コミュニティマーケティングとは?運営の手法と成功のポイント

2025/03/10 00:00:00
SNS
ソーシャルリスニング
販売促進
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インターネットの普及とともに、SNSを通じて同じ価値観を持つ人同士がオンライン上でつながりを持ったり、情報交換をしたりすることが増えてきました。このようなオンラインコミュニティを活用した「コミュニティマーケティング」をご存じでしょうか。
この記事では、コミュニティマーケティングで実現できることや成功させるためのポイントについて紹介します。

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目次

コミュニティマーケティングとは?

 

コミュニティマーケティングとは、ブランドや商品のファンから成るコミュニティを作り、マーケティングに活かす手法で、ファンマーケティングの一種です。

 

「コミュニティ」とは?

 

コミュニティは時として「地域社会」という言葉と置き換えられることがあります。この場合のコミュニティとは、共通の地域に居住して利害を共にする共同体のことです。
これに対して、マーケティングにおけるコミュニティは、「消費者コミュニティ」という言葉と置き換えることができます。消費者コミュニティにおける共通の話題は、特定の企業や商品です。
マーケティングにおけるコミュニティの例を挙げると、「コーヒーが好きな人のコミュニティ」「化粧品に詳しい人のコミュニティ」といった具合です。InstagramやX(旧Twitter)に代表されるSNSでは、特定の分野の情報を発信する企業や人をフォローすることができるため、オンライン上にはSNSを通じて形成されたさまざまなコミュニティが存在しています。

 

コミュニティマーケティングの特徴

 

コミュニティマーケティングの一般的な方法として、企業が自社の商品やサービスにまつわるコミュニケーションの場を設けて、消費者に参加してもらうというやり方があります。
マーケティングの基本は顧客分析です。その一環としての市場調査では、共通する属性のグループにインタビューを行い、消費者の本音を聞き出すということも珍しくありません。


しかし、コミュニティマーケティングでは、企業が消費者に対して一方的に質問を投げかけるだけではなく、消費者同士が対話をし、企業がその様子を観察するところに特徴があります。コミュニティ内の消費者同士が対話することを通じて、一方的なインタビューでは得られにくい消費者の率直な意見や困りごとを引き出せます。
また、オンライン上のコミュニティであれば、消費者は時間や場所を気にせずに気軽に参加できます。このことに着目して、オンラインのコミュニティをマーケティングに活用しようという企業が増えています。

 

 

コミュニティマーケティングが注目される背景

 

コミュニティマーケティングが注目される背景として、主に以下の3つが挙げられます。

 

市場が縮小し、LTVが重視されるようになった

 

人口減少により市場は縮小を続けており、新たな顧客を獲得し続けることはますます難しくなっています。

そこで、既存顧客に購入や利用をリピートしてもらうことで、1人の顧客から多くの収益を上げてLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を向上させるマーケティング施策に重点が置かれるようになったのです。

 

既存顧客を対象にした方が、コスト効率が良い

 

再購入を1人獲得するコストに対して、新規顧客の獲得では5倍のコストが必要だと言われています(1:5の法則)。

また、顧客全体の2割しかいない優良顧客が、売上の8割を上げるという経験則(パレートの法則)もよく知られています。

こうしたことから、コミュニティを構築し、コアな既存顧客との関係性を強化する方が、コストを抑えて効率良く利益を生むと考えられます。

 

消費者発の情報が影響力を持つようになった

 

誰もがSNSを使って自由に情報を発信、拡散できる時代を迎え、消費者発の情報が購入の意思決定に大きな影響を与えるようになりました。

ファンが商品、サービスを熱く支持する口コミが企業による広告やPRよりも信頼され、認知拡大や売上アップにつながるケースも数多く見られます。

 

 

コミュニティマーケティングのメリット

 

次に、コミュニティマーケティングのメリットをご紹介します。

 

顧客視点の商品開発ができる

 

コミュニティには「おいしいコーヒーが飲みたい」「メイクがうまくなりたい」などの共通の目的を持った人が集まります。

その人たちの声を集めることで、顧客の気持ちに寄り添った商品やサービスを生み出すきっかけとなるでしょう。

街頭調査のようにランダムな消費者に意見を求めるのでは、的を射た意見が得られないこともあります。

しかし、コミュニティマーケティングでは当事者意識を持った人の意見を集めることができるという点で、効率よく調査することができます。

 

ユーザー同士での問題解決を実現できる

 

商品やサービスに関する疑問や課題などをコミュニティ内で共有することで、ユーザー同士が自発的に情報を寄せ合って問題を解決まで導ける環境を実現できます。

同じブランドを愛する立場からの共感性や、困っている仲間を助け合うユーザーの互助精神がこのようなコミュニティを成長させ、企業にとって価値ある情報の集まる場となるのです。また、気軽に情報を入手できるコミュニティに参加することは、その企業やサービスをより身近に感じる効果にもつながります。

