太田:私や鈴木はクライアントのコンサルティングを行うチームですが、実際に新しい技術のキャッチアップなどは、南雲の開発チームが行っています。
南雲:私たちは Shopify ChangelogやShopify Blog、RSSの定点観測を行っています。年4回のAPIの更新では重要そうなものをピックアップして開発チームメンバーや、コンサルチームと共有します。集めた情報はNotionにナレッジとしてまとめて、Shopifyの機能データベースを作っています。
鈴木:私たちのスタイルは、まず、クライアントが考えているビジネスモデルをお聞きし、その構想を実現するための複数のシステムを選定し、その相関に落とし込んで行きます。単にオンライン上でものを売るだけの領域にとどまらず、物流にはどうつなげていくか、マーチャント社内での経理的な処理に、どのようなデータを必要とするのかなど、バックオフィスの部分まで解決を提示します。そういう幅広い領域をカバーするシステムを提案しますので、開発チームとの連携は不可欠です。
構築や開発の部分にとどまらず、非常に細かいところまで開発チームには相談していて、例えば、CSVの加工の仕方や、データベースに投げ込むカラムの項目をどうやってシステム間で受け渡して、格納させることができるようになるのかといったところまで一緒に考えます。
徳永:開発や構築という領域を超えて、バックオフィス系の課題解決まで行っている点はマーチャントに伴走するという貴社の姿勢が感じられるエピソードですね。そういったノウハウも自社でShopify Plusのストアを運営する中で蓄積していかれたのでしょうか。
鈴木:そうですね。私たちの自社EC運営も財務や資金など、当社の様々な部門とバックオフィス面でコミュニケーションをとらなければいけない状況があります。そういった場合も開発チームと一緒に解決を図り、その時の経験やノウハウをクライアントにフィードバックしています。
徳永:TOPPANクロレ/UNWORXでShopifyアプリを開発されたこともうかがっています。どのようなアプリですか。
徳永:ストア構築のみならずアプリ開発まで行うパートナーは、社内でも技術面での評価が高いです。アプリ開発には、Shopifyのテクニカルな仕組みの理解が必要ですからね。アプリ開発を通じて、マーチャントにどこまで具体的な提案ができるのかという勘どころのようなものが培われたのではないですか。
南雲:ビジネス的にはたくさんのECで採用されなければいけませんが、実際にShopifyのアプリストアに公開できるアプリを開発して運用しているという実績は、マーチャントへの支援で非常に役に立っています。勘どころということで言うと、1点目は、EC側にはこういったデータ構造・APIがあるから、こういう仕組みにできるはず・こういうアプリがあるはず、といった嗅覚が鋭くなりました。マーチャントの要件に対して、できる・できない・こういう条件ならできるのでは?という検討ができ、支援の幅とスピードが広がりました。
2点目はShopifyエコシステムの利活用です。アプリを自社で構築して動かし続けるのは、運用サポートだけでなく、環境維持やAPIのキャッチアップなど、多くのリソースがかかります。既存のアプリや仕組みがあるなら、その活用を優先的に検討すべきだと考えるようになりました。
Shopifyプラットフォームの進化は前述の通りですが、Shopifyは技術情報の公開とメンテナンスに余念がなく、コミュニティーの育成にも積極的です。自分が困った場合に、どこかに情報がある、誰かが知っているという状況は大変ありがたく、自分たちだけで行う以上の成果が出せる仕組みになっています。
鈴木:Shopifyは非常に運用しやすいECカートですし、打ち手の幅も広い。デフォルトの機能や保守はShopifyが担保してくれるので、我々としてはその技術を理解し、応用を効かせる事に注力する事ができるので、保守に時間とお金を投資する必要がありません。つまり、クライアントの事業成長という本質的な支援に注力するために最適なカートだと考えています。そのため、しっかりとShopifyおよびShopify Plusの拡張性を理解し、支援の幅を常に最新の状態に保っていきたいと思っているのです。
後編では、広告や制作メンバーの関わりについてもご紹介します。(後編に続く)
TOPPANクロレでは、WebサイトやEC事業の構築・リニューアル、各種プロモーションも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。
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