ブランディングデザインとは、企業や商品・サービスのブランドコンセプトを視覚表現によって伝えるためのデザイン活動を指します。 ブランド構築に関わるあらゆるデザイン表現を包括するもので、あらかじめ基本となる要素やルールを定めたうえで、商品や広告物などさまざまなツールのデザインへと展開していきます。
テーマカラー
企業やブランドのロゴ
シンボルマーク
指定フォント
商品パッケージ
広告、パンフレット
Webサイトデザイン
看板
店舗の内装、外装 など
商品パッケージ
広告、パンフレット
Webサイトデザイン
看板
店舗の内装、外装 など
ブランドは、自社の商品やサービスが「他社とは違う特別なもの」として、消費者や顧客に認識されることによって成立します。
そしてブランディングとは、その独自の在り方や価値を一貫して発信し、広く共通認識として育てていくための取り組み全般を指します。
そのなかで、ロゴやカラー、パッケージ、Webサイトなど、デザイン表現を通じてブランドを形にしていく活動が、ブランディングデザインにあたります。
企業ロゴやコーポレートカラーに関連して、CI(コーポレートアイディンティティ)やVI(ビジュアルアイデンティティ)といった用語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
CI(コーポレートアイディンティティ)とは、企業理念や特性、文化など、自社ならではの個性を一貫したメッセージとして内外に発信していく取り組みを指します。
ロゴやカラーといった視覚的な要素だけでなく、スローガンやコピーなどの言語情報も含めた、企業像のトータルな表現です。
CIとブランディングはよく似ているようですが、CIが「自分たちはどうありたいか」というメッセージの発信であるのに対し、ブランディングは「消費者や顧客がイメージする自社の価値を高める」ための活動であるという点が異なります。
一方、VI(ビジュアルアイデンティティ)は、企業の価値やコンセプトを視覚的に表現するための、統一されたデザイン要素(シンボルマークやロゴ、カラー、指定フォントなど)の総称です。ブランディングデザインを考える際にも、基盤となる考え方としてよく使われる用語です。
では、ブランディングデザインはブランド構築において、具体的にどのような役割を担うのでしょうか。
人間の五感のなかでも、視覚は最も多くの情報量を受け取ると言われています。そのため、ビジュアルはテキストに比べて、はるかに多くの情報を一瞬で伝えることができます。
ブランドが大切にしている価値観や世界観といった奥行きのある情報も、限られたスペースと時間の中で、効果的に届けることができます。
ブランディングデザインは、言葉だけでは伝わりにくい抽象的な価値を「感覚的に伝える」役割も果たします。
デザインそのものがメッセージとなって、相手の言語や年代、属性の違いにかかわらず、ダイレクトに訴求できるのが特徴です。
特に、パンフレットや商品パッケージ、店舗の内装などのデザインは、視覚だけでなく「触れる」「その場に身を置く」といった体験を通じてブランドメッセージを伝えられます。
繰り返し目にしてもテキストのように読み飛ばされることがなく、自然にブランドを浸透させていくことができます。
多くの場合、取引先や消費者が最初にブランドを認識するのは、ロゴや広告、Webサイト、商品パッケージなどのデザインです。
さらに、看板やパンフレット、店頭といったさまざまな場面で繰り返しブランドデザインに触れることで、ブランドの認知や識別が進んでいきます。
こうしたあらゆるタッチポイントで一貫性のあるデザインを採用することにより、「その企業らしさ」が伝わる統一的なイメージを訴求できるのです。
優れたブランディングデザインとは、単に見た目が美しいだけでなく、そのブランドらしさやブランドとして伝えたいメッセージを的確に表現できているデザインです。
ここではその実現に向けて押さえておきたいポイントを紹介します。
ブランディングデザインで最も大切なことは、「ブランドコンセプトが明確であること」です。
ブランドコンセプトは、ブランド戦略の核であり、ブランドが顧客にどんな価値を提供するのか、自社らしさとは何かを端的に表します。
