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インバウンドマーケティングとは?具体的な実践方法と考え方を解説|TOPPANクロレ

作成者: TOPPANクロレ株式会社|2021/04/07 0:00:00

インバウンドマーケティングとは何か

 

インバウンドマーケティングとは、顧客にとって価値のあるコンテンツを先に提供することで、顧客が自然な形で自社に興味を持つことを目指したマーケティング手法のことをいいます。

今、多くの企業がこのインバウンドマーケティングを実践し、ブログ、eBook、ウェビナーなど様々なコンテンツを用いて顧客を獲得しています。

 

 

インバウンドマーケティングが注目される背景

 

企業からの一方的な情報発信が顧客を疲弊させた

 

ここ十数年の間に、ユーザーの情報収集の形は大きく変化してきました。
昔は、テレビ、新聞、ラジオなどから一方的に発信された情報をそのまま享受することしか出来なかったのに対し、現代ではネットで簡単に知りたい情報を検索し、ユーザーが情報の取捨選択を簡単に行えるようになりました。その分、ユーザーは「情報収集の主導権を自分が持てているか?」ということに、敏感になりつつあるともいえます。また商品の選択肢が増え、ニーズが多様化してきている今、様々な企業から押しつけがましく興味のない情報を勧められることにも疲れてしまっているのです。

 

 

顧客主導の関係構築が話題に

 

「インバウンドマーケティング」という手法は、スマートフォンが普及し始めた2010年、米国Hubspot社のブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアにより書籍『Inbound Marketing』が出版され、注目を集めました。インバウンドマーケティングは、あくまで顧客側が主導となって自社との関係を築いていくことを目的としています。ユーザーがWeb上で興味を持っていることを調べたり、何か課題を解決するための方法がないか探したりする際に、その人にとって役立つ情報や資料を提供しておくことで、顧客の方からそれを見つけ、自社のことを知ってもらうという手法です。

 

 

インバウンドマーケティングのメリット

 

これまでのマーケティング手法では、とにかく「数を打てば当たる」方式で大々的な広告を打ったり、もしくは地道なテレアポや飛び込み営業などを行ってリードを獲得していました。しかしインバウンドマーケティングでは、自社のサービスに関わる情報を公開することで顧客を引き込むので、元々見込みの高いユーザーが集まりやすくなります。また必要以上の広告費や人件費を払わなくて済み、コストを抑えることも出来ます。

 

 

 

インバウンドマーケティングの3つのプロセス

 

インバウンドマーケティングを考案したアメリカのHubspot社では、インバウンドマーケティングを次の3つのプロセスに分類しています。

 

 

それぞれのプロセスについて詳しく見ていきましょう。

 

①Attract(惹きつける)

 

Attract(惹きつける)の段階では、自社のもつ専門知識を活かしながら顧客の課題解決に役立つ記事などを発信し、「役に立つ」「信頼できる」企業であるという認識を持ってもらうことが重要です。また、顧客が普段どんなチャネルで情報収集をしているのかも調べ、適切なチャネルで発信をしていきましょう。

 

【おすすめの施策】

  • ・身近なテーマの記事(「~とは」「~するための方法」など)

  • ・専門用語集

  • ・無料eBook

  • ・ウェビナー

  • ・ランディングページ

  • ・SNS

など

 

②Engage(信頼関係を築く)

 

Engage(信頼関係を築く)では、前の段階で惹きつけた見込み顧客から情報を集めることで抱えている課題を引き出し、それに合った解決策を提示していきます。

顧客が自社との直接のやり取りをしやすいようにチャットなどの設備を整え、課題が見えてきたらコンテンツやメルマガの内容を顧客に合わせてカスタムしていきましょう。

 

【おすすめの施策】

  • ・チャットボット

  • ・メルマガ

  • ・マーケティングオートメーション

など

 

③Delight(満足させる)

 

Delight(満足させる)では、顧客の期待値を超えるものを提供し、「このサービスを他の人にもぜひ勧めたい!」と感じてもらうことを目指します。

自社の商材を買ってもらったら終わり、ではなく、さらに活用するための情報を提供したり、顧客と意見交換する機会を設けたりすることで、より密接な関係を築いていきます。

 

【おすすめの施策】

  • ・学習用コンテンツ

  • ・満足度アンケート

  • ・ユーザー向けイベント

など

 

以上の3つのプロセスを経ることで、インバウンドマーケティングではユーザーを自社の商品やサービスに対する顧客へと育て上げていきます。

 

 

インバウンドマーケティングを始める前に…

 