 

企業と消費者の絆を強化できる

 

コミュニティマーケティングでは、企業と消費者がコミュニケーションを深めながら関係を強化することができます。

企業や商品に愛着を持っていて、「誰かに商品の良さを伝えたい」「自分の意見を商品開発に反映してほしい」という消費者の熱意を企業が尊重することで、消費者も企業にますます愛着を持つようになります。

 

 

コミュニティマーケティングの注意点

 

ここで、コミュニティマーケティングの注意点もご紹介しておきます。

 

即効性のある取り組みではない

 

コミュニティ参加者を増やし、コミュニティでの自発的な情報発信を活性化し、顧客のロイヤリティを高めるまでには時間がかかります。

コミュニティマーケティングは長期的な取り組みであることを理解して計画を立て、社内でも周知しておくことが重要です。

 

専門の知識やスキルが必要

 

コミュニティの参加者を増やし、活性化するには、コミュニティマーケティングの専門的な知識やスキルが必要です。

一方的な情報発信や売り込みではユーザーの心は動かず、コアなファンのコミュニティを形成することはできません。社内に知見がない場合は、外部の手を借りるのも手です。

 

 

コミュニティマーケティングの手法

 

コミュニティマーケティングには以下のようなさまざまな手法があります。

 

コミュニティサイトを運営する

 

自社でコミュニティサイトを運営し、ファン同士がコミュニケーションをとれる場所を提供します。

コミュニティサイトから得られる有意義な情報はデータとして収集し、さまざまな顧客データを数値的に検証していくことが重要です。

 

リアルイベントを開催する

 

普段は顔の見えないファンの声を直接聞くことができ、ファン同士の交流も生まれます。

また、参加者のUGC投稿により、好意的な情報が拡散され、企業イメージ向上につながります。

 

SNSのハッシュタグを活用する

 

商品やブランド専用のオリジナルハッシュタグを作ってユーザーに投稿を呼びかけ、投稿されたUGCに対して企業側がリアクションをすることで、企業とファンが相互に交流できます。また、投稿が拡散し、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

 

 

コミュニティマーケティングを成功させるポイント

 

続いて、コミュニティマーケティングを成功させるためのポイントについて見ていきましょう。

 

発言しやすい環境を作る

 

消費者が自由に意見を交わすことができる場をつくる工夫として、困りごとをトピックにするという方法があります。

「商品Aについて語り合おう」というトピックでは、その商品を使ったことがある人しか会話に参加できません。「〇〇を解決するには?」のように、コミュニティの消費者が会話に参加しやすいトピックを用意し、自由な発言ができる雰囲気づくりを心がけましょう。

 

オンラインとオフラインの活動を組み合わせる

 

例えば、コミュニティサイトで培った消費者との絆をさらに強化するために、工場見学のイベントを行うなどオンラインとオフラインの活動を組み合わせてみましょう。これにより、工場見学に参加した消費者がコミュニティサイトで発言し、その発言を読んだ別の消費者が商品に興味を持つ、という好循環が期待できます。コミュニティサイトをより活性化するためには、消費者と直接対話をする機会を持つことも検討してみましょう。

 

 

コミュニティマーケティングの成功事例

 

ネスレ日本

 

ネスレ日本は、2012年5月にネスカフェを愛用する消費者のオンラインコミュニティ「ネスカフェ ドルチェ グスト ロイヤルティクラブ」を立ち上げてマーケティングに活用しています。
コミュニティに集まる人たちはネスカフェを愛用しているため、マーケティング担当が質問を投げかけると当事者としての率直な意見が返ってきます。

コミュニティから引き出した意見をもとに、ネスレは安価に楽しめるカフェオレや、ケース単位ではなく箱単位で注文できるサービス、ギフトに適したコーヒーマシンなどを生み出しました。

 

Salesforce

 

クラウドベースの顧客管理システムを展開しているSalesforceも、「Trailblazer Community」にてコミュニティの持つ特性をうまく活用し、成功している企業です。 Salesforceのプロダクトを利用する際に生じる疑問や業務上の課題などをコミュニティ内で共有することで、ユーザー同士が自発的に情報を寄せ合って問題を解決まで導ける環境を実現しています。同じシステムを利用する立場からの共感性や、困っている仲間を助け合うユーザーの互助精神がこのようなコミュニティを成長させ、企業にとって価値ある情報の集まる場となっている好例と言えます。

 

 

コミュニティマーケティングでしか得られない情報を活用しよう

 

コミュニティマーケティングにより、企業は消費者との絆を深めながらマーケティングに必要な情報を効率よく集めることができます。消費者同士の対話には、通常のマーケティングでは得られにくい顧客目線の情報が詰まっているので、これを有効活用しない手はありません。コミュニティから得られた情報をヒントに、ファンの気持ちに寄り添った企業活動を展開していきましょう。

 

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