たくさんのユーザーにリーチして印象を残すことを優先します。ディスプレイ広告、動画広告、インフィード広告など、画像や動画で視覚に訴えるインターネット広告が効果的です。

潜在層に対する広告の目的とアプローチの方法

ある程度のニーズがはっきりしている潜在層には、自社の商品・サービスを知ってもらい、課題を解決するためのヒントとなる情報を提供して、「認知を深めて利用を促す」ことを目指します。

潜在層には、低関心層と同じ視覚に訴えるインターネット広告のほか、課題解決のヒントを提供するネイティブ広告、アフィリエイト広告などが向いています。性別や年齢などの属性、地域情報などでユーザーをセグメントすることも有効です。また自社の商品やサービスに気づいていない人が検索で使うキーワードを特定できれば、リスティング広告も効果が出ます。

顕在層に対する広告の目的とアプローチの方法

すでに競合商品と比較・検討をしている顕在層に対しては、自社の商品・サービスを「選んでもらう」ことが広告の目的となります。

顕在層のユーザーには、検索ワードに合わせたリスティング広告が効果的です。また、リターゲティング広告を活用すれば、一度Webサイトを訪問したものの迷っている人にアプローチできます。該当商品の期間限定イベントやキャンペーンの告知を、ターゲットを絞ったSNS広告で行ったり、ネイティブ広告やアフィリエイト広告によって、商品の優れた点を第三者の視点でアピールしたりといったことも考えられます。

インターネット広告の種類を理解し、目的に合った手法を選択しよう

2桁成長が続くインターネット広告の市場。2019年の年間広告費はついにテレビを抜き、2兆円を突破しました。インターネット広告のテクノロジーも進化を続け、さまざまな広告手法が誕生しています。これらのなかから効果的な広告手法を選ぶには、ターゲットとするユーザーの自社商品に対する関心度を想定すること。そして広告を見たユーザーにどうしてほしいのかという目的を明らかにすることが重要です。インターネット広告の種類ごとの特徴や長所・短所を十分に理解し、効果的な広告手法を選択して、成果を出しましょう。

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