インバウンドマーケティングでは、顧客にとって本当に価値のあるコンテンツを常に発信し続けなければいけません。

また、顧客が抱える課題に対しても、スピード感のある対応をすることが求められます。そのためには、事前に自社にとって理想的な顧客像はどんなものか、そして顧客が課題解決に向けたリサーチを行う中でどのような道筋をたどっていくかを予測し、提供しうるサービスを導き出していく必要があるでしょう。

そこで作成すべきなのが、「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」です。

 

ペルソナ

 

ペルソナとは、自社のサービスの典型的なユーザー像のことを指します。「ターゲット」が、そのサービスや商品の対象となる年齢層や性別などを大まかに指定するのに対し、「ペルソナ」では名前や仕事、居住地や家族構成などの細かい情報を設定し、実際にいそうなユーザー像を作り上げていきます。

なぜそこまで細かく設定する必要があるのか疑問に思われる方も多いかと思いますが、リアルな顧客像があることで、その人の悩みや境遇を連想しやすくなり、顧客に寄り添ったより具体的なコンテンツ作成が可能になります。

またペルソナは一度決めたらそのままというわけではありません。実際インバウンドマーケティングを行ってみたら、ペルソナとは少しずれた顧客が集まったというのもよくあることです。その場合には、再度ペルソナと実際の顧客像とをすり合わせて、内容をアップデートしていきましょう。そうすることで、より自社のサービスの顧客に刺さるコンテンツを作りやすくなります。

 

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ペルソナに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
ペルソナとは?マーケティングでの重要性、作成方法と注意点

 

カスタマージャーニー

 

カスタマージャーニーとは、設定したペルソナが購入に至るまでの道のりのことを指します。例えば皆さまはパソコンを買うとき、どのように商品を選ぶでしょうか?「パソコン おすすめ」で検索して、色々な製品の機能や口コミを確認したり、実際に店頭に行って使い心地を比べてみたりしますよね。

このように、ユーザーはすぐに購入を決めるのではなく、様々な段階を踏んで慎重に選択をしていきます。その時の行動や心理を時系列に並べ可視化したものを「カスタマージャーニーマップ」といいます。

 

一般的にカスタマージャーニーマップは

 

  • ・認知
  • ・興味・関心
  • ・比較・検討
  • ・購入
  •  

の4つのフェーズで進んでいきます。そして、それぞれのフェーズでペルソナがとるであろう行動や、喜びや不安などの気持ち、自社とのタッチポイント、知りたい情報などをまとめていきます。

カスタマージャーニーマップによってペルソナの行動の流れを把握し、どのタイミングでどんな情報が必要になるかを理解することで、どんなコンテンツを作るべきか洗い出すことが可能になります。また、そうしてコンテンツを充実させていくことで、ユーザーが購入に至るまでの障害が減り、スムーズにカスタマージャーニー通りの道のりを進んでもらえるようになります。

 

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カスタマージャーニーに関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
カスタマージャーニーとは?マップの作り方、活用例も紹介

 

 

インバウンドマーケティング成功のコツ

 

サイトの運用方法をまずは定める

 

インバウンドマーケティングは、コンテンツ作成と切っても切れない関係にあります。しかし、定期的にコンテンツをアップし続けるというのは非常に大変な作業となってきます。途中で担当者が対応しきれなくなり、更新が止まってしまう場合も多くあるでしょう。

そこで、例えばコラムのコンテンツ作成の場合には、目標を定めて「いつまでに」「どんな記事を」「だれが」作成していくか、などしっかりとした運用方法を確立していきましょう。また、コンテンツを作ってそのまま放置するのではなく、効果測定を行い、どんな記事に人気があるか、効果の出ていない記事はあるかなどユーザーの反応を見てPDCAを回していく必要があります。分析を行うことで課題が見えてきて、次はどんなコンテンツが必要になるかが見えてきます。

コンテンツの進行管理には、ガントチャートを作成するのもおすすめです。

 

 

マーケティングオートメーション(MA)を活用する

 

マーケティングオートメーション(MA)とは、手間のかかるマーケティング活動を自動化し、人的コストの削減と売り上げアップを目指す手法です。

インバウンドマーケティングでは、顧客の育成を先述したカスタマージャーニー通りに進めていく際に、「One to Oneマーケティング」を行うことが基本になってきます。信頼関係の構築には、ひとりひとりの顧客の持つ悩みに合わせてカスタムした情報発信を行ったり、適切なタイミングでの呼びかけをしていくことが理想的です。

ただ、その発信を手作業で行うとなると、かなりの労力が掛かってしまいます。MAツールを活用することで、顧客がどの段階にいるかを点数付けし、それに合った対応を自動で行うことが出来るようになります。MAツールには様々な種類のものがあるため、必要な機能や価格感によって導入ツールを検討してみてください。