カラーやロゴなどすべてのデザインは、このコンセプトを土台として成り立ちます。コンセプトが曖昧だったり、要素を盛り込みすぎたりすると、デザインも焦点がぼやけてしまう恐れがあります。
他社との差別化を図るには、「自社ならではのブランドメッセージ」を的確に表現できていることが重要です。
社名やブランド名を入れ替えれば他社でも使えてしまうようなデザインは避けましょう。自社らしいメッセージを表現することを追求すれば、クリエイティブも他社の模倣ではなく、オリジナルなものになるはずです。
ブランドのオリジナリティを表現するときに、重要になるのが「ブランドストーリー」です。ブランドストーリーとは、そのブランドが何を目指し、なぜその姿を目指しているのかといった、ブランドの在り方や価値を“物語”として表したものです。
例えば、アウトドアブランドの「THE NORTH FACE」は、その名を過酷なことで有名な登山ルートから取っています。同社では創業以来、「NEVER STOP EXPLORING(探検をやめるな)」をコンセプトに、厳しい状況下で果敢にチャレンジする人をサポートする商品をつくり続けています。ロゴの図柄も、創業の地である米国カリフォルニア州ヨセミテ国立公園の岩山「ハーフドーム」をモチーフとしています。
このようなブランドストーリーという裏付けのあるブランディングデザインは、説得力を持ってブランドの価値を示すことができます。
成功するブランディングデザインは、ブランドのターゲット層に親和性が高く、共感が持てるカラーや表現が選ばれています。
デザインの好みは、年代やライフスタイル、趣味嗜好によって大きく異なります。極端な例を出せば、スカル(髑髏)のモチーフは、ロック音楽やバイク系ブランドのターゲットからは人気がありますが、健康関連や介護商品のターゲットからは支持されにくいでしょう。
まずは自社ブランドのターゲット像を明確にし、その人たちの共感を引き出せるデザインの方向性を定めていきましょう。
例えば、コカ・コーラというブランド名を聞くだけで、真っ赤なラベルを、そして飲んだときの爽快感を思い浮かべる人は多いはずです。ロゴやキャッチフレーズは時代と共に変化してきましたが、コカ・コーラのデザインが伝えるブランドの世界観は一貫しています。
このような強固な世界観を築くのは容易ではありません。しかし、ひとつのブランドが発信するあらゆるデザインを、そのイメージや世界観を表現するように統一することで、ブランドの浸透を早めることが可能になります。
最後に、ブランディングデザインの成功事例を紹介します。
「レッドブル、翼をさずける」というキャッチコピーと、筋骨隆々の2頭の牛が角を突き合わせる印象的なロゴのエナジードリンクの「レッドブル」。
そのロゴや、黄、赤、青という強烈な色を組み合わせたパンチのあるパッケージは、従来の健康ドリンクの疲労回復というイメージを覆し、「飲むと力を発揮できる」「強くなれる」というメッセージを力強く表現し、商品のブランド力を高めています。
検索エンジンのGoogle社は、自社の使命を「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」と宣言。
そのやわらかな色合いの青、赤、黄、緑を使ったカラフルなロゴは、国や言語を超えて、グローバルな多様性や分かりやすさを感じさせます。
また、Googleはさまざまなサービスを展開していますが、すべての分野のデザインでトーン&マナーを統一。
どのカテゴリでもGoogleのサービスであることがひと目で分かるブランディングデザインとなっています。
ブランディングデザインとは、ロゴから商品パッケージ、Webサイト、店舗の内装に至るまで、ブランドを構成するすべての要素に施すデザインであり、そのブランドの“顔”となるものです。優れたブランディングデザインは、ブランドの価値をダイレクトに見る人に伝えます。単に美しさやかっこよさを求めるのではなく、企業や商品の独自性を明確に伝えられる表現を目指しましょう。
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